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戯曲『ふちどり かたぬき 愛とよべよ』 を書くまえに

(2019年3月京都滞在を通して) 

柳生二千翔×京都芸術センターの協働プロジェクト『まばたきの季節』の一環で、
2019年5月に、“許せないことに疲れている” をテーマに、至極個人的な生い立ちや、それに対する私の思いを背景とした戯曲を発表します。タイトルは『ふちどり かたぬき 愛とよべよ』 とします。

これと同一のアプローチをした過去作品は1度あります。しかしその際は失敗しました。思いが強すぎて「私」と「世界」の距離が近すぎたためです。

今回の滞在ではクラブや大衆酒場、銭湯など、遊興的な場所、つまり感情の起伏が(表面的に)強くなりやすい空間に赴き、個という単位で人々の生活を見つめました。人のことを、改めて近くで見ました。

人は距離が近すぎると、愛し方を忘れます。

近作を振り返ると、街や川という単位で集団の中の個を俯瞰したものが『ウォーターフロント』であり、そして「私」の完全な外側に焦点を当てたものが『うたたね姫 リミックス』であるならば、
今作は「距離感」そのものと「人」、そして、世界への祈り方について、もっと強く考える時間にしたいと考えています。

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