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備忘録#008|損益分岐点分析で活用できる指標

備忘録|興味があればお読みください

 備忘録#001|企業概況モニタリングで活用できる指標
 備忘録#002|収益性分析で活用できる指標
 備忘録#003|効率性分析で活用できる指標
 備忘録#004|採算性分析で活用できる指標
 備忘録#005|安全性分析で活用できる指標
 備忘録#006|生産性分析で活用できる指標
 備忘録#007|成長性分析で活用できる指標
 備忘録#008|損益分岐点分析で活用できる指標
 備忘録#009|債務償還分析で活用できる指標
 備忘録#010|目標利益や予算の立て方
 備忘録#011|中小企業庁統計による経営指標

矢印株式会社とは

皆さま、初めまして。矢印株式会社の馬上朋広と申します。
2018年5月に創業したモノを販売しないことで客観性を担保した会社です。91年に商社マンから始まり、日系ICT企業、北米、英国、ベトナム企業でICT事業に従事しておりました。
事業の中心は、ICTセカンドオピニオン と 経営情報可視化ダッシュボード というサービスを提供しております。

「Executive Dashboard|企業概況」構築サービス について
★★ デモンストレーションサイト|動くグラフで遊べます★★
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損益分岐点とは・・・売上減少への耐久力

損益分岐点分析は、変動費と固定費という費用構造に着目して、 それらがどのように利益に影響するのか、という観点から安全性を分析する方法です。狭義の意味では収益と費用が等しくなる売上高を見出すことにあります。広義の意味では、一定の売上高をあげるのには費用がどれだけ発生し、損益がいくらになるかについて分析したり、 また一定の利益をあげるのには売上高をどれだけにしなければならないか、 費用はどれだけに抑えなければならないかについて分析するものです。

損益分岐点分析は、企業全体や事業部別、商品別の売上・費用の目標設定を行うのに利用でき、新規事業の立ち上げや、新規商品投入の際には必要不可欠な分析になります。 また、損益分岐点分析によって、企業全体のコスト構造を大まかなに把握することができます。 それによって、その企業がもつリスクを明らかにすることができます。

事業の「採算性」を把握するには、事業の「損益分岐点」を知ることが大切です。損益分岐点とは、収支がゼロになる売上高(採算ライン)のこと。収益の額と費用の額が等しくなる点、利益も損失も生じていない売上高、これを採算点をいいます。

算出するには、「変動費」「固定費」「変動費率」を把握する必要があります。「変動費」は売上高にともなって変動する原材料費や仕入れ商品の値段、「固定費」は売上高に関係なく発生する人件費や販売費などの費用です。

変動費 = 売上に連動して増減する費用で仕入高や外注費
    = 材料費、人件費
    = 販売費(簡易的に)

固定費 = 売上高や販売数量の増減に左右されないで一定に発生する費用
    = 人件費や地代家賃、広告宣伝費、交際費、リース料、減価償却費

損益分岐点は、売上金額だけでなく、工場の操業度や販売個数などによって表すこともできます。損益分岐点売上高は以下のように固定費を限界利益率で除して求めます。

損益分析から判断すべき点
 収益と費用のバランスがとれているか
 どの商品が利益に貢献しているのか
 誰が売上に貢献しているのか
 どの地域や店舗が不採算地域なのか
 将来投資がどの位組み込まれているか

固定費と変動費の仕分け例
【製造業】
固定費

直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員(管理部門)・販売員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費
変動費
直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税

【卸・小売業】
固定費

販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売業の場合50%)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費
変動費
売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%)、注:小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費

【建設業】
固定費

労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費
変動費
材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、設計費

1.損益分岐点比率

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 売上高 × 100

損益分岐点比率とは、売上高と損益分岐点売上高の比率を計算したものです。この時の比率によって企業の体力が見えてきます。

損益分岐点売上高を売上高で割ります。数字が低いほど、売上低下による赤字への影響が少ないといえますし、現状または想定している売上高が損益分岐点売上高を上回っていることを意味し損益構造上望ましいです。

損益分岐点比率の目安
 60%未満    :超優良企業
 60~80%    :優良企業
 81~90%    :普通企業
 91~100%  :損益分岐点企業
 100%超   :赤字企業

2.経営安全率(安全余裕率)

経営安全率 =(売上高 - 損益分岐点売上高)÷ 売上高 × 100
      = 1 - 損益分岐点比率 × 100
      = 1 -(損益分岐点売上高 ÷ 売上高)× 100

経営安全率は、安全余裕率とも言い、企業の赤字への抵抗力を見て、その企業の経営の安全性を判断する指標の一つです。売上高を100%とした場合に、実際の売上高と損益分岐点の差が何%になるかを計算し表した指標です。

高ければ現状または想定している売上高が損益分岐点売上高に対して余裕を持っていることを表しています。

経営安全率は、損益分岐点比率を経営安全度の立場から見たもので、数式を見て分かる通り、100%から損益分岐点比率を引いたものです。

たとえば、損益分岐点比率が80%の会社であれば経営安全率は20%となります。損益分岐点比率が100%以上だと会社は赤字ですが、損益分岐点比率が80%であればまだ20%余裕があるということになります。つまり、売上高が今後20%減少しても赤字経営にはならない、ということを意味しています。このような視点で見るのが経営安全率です。現在のような厳しい経営環境にあっては、企業は真剣になって損益分岐点の切り下げを行い、脇を固めた無駄のない経営も必要かもしれません。

3.損益分岐点売上高(損益分岐点)

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
         = 固定費 ÷ (限界利益 ÷ 売上高 × 100)
         = 固定費 ÷ ((売上高 - 変動費) ÷ 売上高)


限界利益 = 売上高 - 変動費(= 販売費になることもある)
     = 利益(売上高に比例して増減する利益) + 固定費

限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高 × 100
      =(売上高 - 変動費)÷ 売上高 × 100
      =1- 変動費率

損益分岐点とは、係る費用を収益でカバーでき、損益が「0」になってこれ以降は利益が出る、という売上高をいいます。

売上高とその売上高を達成するために必要とした総費用(変動費+固定費)とが合致し、利益も損失も生じない状態を「損益分岐点」と言い、英語表記の「Break-even point」を略して「BEP」とも言われています。

損益分岐点は、管理会計上の概念の一つで、売上高と費用の額が等しくなる際の売上高のことを損益分岐点売上高といい、それ以上になると利益が生じ、それ以下になると損失が生じることになります。

損益分岐点を知るとどうなるのか
 短期利益計画を策定する際の指針作成
 ある一定のコストで利益を出すために最低限必要な売上高を予想
 ある一定の売上高で利益を出すためにコストダウンの金額を予想

4.損益分岐点販売量

損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ (売上高 - 限界利益)

損益分岐点を「固定費を賄えるだけの限界利益を獲得するためにはどれだけの数を売る必要があるか?」この境界線を示しています。

売上高と費用の額が等しくなる販売数量を指したり、損益分岐点に到達するために必要な販売量、または限界利益を獲得する為の販売数量ともいいます。

謝辞|深く感謝いたします

できることならゲーム感覚で経営を楽しみたい。そんな時、何を基に、何を頼りに、経営したらいいのか分からなくなりました。そこでややっこしいことは承知の上で、財務会計の本をとったのですが、言葉が揺れていたり表現がしっくりこなかったりして理解できませんでした。そこで、一念発起して自分用のテキストを作ろうと考え、それがこの内容になります。
私が理解できるネット上の情報を収集し、引用し、加筆修正を加えてまとめました。大変難しく不正確な点もあると思います。しかし本一冊の表現では理解が及ばないことが、様々な表現で記述された情報で学ぶことができました。まだまだ未完成ですが、備忘録として公開したいと思います。皆様の一助になれば幸いです。最後に、引用元の皆様には深く感謝申し上げます。

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