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横山秀夫「顔FACE〈新装版〉」

横山秀夫「顔FACE〈新装版〉」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
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幼い頃からの夢を実現してD県警警察官となった平野瑞穂・23最。天性の才能を活かして鑑識で犯人の似顔絵描きを職務としていた。似顔絵婦警が犯人逮捕のお手柄ともてはやされた後で、彼女の苦難と紆余曲折が始まった。「だから女は使えない」。それでいて情報漏洩、官品横流しなどの不正が横行する警察社会。徹底的な男社会で幾度も挫折しながら、憧れの職業での矜持を保ち、正義を貫くひたむきさ。雑誌「問題小説」に断続的に掲載された短編作品5点。平野瑞穂は、著者の第一作「影の季節」に収録された「黒い線」で脇役として登場して以来の主役登場である。婦警への初心を失わない瑞穂を、著者はなんと愛らしく描くことか。横山秀夫作品で唯一のヒロインである。
1️⃣プロローグ
・タイムカプセルから掘り出された少女の夢。
2️⃣魔女狩り
・広報に転属となった瑞穂。連日スクープを抜き続けるJ紙に、内部情報の筒抜けが問題となり、窓口の広報も犯人探しに躍起で、瑞穂もやむなく出動。
3️⃣決別の春
・鑑識へ復帰を希望した瑞穂だが、異動先は犯罪被害者支援対策室「なんでも相談テレホン」。最初に受けた電話は放火に怯える若い女性だった。
4️⃣疑惑のデッサン
・かつての自分と同じ過ちを犯そうとしている後輩の似顔絵婦警。手を差し伸べようとする瑞穂だったが、後輩には思いもかけぬ事件への因果があった。
5️⃣共 犯 者
・銀行強盗訓練と全く同じタイミングで別の支店で起きた強盗事件。訓練に参加した瑞穂も含んだ参加者全員が情報漏洩の監察を受けることになる。
6️⃣心の銃口
・男女雇用均等法の影響で婦警も拳銃を携帯。しかし射撃大会の代表級の婦警が襲われて拳銃を強奪される。仇を討ちたいが拳銃使用に腰が引ける瑞穂。
7️⃣エピローグ
・お世話になった上司の退官、駆け寄った瑞穂に贈られたことば。

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