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【僕らのコントの著作権フリーにします】学校の出し物、授業のネタ探しなどで自由に使ってください。その4「いのちの授業」(単元:倫理)

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どうぞ自由に使ってください。

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コント「いのちの授業」(倫理)

矢島:えー、今日のホームルームは、とても重要なことを話し合おうと思います。これまで、うちのクラスでは、ブタのピグちゃんを飼ってきました。みんなで力を合わせてピグちゃんを育ててきて、最初は小さな子ブタだったけど、今じゃ立派な大人のブタになりました。
野村:(うつむきながら話を聞いている)
矢島:でもね、ピグちゃんは本来、僕たち人間に食べられるために育てられているブタなんだ。先生も飼い始めた時に言ったね。みんなでこのブタを育てて、一緒に食べようって。でもみんなの中で、育てていくうちにピグちゃんへの愛情が芽生えてしまった気がするんだ。だから、今日はここでしっかり話し合いたいんだ。このままピグちゃんを食べるか、食べないか。
野村:…。
矢島:どうした、誰か意見のある人?
野村:はい。
矢島:よし、野村。
野村:僕は…ピグちゃんを食べるべきだと思います。そもそもピグちゃんは、食べるために育ててきたわけだし、そういう運命なんだと思います。
矢島:そうか…。はい、女子泣かない。確かに野村の言うことは残酷かもしれないな。ピグちゃんへの愛情がないのかって思うよな。逆に聞くけど野村、そこらへんはどうなんだ?
野村:いや…まぁ、愛情はないですかね。ただ食べるために育てたっていうか。
矢島:野村。確かにお前の気持ちはよく分かる。でもな、生徒の中にはお前と違って、並々ならぬ愛情を注いできた奴もいるんだ。
野村:いやダメでしょ!愛情とか、そんな甘いこと言ってたら食べられなくなるでしょ。
矢島:野村!少しは言葉に気をつけろ!何でそこまでピグちゃんに冷たくできるんだ!
野村:畜産科だからですよ!
矢島:…え?
野村:うちが農業高校の畜産科だから!
矢島:…野村、今その話関係ないだろ?
野村:あるわ!大体そのためにブタ育てたんでしょ?こういう道徳的なやつ、畜産科で要ります!?
矢島:はいみんな、ザワザワしない。野村、確かにうちは農業高校畜産科だ。ピグちゃんを始め、うちのクラスでは40頭のブタを育てている。
野村:だから愛着がないんですよ!ピグちゃんって言われても、どのブタかな?ってなるんですよ!
矢島:しっぽがクルンとしてるのがピグちゃんだろ!
野村:ブタは大体そうだろ!まっすぐなしっぽのやつが珍しいわ!
矢島:いいか野村。俺たち畜産科はな、動物の命をいただく存在なんだ。ここで命の尊さを学ばなくてどうする?
野村:それは分かってるんですよ!でもそれ突き詰めたら、食べないっていう子も出てくるでしょ!?
矢島:それも一つの答えだろ!
野村:ここじゃダメなんだよ!じゃあなんでここに進学したんだってなるだろ?先生、ウチらをどうしたいんですか?
矢島:はい、女子泣かない。
野村:何で泣けんだよお前ら!先週も普通に授業でブタさばいてただろ!どこで愛着湧いたんだ。
矢島:野村!女子に対してその態度はなんだ!お前の意見がすべてなのか?
野村:いやカリキュラムがすべてだわ!ブタ育てたらさばくしかないんだわ工程として!
矢島:そうか…じゃあ野村以外の意見を聞こう。ピグちゃんを始め、40頭すべてのブタを食べたくないというやつは手を挙げなさい。…よし、全員手をおろせ。
野村:いやいやいやいや!もう畜産科として終わりだよ!
矢島:その昔、オスカー・シンドラーというドイツ人の実業家がいた。彼はナチスの時代、ユダヤ人の収容所送りを阻止するために、自身の工場でユダヤ人を雇い続けた。そして1,100人の命が救われた。今のみんなと同じだな。
野村:全然違うわ!ちょっと先生!僕らは動物の命をいただく存在なんです!そりゃあ育てたブタを食べるって残酷かもしれないですけど、そうやって僕ら人間も、命を繋いでいるんじゃないでしょうか?
矢島:…野村。そうだな、だから我々は、動物の命をいただいている分、今生きていることに感謝して、一生懸命生きるべきなのかもしれないな!
野村:先生!
矢島:よし、みんな。そろそろみんなの意見をまとめよう。育てたブタをどうする?お、鈴木どうした?…芸を教え込んで、ブタだけのサーカス団を作る?
矢島・野村:(顔を見合わせ)それ、いいねぇー!

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