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揺らぐ岸田政権

● 辞任ドミノ

岸田内閣の辞任ドミノが止まらない。旧統一教会問題に関連して山際経済再生担当大臣が辞任したのを皮切りに今度は、葉梨法務大臣が自身の職を軽んじる発言を繰り返していることが報道され辞任に至った。更には、選挙を所管する寺田大臣が自身の政治資金に関する問題で更迭されるに至り2ヶ月ほどで3人が辞任する異例の事態である。
 安倍政権では、官房長官であった菅氏が内閣をコントロールしており大臣の問題に関しては概ね辞任に関するルールがあったと思われそれに違反すれば即刻、辞任が言い渡されていた。菅総理が辞任すると時に「安倍に菅あり、菅に菅なし」と言われたが内閣を陰に陽にコントロールする人物がいない組織は綻びやすいのかもしれない。
 

● 身内の失態

岸田総理にとって悩ましいのが自身の派閥である宏池会から辞任者が相次いでいることである。そもそも、岸田総理が誕生の背景として他派閥(主に麻生及び茂木派)からの支援を取り付けたことがある。つまり、安倍総理やそれを引き継いだ菅総理の時代に比べて盤石な体制を以て政権運営ができる状態ではない。故に他派閥の顔色を伺いながら政権運営をしなければならず、窮屈感が否めない。更には、総裁選立候補に際した会見では一部の派閥を敵に回しかねない発言をしており、今般の辞任ドミノに際しても更迭の判断が遅い点を公然と幹部から指摘され中々党内を掌握できていないことが窺える。安倍・菅政権時代では見られなかった光景である。その様な状況で身内が相次いで失態を犯すのは岸田総理にとっては頭痛の種であろう。
 

● 脆弱基盤の宏池会

首相派閥である宏池会であるが党内においてはそれほど盤石な基盤を築いているとは言えない。宏池会は現在、自民党内では4番目タイであり下から数えた方が早い。所属議員数が多い順では清和会(安倍派)、平成研(茂木派)、志公会(麻生派)、宏池会、志帥会(二階派)、近未来政治研(森山派)となる。
 上記の様に、他派閥からの支援を背景に誕生した政権であるから他の派閥にスキを見せればそこを突かれ崩壊につながる。その為にも実務は滞りなく実行できていると内外にアピールする必要があるが、岸田総理自身の判断の遅さや自身の派閥の失態により岸田総理は瀬戸際に追い込まれている。
報道各社の世論調査によると一部では30%を切っており概ね30%台前半で推移している。これは私の持論であるが、内閣支持率は40%台半ばから後半であればよくやっていると言えると思う。なぜなら、政権与党である自民党と公明党の政党支持率は合わせて40%程度であり、そこに無党派層を数%獲得できれば良くやっていると言える。一方で、25%を割ると政権与党に投票した人の中でも現政権を支持しない人がいるため危険水域に突入しているといえる。現在はぎりぎり持ち堪えているが、危険水域は目前である。

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