9年前のこの日、ぼくはシアトルへ旅立った。
毎年8月4日になると思い出す。あと1年待てばちょうど10年だけど、書くことはきっと同じだと思うから、今日書いておくことにした。
当時ぼくは大学3年生だった。文転して迎えた浪人時代を何とか気力でやり過ごし、大学へ入った。嫌いではないけど夢中になることもない法律を専攻し、友人とお酒ばっかり飲んでいた。かけがえのない自由を謳歌したけれど、何かが流れ出ていくだけの無為な時間だった。
入学して間もない時期は学業への熱がたぎっていて、英語の上のクラスに入るための選抜試験を受けた。受験