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良い質問、惜しい質問、最悪な質問(後編)

どうも“日本を変える薬剤師YouTuber川島”です。

前編では質問の種類を見ていきました。概要は以下の通りです。

・オープン、クローズドクエスチョン

・過去、未来質問

・肯定、否定質問

質問には種類があり、特徴があるというお話。

そして、質問の種類では“質問の良し悪し”は決まらない、というところまでが前編の内容です。(“前編”をまだご覧になってない方はこちら

最悪な質問の正体

早速、最悪な質問を考えていきますが、まず一つ質問です。

何故あなたは服薬指導(薬剤師じゃない人は、部下の指導、接客、営業トークなどに置き換えてください。)の時に質問をするのでしょう?(オープンクエスチョン!)

・沈黙が怖いから?

・上司からこの質問をしろ、と言われているから?

・興味本位?

・なんとなく?

違いますよね。

何か「目的」があって質問をしているはずです。

「目的も無く、なんとなく質問をしてた」
これが最悪な質問です。

じゃあ、服薬指導の目的は何か?(部下の指導、接客、営業トークなどに置き換えてください。)

何のために質問をするのでしょうか?

これを深堀していくと明確な答えが出てくるはずです。

では深堀していきましょう。

“雑談”と“服薬指導(部下の指導、接客)”の違い

ここで雑談と服薬指導の違いを考えてみます。

決定的な違いは「服薬指導」には「明確な目的」があり、「雑談」には「明確な目的」が無い。

指導が上(良い)で、雑談が下(悪い)という話ではなく、雑談は目的が無くても成立する、という話です。

では服薬指導の目的は?

一言で言うと“患者さんのQOL維持・向上のため”ですね。

それを確認(必要に応じて改善)するために「どんな質問をする」のでしょうか?

・薬をきちんと飲んでいるか?飲み忘れの残薬は無いか?

・体調変化(治療効果は出ているか?副作用は出ていないか?)

・併用薬は無いか?(薬の飲み合わせは問題ないか?)

などQOL向上・維持できているかの判断に必要な質問をしていきます。
(結果的に算定要件とリンクしてきます。)

良い質問

このように明確な目的がある質問が「良い質問」です。
今まで書いてきた通り「服薬指導」には「目的」=「患者さんのQOL維持・向上」があり、そのために「質問」をします。

その時の質問は「具体的」「何故その質問をしているのか」が患者さんに伝わると、答えてもらえる確率は上がります。

例えば

「薬はきちんと飲めてますか?余っている薬はありませんか?

「薬を飲み始めてから体調は良くなりましたか?ふらつきや眠気が気になったりしませんか?

と具体的に聞けば、

「きちんと飲んでいる“つもり”なんだけど、1枚(10錠)くらい薬が余ってきているのよ」

「体調は大分良くなってきたわ。ふらつきや眠気はないんだけど、ちょっとボーっとするのが気になるのよね」

と具体的に返ってくる可能性が高くなります。

「具体的」に聞き「その質問をする意図(ここでは体調がよくなっているか?副作用と思われる症状が出ていないか?)」が伝わると、具体的な回答がもらえる可能性が高くなりますね。

惜しい質問

もしこれを

「薬はきちんと飲めていますか?」

「体調変化はありませんか?」

とだけ質問したら、患者さんからは「はい、飲めてます」「変化はありません」と答えて服薬指導が終了する可能性が高いです。

『体調変化を確認する意図』が伝わっていなければ、テキトーに答えられてしまう可能性もあります。
(医者に話したのに、なんでもう一度薬剤師にも言わなきゃいけないんだ、と言われてしまうこともしばしばあります。)

このように抽象的な質問だと、質問の意図や言っている内容は間違ってないのですが、欲しい答えがもらえない可能性が高い

これが「惜しい質問」です。

具体と抽象を繰り返す

ただし、具体的な質問だけでは何度も質問する必要があるので、抽象的な質問と具体的な質問を繰り返すのが理想です。

例えば

「薬はきちんと飲めていますか?」

「体調変化はありませんか?」

という質問に「薬はだいたい飲めてるよ」「体調は特に変わらないかな」と答えられたとします。

そこからさらに具体的な質問をしたらどうでしょうか?

「だいたい飲めてるんですね。1日3回飲む薬だと昼飲み忘れる人が多いんですけど、昼もだいたい飲めてますか?」などと聞くと、「そうそう、実は昼が結構飲み忘れるんだよね」という答えが出てくることもあります。

このようにまずは抽象的な質問で大枠をおさえて、その中で確認したいことを具体的にしぼっていく、というのも質問が上手な人のやり方です。

その質問は何のため?

最後に、なぜ質問をするのかに戻ります。

薬剤師が「薬がきちんと飲めているか」を確認して「薬の治療効果が出ているか?副作用が出ていないか?」を確認するのは「患者さんのQOL向上・維持」に繋がっているか?という目的があるからです。

質問は手段です。

この目的を忘れて「質問すること」が目的になって意図のない質問をするのは「最悪な質問」なので、気を付けましょう!

この「質問が目的化する」いわゆる「手段の目的化」は、陥りやすい罠なので気を付けましょう!

今日も最後までご覧いただきありがとうございました!

最後に余談ですが“具体的に質問をすると、指導に時間がかかるから簡単な質問だけにしろ”と先輩に指導されたことはありませんか?

そんな薬局で働くのは、あまりおススメしません。まぁ、そのほうが業務はラクだったりするので、そういう職場を望んでいるなら止めませんが・・・。(ただし先輩の会社での立場上、そのような後輩指導になってしまう「悲しい事情」がある可能性は高いのです。それに関しては別の機会に書くことにします。裏話あるあるですね。)

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