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在宅勤務制度の開始 〜働き方改革推進記録 vol.6〜

 こんにちは、株式会社シグナイト COO 兼 Tオケ自称マネージャーの山田です。私自身は2001年創業時から約20年間、ずっとシグナイトという会社を切り盛りしていて、良い面、悪い面含めてさまざまな経験をさせていただきました。良い面と悪い面双方兼ね備えた事例としては、2014年から取り組んだ働き方改革があります。今回はこの場をお借りして、どのように働き方改革を進めてきたかを何回かに分けてご紹介したいと思います。

 前回までで、デジタル化への第一歩、共同編集、ビデオ会議、チャット、タスク管理などデジタルツールの導入経緯をご紹介してきました。今回は働き方改革のキモでもある在宅勤務についてご紹介したいと思います。

在宅勤務の管理をどうすべきか?

 シグナイトでは、在宅勤務の取り組みは2015年頃からテストケースを含め段階的に導入してきました。もともと一日中在宅で勤務するというよりも、会社のオフィス以外の場所で働くことで気分をリフレッシュさせたり、打ち合わせなどの移動が伴う際に、自宅から直接向かったり、打ち合わせ後に直接帰宅してから資料を整理するなど、従業員の満足度やオフィスに通う負担軽減を目的としてスタートしました。

 在宅勤務を実施するにあたり、どの会社でも大きな課題となる「在宅勤務中の勤怠管理をどうするか?」が会社でも焦点となりました。何らかのシステムを導入して監視する案や、オンラインのテレビ会議システムを常時接続するなどの案がでましたが、いずれも「監視」をベースにした勤務に対して懐疑的なアイデアでした。従業員に対して充実した働き方をしてもらい、より意欲的に仕事に取り組める意味で始める在宅勤務制度なのに、従業員がきちんと働いているか疑念視するのはどうも本末転倒な気がしました。

工数表の導入により監視レスを実現

 そこで、取り入れたのが工数表の導入です。私の構想では社内管理用の専用システムを構築して、従業員がどのプロジェクトにどのくらい時間を費やし、それに対するコストがいくらになるのか、工数を登録することでプロジェクトの利益を可視化するようにしたいと考えていたのですが、まずは Google スプレッドシートで各々の工数表を作成して入力することからはじめました。ワークフローを明確にするため、多少の手間がかかっても手作業からスタートしたわけです。工数表には日付、プロジェクト名、通常と深夜・残業の作業時間を登録できるように項目を設け、従業員が意識できるように登録した時間に応じた金額も自動計算で表示するようにしました。

 ただ、実際にやられた方はご存知かと思いますが、工数表を登録するというのは非常に手間のかかる作業です。そのため、たいがいは登録することをやめてしまうか、続けたとしても適当に登録するのが関の山です。そうならないために、工数表の提出をもって給与計算をするというワークフローにしました。これをすることで、登録してなかったとしても毎月締日には必ず過去一ヶ月分を登録して経理に提出するという流れを徹底することができました。また、適当に登録するというリスクに対しては、個々のプロジェクトの利益率を定期的に計算し、想定より利益が出ていないプロジェクトの原因を探ることで不正が明らかになるということを周知しました。都度監視というよりも不正はバレるという意識を植え付けることで抑止効果を引き出したのです。

 この工数表を給与計算に使うことと不正登録への抑止効果で過度な監視を不要とした在宅勤務制度が完成しました。私が考えていた社内管理のシステムも2018年に完成し、現在では売上管理から工数管理までプロジェクトの管理を担う中心的な存在になっています。

まとめ

【開始前】
1. 勤怠管理の方法が大きな課題に。
2. 監視主体の懐疑的な管理は従業員の不安につながるのでは。
3. 工数表管理としたが、入力自体が続かない可能性がある。
4. 工数表を適当に登録される恐れがある。

【開始後】
1. 工数表の導入で誰がいつどのプロジェクトの作業をしていたかの把握ができた。
2. 工数表で管理することで、監視をすることなく管理することができた。
3. 工数表を給与計算に利用することで、毎月1回は必ず入力しなくてはならないワークフローとした。
4. 定期的にプロジェクトの利益率をチェックすることで工数表の不正な登録がわかってしまうことを周知し、抑止効果に変えた。

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Standsome Worklifestyle on Unsplash

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