とにかく売上は大事です
デイサービスに介護支援者からとある相談が来ました
介護支援者『相談なんですが、おばあちゃんをデイサービスに行かせたい娘さんがいて、おばあちゃん本人は嫌がってるんです。それで、今行けるデイサービスを検討してるんです。』
デイサービス職員『私たちのデイサービスでは○○と××ができます』
ありがちなやりとりです。そしてこの構文、介護保険界隈ではめちゃくちゃよく聞きますが上記の切り返しだと、非常に物足りない。
どう物足りないの?と思った方は必ず続きを読んでください。
この界隈にいると違和感なく聞いてしまいがちですが、おかしな構文なので一度正確に読み解いて、本当の意味での支援ができるようにしましょう。
※いいとかわるいを決める話ではないです
登場人物は以下の三人ですね。
・デイサービスに行きたくないおばあちゃん
・デイサービスに行かせたい娘さん
・デイサービスに行きたくない本人を行かせようとする支援者
この先の話を考える前に、ドリルを売るなら穴を売れという本をご紹介します。
純粋にドリルが欲しいひとはいない
ドリルが欲しい人の中でただ純粋にドリルが欲しい人はどのくらいいるでしょうか?
言いかえると、ドリルを手元に置くことを目的にドリルを買う人がどのくらいいるかということです。
思い当たるのは
・ドリルコレクター
・他社のドリルの開発者
でしょうか?
でもドリルコレクターは、いろんなドリルを手元に置いて比べながらいつでも見れる状態にするのが目的で、純粋にドリルが欲しいとはいえないでしょう。
ドリルの開発者は、きっと買ったものを分解したり、機能を調べて、よりよいドリルを作るのが目的でしょう。これも純粋にドリルが欲しいとはいえないです。
結局のところ、欲求をみたすことが売れるということなわけです。
そこで、ドリルを売るなら穴を売れという言葉がピンと来るはずです。
穴をあけたい欲求がある人に向けて、ドリルを売ってあげる必要があるということです。もちろんドリルをコレクションしたい欲求でもいいですが、その場合は数が出ない覚悟がいるでしょう。
話を戻します。
・デイサービスに行きたくないと言ってるおばあちゃんは、どんな欲求があるのでしょうか?
・デイサービスに行かせたい娘さんには、どんな欲求があるのでしょうか?
・デイサービスに行きたくないおばあちゃんを行かせようとする支援者には、どんな欲求があるのでしょうか?
欲求=wantなので、~したいと表現できることを探ってみましょう。
実際には、本人と関係性を築いて直接心情を吐露してもらうことが望ましいですが、ここではできないので可能性を探ってみたいと思います。
どんな欲求に何を売るのか
おばあちゃんの欲求
『娘に邪魔者扱いされているので、デイサービスに行くことで自分が邪魔者であることを認めることになってしまう。』
そこには、誰かの役に立つ存在でいたいという欲求がありそうです。
『デイサービスのイメージは“衰えた人が行く場所”だとしたら、行くことで自分が衰えた人になってしまう。』
そこには、自分はいつまでも元気はつらつな存在でいたいという欲求がありそうです。
『知り合いがデイサービスにいってつらいという話を聞いていたら、自分もなんだかつらい思いをすると感じる。』
そこには、いつも穏やかな気持ちで暮らしたいという欲求がありそうです。
これらは次のように言えます。
・デイサービスを売るなら、『誰かの役に立つ存在でいられる』を売れ
・デイサービスを売るなら、『いつまでも元気はつらつな存在でいる』を売れ
・デイサービスを売るなら、『いつも穏やかな気持ちになれる時間』を売れ
娘さんの欲求
『家でねてばかりいるおばあちゃんを見て、このままではおばあちゃんが寝たきりになってしまう。』
そこには、おばあちゃんにいつまでも元気でいてほしいという欲求がありそうです。
『物忘れで、来客のことを忘れてしまい、自分の家によくわからない人がきているようで心配だ。』
そこには、家の防犯を保たれるようにしたいという欲求がありそうです。
これらは次のように言えます
・デイサービスを売るなら『いつまでも元気でいてほしい』を売れ
・デイサービスを売るなら『家の防犯を保たれる』を売れ
支援者の欲求
『娘さんに相談されたから、娘さんの希望を叶えないとだけど、おばあちゃんは嫌がってて嫌な思いをさせてしまうかもしれない。』
そこには、どっちも気分よく進める方法がほしいという欲求がありそうです。
『問題が難しくて、もっとざっくばらんに誰かに話しながら整理したいのに、職場の人間関係ではむずかしい。』
そこには、私と一緒に考えて、娘とおばあちゃんを支える仲間が欲しいという欲求がありそうです。
これらは次のように言えます
・デイサービスを売るなら、『どっちも気分よく進める方法』を売れ
・デイサービスを売るなら、『私と一緒に考えて、娘とおばあちゃんを支える仲間』を売れ
何かを売るというのは、誰かの何かの欲求を満たすことが基本。なのに、介護や医療は、支援者側が、きれいな方がいいから、3食たべたほうがいいから、外出できた方がいいからと、世の中的な標準にあわせて~したほうがいいと気軽に口にしてしまいます。
僕が考えるプロフェッショナルは、本人の欲求をかなえることを満たす提案が、たまたま清潔を保ち、3食食べ、外出につながっていることです。
売るは叶える、売る上げは叶えた量
売るは欲求を叶えるということです。
売るつもりがないのは、誰かの欲求に興味がないということです。
僕の考える『売上』は、叶えるの指標でしかありません。
もしも、欲求を無視して、立場を利用して金銭を稼ぐようであれば、それは僕が考える「売上」とは言えません。
今一度、弊社の考える売上について考えてみたください。
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