見出し画像

"V天"の栄華を知る刺客たち 完全アウェーでも優勝"本命"揺らぎなし -とっとこマホメッツ(おん天スポーツ特別編)

・サプライズ

2021シーズン終了後、きたる2022シーズンはアイScreamを加えた5チームでリーグ戦が行われることが発表されていた。チーム編成の形式がどうなるかなど気になる話題は多く、皆が3年目に突入するおんJ天鳳部ペナントレースを楽しみに待ちわびていた。

そこにもう一つの新規参戦チーム現れた。

とっとこマホメッツ。かつてニュー速VIPで栄華を誇っていた麻雀スレ「VIPで天鳳スレ」民が集まった、実力者ぞろいのすでに完成されたチーム。

しかも驚くことに、新オーナーには魚に在籍していた夢乃マホ(登録名:スーパーまほっち)、副オーナーには園城寺怜(登録名:ネコアルク)が就任。またしても魚から独立チームが生まれることとなった。

騒然としたのはかつてのV天スレを知る者たち。そこにある名前を見れば、すぐに夢乃マホが"ガチメンツ"で乗り込んできたことがわかった。「容赦がない」「本気すぎる」などの言葉を気に留めるはずもない。

やるからには全力で勝ちに行く。言葉にしなくても、彼はチームの形でそう宣言した。ホームゲームが一つも存在しない、完全アウェーであるにも関わらずに。

自身3年目のシーズンはオーナーとして。副オーナーは引き抜きだ。


・ディアスポラ

現在のVIPには麻雀スレはない。麻雀そのもの(というよりは天鳳)の愛好家が減ったことも関係しているが、過去には咲スレも存在し、こちらでも声をかければ個室を打つことができた。VIP全体の中で麻雀を打てる人はそれなりにいて、なかでも天鳳専門スレであるVIPで天鳳スレには猛者が集っていた。

現在、弊紙で観戦記者として「Play of the Day」のコーナーでもおなじみの梅野隆太郎選手(魚)も、かつてはV天民としての顔を持っていた。実力は言わずもがな。周知のことなのでここではことさらに取り上げない。

話を戻すと、スレが消滅した現在はTwitterなどで連絡を取り合っているとのこと。今回の参戦も、夢乃マホの呼びかけに応えた選手たちによってチーム編成に目途が立ったために決まったことだった。

ほぼ全員が鳳凰民級の実力を持つとされる、帰る場所を持たない流浪の雀士。開幕前の順位予想では上位を確実視する人が多く、梅野に至っては1位にマホメッツの名前を入れた。それくらい、彼らの雀力は抜けているということだった。

そしてついに訪れた開幕。ここでマホメッツの面々は、敵地で長期戦を戦うことの難しさを知る。

そうそうたる面々を引き連れての参戦。上位予想は必然ともいえた。


・"予想された勝利"と低迷

開幕戦のスクランブル戦ではオーナーが決勝に進み20ポイントを獲得。リーグ戦初戦の第1節ではいきなり連勝し、1チームだけポイントは3桁越えに。第2節もトップラスでポイントは微増。大方の予想通りの序盤戦だった。

だが、第3節に2位に落ちてから、チーム状態は下り坂に転じる。

トーナメント戦ではポイントを獲得できず4位に後退。第4節は95.1ポイントをマイナスして上位との差が開く。そこからは長らくポイントを稼ぐことができず。なんとか減らさないようにすることで精いっぱいだった。

いや、逆なのか。どんなに不調でも、チームとしてポイントを減らさない。そういう打ち方ができる選手ばかりだ。彼らは自らのできる仕事をきっちりこなし、チームは二番底に沈むことを避けられた。

そこから第7節の3戦全連対で調子を取り戻し、少しずつポイントが増えていく。2位から4位までが団子状態になって迎えた第10節、マホメッツは連勝で第2節以来の首位に帰ってきた。そこから再び定時ケエリタイガースに首位を明け渡したが、第11節にケエリタイガースの連敗ですぐに復帰。最高の形で前半戦を折り返すことに成功した。

第10節の連勝はとても大きかった。これで天鳳シリーズへの足場は完成したも同然となった。


・完璧ではないからこそ

四麻のトップは全チーム中最多の8回。ラスはアイScreamに次ぐ4回の少なさ。そんな良好なリーグ戦成績と裏腹に、イベント戦での獲得ポイントは最下位のアッスチームと同数。課題は相応に存在する。

オーナーの夢乃マホに副オーナーの園城寺怜、花澤香菜に偏った登板試合数も気になる。後半戦を戦い抜くだけの体力をチームに残さなければならないが、そのためのオーダーは組めるだろうか。

ただ、それらはマホメッツだけの問題ではない。他5チームすべてにも当てはまることではある。そもそも、どんなに強い雀士をそろえたチームであっても、完璧を期して実際にそうなることはまずない。故に、必ず弱点が生まれてしまう。

だからこそ勝ち抜いて首位に立つ強さもあれば、白星から遠ざかる弱さも生まれる。

でも、それが面白いんじゃないのか。完璧じゃないからこそ勝負が成立し、見どころある対局が生まれる。麻雀というゲーム性を考慮すれば、彼らほどの猛者をもってしても勝てない初心者だって存在する。

そこに名場面が生まれ、見るものを熱狂の渦に巻き込む魅力が発生する。そうしてペナントレースは続き、2チームの王者が誕生した。3チーム目がどこになるかは現状ではわからない。もっとも優勝に近いところにいるマホメッツですら天鳳シリーズは確約されていない。

夢乃マホオーナーに感謝したい。6チーム目の参加によってリーグ戦の盛り上がりは過去最高のものになった。2022シーズンに舞い降りた対天鳳部最強の刺客は、後半戦も大暴れしてくれることだろう。


さあ、ここからが本番。失われた「V天スレ」の名がおんJで、称賛とともに蘇る。



ペナントレースの詳細はこちらからご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?