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PPP的関心記事まとめ【書籍・調査研究レポート紹介篇】

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PPP的関心の中で、書籍・調査研究レポートなど紹介や読後感想や書籍・レポートからのメモ記録として公開してきた記事を集めてみました。
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記事一覧

PPP的関心2023#29【『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』一気読み】

偶然兵庫県(姫路)への出張が入った今週。出張のお供に『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』を携えて出かけました。予定の会合やオンラインの講義を終え、何気なく手に取って読み始めましたが、引き込まれるように一気に読み進めてしまい、時に少しウルッと来るような箇所もあるほど強烈な一冊でした。今回はこの本の紹介を。 写真は撮りたての一枚、姫路駅前から姫路城を臨む昼間のカット。 『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』新書の帯には「ローカルを極めることが真のグローバル」とあります。頭ではわかって

PPP的関心2023#26【FM(ファシリティマネジメント)とは…の勉強】

合同会社RRP として活動を開始して昨日(6/30)で丸2年が終わりました。こういう「節目」は気持ちを新たにする良い機会です。 偶然ですが、最近はこれまで関心はあって意思表明をしていてもなかなか機会に巡り合うことがなかったような取組みにお声がけをいただくこともぼちぼち出始めました。 今日はそんなこともあって自分の中で学び直しや知識の整理整頓をしている最中の「ファシリティマネジメント」について(まだ勉強中なので聞き齧りばかりで恥ずかしい限りです…)自分用メモ的に書こうと思います

PPP的関心2023#21【『未来をつくる図書館』を再読して】

講義での話題提供のために『未来をつくる図書館』(2003)を再読する機会がありまして。 改めて読んでみて一つ関心を持ったこととに、2003年初版本の最後「むすび ー 日本の図書館を進化させるために ー」で示されているいくつかの情報(例えば国際比較とか)の「いま」ってどうなんだろう?という自分の気づきメモ的に書き留めておこうと思います。 ・・・ということで大した話ではありません、今回は。 図書館後進国?「日本の図書館統計」(日本図書館協会)というのを調べてみると、2021年度

PPP的関心2023#18【『路線価図でまち歩き』読みました。地域を元気にする取り組みは地代・地価に帰結する】

GW中も執筆や訪問先への移動などなんだかんだでゆっくりと…という感じでもないのですが、放出ばかりではバランスが悪いのはどんなことでも同じで少しづつでも刺激を入れないといけません。 ということで今回は最近読んだ書籍とそこから考えたことなどを。 書籍紹介『路線価図でまち歩き 土地の値段から地域をよみとく』筆者の中川さんは直接お会いしてお話しするといつもユニークな視点にハッとする気づきを与えていただくことが多い方です。この新著では実際に街を歩いてみた中川さんだからこその説得力をと

PPP的関心2023#13【書籍『行政革命』。今の立ち位置を確認する30年前の視点】

お正月に出会った監修・翻訳メンバーの一人である星野さん(株式会社スターガバナンス社 代表取締役 開発プロデュサー)の紹介で知ったおよそ30年前の書籍『行政革命』を読んでみました。古い本ですが書かれている視点や指摘は今なお…という事柄もあります。 今回は同書を読んで考えたことを書こうと思います。 書籍『行政革命』「革命」というタイトルは少々刺激的だなと思いますが、内容は過去の工業化が進展する時代においては機能してきた行政(官僚)制度が、時代の変化(情報化社会、知識経済の時代へ

PPP的関心2023#07【注目書籍『公民連携エージェント』を読んで】

先行予約で発注して手元に届いたタイミングから偶然にも出張が重なり、ようやく注目の書籍『公民連携エージェント 「まち」と「まちを使う人」を元気にする仕事』を読み終えることができました。今回のPPP的関心では感想や印象に残ったポイントなどを記録しておこうと思います。 写真は2022年6月に書籍の舞台でもあるmorinekiを訪れた際に撮った一枚。 書籍の紹介著者の入江さんには、私が担当する東洋大学PPPスクールで担当する「まちづくりビジネス論」にゲストレクチャーとしてお越しいた

PPP的関心2023#02【『公共善エコノミー』に触れて、PPPを再考する】

2023年は良い発信をするために必要なインプット機会を確保してゆこうと考えてスタートしました。今回も先日オンラインで参加したセミナーで触れた「公共善エコノミー」という言葉と、それを照らし合わせながら最近の仕事での雑感などをメモしておこうと思います。 公共善エコノミーこの言葉の源や詳細については書籍の翻訳者である池田さんのnoteをお読みいただいた方が良いと思うのでnoteのリンクや公共善について解説されていたコラムの抜粋をご参照ください。 社会公正と連帯、透明性と民主的な

PPP的関心【読み返した本について。大曲駅前の利活用検討活動をきっかけに】

本来的な私(もしくは合同会社RRP)の活動内容は「人を応援する」という立ち位置で仕事をすることが多いのですが、稀に応援するという立ち位置を少しだけはみ出した取り組みも行うこともあります。その一つの取り組みがJR大曲駅西口土地利活用検討会議に対するコンサルPJへの参画です。 先日、調査提案活動の第一弾としてJR大曲駅西口土地利活用検討会議主催(運営は株式会社See Visions)した講演会「大曲駅前の余白をどう使う?」@大曲に参加してきました。 *写真は講演会当日の様子 と

PPP的関心【『公民連携パークマネジメント~人を集め都市の価値を高める仕組み~』を読んで】

2022年も12月に入って残すところあと2週間余り。街にも「歳末感」が出てきました。そんな時節とは関係ないのですが(笑)寒い日は出かけずに家で本でも読もうということで、以前「地方公務員サロン」という公務員ネットワークの勉強会(株式会社ホルグ社主催)でお話を聞かせていただいた『自治体の財政診断入門「損益計算書」を作れば稼ぐ力がわかる』の著者である大和総研の鈴木文彦さんの新著(2022年12月)を手に取りました。 今回は新著『公民連携パークマネジメント~人を集め都市の価値を高める

PPP的関心【『脱「日本版PFI」のススメ 急がれるサービス調達型への転換』を読んで】

この活動も含めて意図的に発信を心がけていますが、その前提はインプットが必須です。これには現場を見聞したり人にあってお話を聞いたりするだけではなく、もちろん書籍やさまざまな媒体からの情報収集もあります。 ということで、今回は最近読んだ『脱「日本版PFI」のススメ』から自分メモを少しばかりシェアしようと思います。 写真はPPP手法で整備されたメルボルン王立病院(2018年訪問,筆者撮影) 『脱「日本版PFI」のススメ』の紹介著者の熊谷さんの書籍を私も初めて手に取りました。資料提

PPP的関心【「民間主導のまちづくり」の実態は?主役である商工事業者の関与度が見えた調査】

「公民連携まちづくりは民間主導で」という考え方は、大学の講義でも受講生に伝えています。そんなことで、まちづくり活動は誰が先導するのか?ということについつい関心がいってしまいます。先日、調べ物をしていた際に偶然、日本商工会議所さんによる「民間主導のまちづくりによる実態調査」という調査(2022年3月発表)を見つけました。今回は調査報告書を読んで考えたことについて書いてみます。 *写真は2022年5月に視察で訪れた、「民間主導の公民連携」で生み出された豊かな公共空間(木伏緑地)の

PPP的関心【情報のアップデート。英国LEP制度に関するレポートを読んで】

社会人大学院でPPPに関する学びを修了して早くも丸7年が経過しました。物事の進み方が早くなっている昨今では7年も経つと新しい考え方や新しい概念が次々に示されます。自身の理解や常識もできる限りアップデートしていかなければなりません。そんな時に「英国LEP制度」という言葉を目にしました。今回はそのレポートを読んで考えたことについて書いてみました。 *本文とはあまり関係ないですが(笑)、写真は2015年に訪問した際に撮影したテート・モダン@ロンドンの外観。 英国LEP制度の導入に

PPP的関心【自治体の稼ぐ力と可能性。セミナー「自治体の財政診断入門」に参加して】

毎週「書く」ことも含め、アウトプットばかりではどうもバランスに欠けるものでして、たまにはインプットも必要です。 ということで、先日人伝ての紹介で知り合いになった方が主催されている、公務員の方々が集うサークルのセミナー(勉強会)に参加してみました。 【紹介】地方公務員オンラインサロン( 株式会社ホルグ)今回参加したのは「地方公務員サロン」という公務員ネットワークの勉強会です。公務員オンラインサロンとは以下のような場として株式会社ホルグ社により提供されています。 今回は公務員

PPP的関心【書籍「まちづくりの統計学」とRESAS】

東洋大学PPPスクールで担当している講義「まちづくりビジネス論」のなかでは、「地域に貢献する事業」の立ち上げにはまず「まちを知る」ことからだと伝えています。 知るとは、「物事の状態・内容・価値などを理解する。把握する。」とあります。 価値の判断には過去の経験から得た知識や情報、考えられる背景から地域にとっての必然性や意味などを知ることが重要だと思います。 しかし、過去の知見を以って即ち知ったことにはなりません。今の状態を正しく理解するには、さまざまな調査を通じて示されたデー