マガジンのカバー画像

夜空の果てまで

21
サイドブレーキを引きながらも、ここではない何処かへ行こうとしているnoteを集めました。 今日も明日も明後日も生き延びましょう。そしてどこかでお会いしましょう。
運営しているクリエイター

記事一覧

ワイルドサイドを歩け

高校の時の担任が亡くなった。 卒業してから10年。随分と良くしてくれた先生だったので、その…

308

11月の空

 SNSの海であなたを見かけました。10年経っていてもあなたの笑顔はあの時と同じように素敵で…

山羊的木村
4か月前
112

負けてはいけない、負かしてもいけない

「対話」は共同作業です。 手と手を取り合って二人で一つの関係性を築く行為。言わば、互いが…

嶋津
2年前
112

バインミーでさようなら

次が私の番だ。たったこれだけのためにどれだけ待っただろう。でもいい。店内は暖房が効いて暖…

微熱
2年前
91

もめ事を収めるコツ

震災からしばらくたった2月頭頃、神戸市の職員が避難所に派遣された。ところがどうも初期のこ…

shinshinohara
2年前
3,057

泣きながらカップ麺を食べた。まだ大丈夫と自分に言い聞かせた

ライター1年目、文才がないとずっと自分を責め続けていた。右も左もわからないままライターに…

さようなら

「ねぇー!!なんでやめちゃうの?」 夕方、夜勤要員として出勤すると、廊下の向こう側からシンちゃんが勢いよく走ってきた。 「ごめんねぇ。最後の日に言おうと思ってたんだけど、知っちゃったかぁ。」 3月をもって、働いていた病棟を去ることが正式に決まったのは、年が明けてからだった。 「なんで?なんでやめちゃうの? 私まだ退院しないのに。 先にいなくならないでよ!!泣くよ!?」 今にも泣きそうな顔で、すでに大きな瞳をうるませて見つめてくるもんだから、私も言葉につまる。 「今

拝啓 20年前の私へ

「20年前のちーちゃんから30歳の千裕さんに手紙が届きましたよ」 母からの連絡には、フェルト…

kyritani
3年前
157

6枚のドア

この地球は愛おしい。 なぜなら人間を乗せている。           丨 韓国で出会った…

79
+29

漫画「8月31日」

159

母は三歳児だから、空を竜が泳いでいる。

「私三歳児だから、いやいや期だから」 朝、リビングの机で母がそう言う。 今日は調子が悪いら…

46

【小説】月が綺麗な夜もある

ヤマザキくんとは同じ塾だった。 母親がママ友から「厳しいけど成績を上げてくれるイイ塾よ」…

75

昨夜わめきちらした隣人が笑っている

 「なんでそんな簡単なこともできひんのや!!」  家族で夕食を囲んでいると、竹内の奥さん…

金魚風船
3年前
51

9年前のこの日、ぼくはシアトルへ旅立った。

毎年8月4日になると思い出す。あと1年待てばちょうど10年だけど、書くことはきっと同じだと思うから、今日書いておくことにした。 当時ぼくは大学3年生だった。文転して迎えた浪人時代を何とか気力でやり過ごし、大学へ入った。嫌いではないけど夢中になることもない法律を専攻し、友人とお酒ばっかり飲んでいた。かけがえのない自由を謳歌したけれど、何かが流れ出ていくだけの無為な時間だった。 入学して間もない時期は学業への熱がたぎっていて、英語の上のクラスに入るための選抜試験を受けた。受験