ご飯を食べて、写真を撮って、「またね」とさよならする

昔からの仲良したち。
これからもっと仲良くなりたい人たち。

そんな人たちを家に招き、ご飯を作っておもてなしするのが僕と妻の楽しみだ。

というのも、自分たちが作ったご飯を食べてもらうと、そこには不思議な親しみが生まれる気がするからだ。それは美味しいレストランに一緒に行くことよりも、もっともっと柔らかくて温かい。

たぶん、僕らが作ったご飯には僕ら自身が投影されていて、友人がそれを直接感じとってくれるのだと思う。体に優しいご飯なのか、お酒に合うちょっと塩っ気の強いご飯なのか。和なのか、洋なのか、中なのか。そのときの暮らしや考えていることが完全なまでに伝わる。それは「今日は中華の気分だよね〜」のような共有レベルではなく、もっと心の根っこの深いところまで受け渡しているような感覚だ。それはどんなに美味しい居酒屋もバルも肩代わりすることはできない。

そしてもちろんのこと、そういった言語外だけではなく、ホストである僕ら夫婦とゲストの楽しい楽しい会話の時間でもある。つまり、おもてなしでは、目に見えない料理のコミュニケーションと頻繁で確かな会話のコミュニケーションの2つを同時にとっているのだ。だからきっと通常より濃い関係性が作れるのだ。


ちなみに僕は友人の家に行って、友人の手料理も食べることも大好きだ。それがキュウリのたたきでも、ゆで卵に塩でも、全然いい。料理の上手い下手ではなくて、そこに自然とこもった何かを受け取り、僕は笑顔でそれを返す。そしてたくさん話す。最後には家族のような写真を撮って、また会おうねとさよならする。

そんなやりとりと時間を少しずつ積み重ねることが友人との縁を強くする。そして、お互いが幸せに一歩また近づけるきっかけになる。そんなことを僕はけっこう真剣に信じている。

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