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日記:映画「おらおらでひとりいぐも」

2月3日、節分です。
先日アマプラで見た映画「おらおらでひとりいぐも」でも、豆まきシーンがありました。
これがまた、すごく心に沁みる映画でした。
冒頭30分くらいNHKの深夜ドラマかと思うくらい淡々とした進み方なんですが、気がついたらちゃんと映画でした。
ゆっくり坂を登っていたら、いつのまにか山の頂上に出ていた、
みたいな盛り上がり方の映画です。

数年前に夫に先立たれてひとり暮らしをするおばあちゃんの話で、
脳内で勝手に喋り出す三人の「おら(自分)」達をはじめ、おばあちゃん本人にしか見えていないイメージが映像で表現されています。

最愛の夫に数年前に先立たれ、一人切りでの生活を送る主人公の桃子さん。
一人で豆をまき、一人で食事をし、一人で本を読み、一人で歩く。
大切な人を失った寂しさはあっても、孤独ではない。
生活のそこここに、彼女なりの他者とのつながり方がある。
というのが、ものすごーーく丁寧に描かれていました。

メール・SNSが普及して、遠くの他者とでもリアルタイムのコミュニケーションが当たり前にできるようになった時代を生きてきた・生きている私には、とても胸にくるものがありました。
他人とつながる、一緒に居るってどういうことなんだろう?
などということを考えさせられます。

老年期を演じる田中裕子さんと、若かりし頃を演じる蒼井優さんとが、全くの別人なのにちゃんと地続きになっているのが見ていて不思議でした。
所作や表情など、互いに互いをイメージしながら演じたのでしょうか。
役者さんはすごい。


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