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大童

大笑いした。何を見ても笑った。南の力だ。

音階の独特な民謡がどこかから聴こえてきて、青い魚が市場に並んでいる。
近所のじいじが何人もやってきて、知らぬ間に仲良くなっていた。
クルーザーで受けた強い潮風に髪はバババと音を立てて逆立ち、日光がカッと音を立てる。

砂は驚くほど白かった。
足の裏はじんじんと熱くて、ビキニを着たからだは別の人間のものみたいだ。

毎日、何もやらないことに、忙しい。

海はここに来る前の私の悩みなんて、聞いてくれる由もない。
笑っているしかない。

コントラストの明確な植物たちは、ざわざわと命の音をこぼす。
彼らは生きることに忙しい。

私はどうだろう?

光る砂をこぼしてしまったような夜空を仰いで、泣いた。
私も星になりたい。
生きることに忙しく燃え、尽きたい。

大きな子どもが叫んだあの日の願いこそ、なんと騒がしかっただろう。

振り返り知るのは、ずっとあとのこと。


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今日一日の糧にします。(真顔)
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答えのない考え事におぼれがちな人。お茶が大好き。 ◆noteの実績◆「消えない泡」(短編小説、2019年) キリン×note「あの夏に乾杯」特別賞受賞
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