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[日記]2020年6月3日(水)

 久しぶりにInstagramを更新する。BREWBOOKSの間借り棚を紹介し直す。「日常と非日常のあわいで」のテーマのもと、写真を何枚か撮ったので現像して載せる。

 今回棚出しした作家では、松浦寿輝に特に思入れがあると改めて感じる。端正で重厚な筆致に今も憧れている。はじめに読んだのは、『花腐し』(松浦寿輝著 講談社文庫)か、『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』(松浦寿輝著 新潮社)だ。おそらく同時期に読んでいたため、読んだ順番は若干曖昧である。いずれも都市の一角で密やかに暮らす男を題材としている。自分の現在の境遇とは異なっていると思いたいが、一歩誤るとこの小説世界に引き摺り込まれそうな、切迫した雰囲気が終始漂う。自分に引き寄せることのできる物語は、非常に面白い。

 『第七官界彷徨』(尾崎翠著 河出文庫)を出したことで、尾崎翠を集めたくなる。ちくま文庫で集成が上下二冊で刊行されているので、見つけたら購入すると決める。

 様々な背景を思い出しながら、お薦めの本の紹介文を書きつける。誰かに届くことは素直に嬉しい。誰かの背景が自分の背景に上塗りされて、本は届いてゆく。

 「地獄にて」(澤西祐典著 すばる二〇一六年七月号収録)を読み終わる。地名の持つ力、言葉で縛ること。地名を指定しないことでの自由不自由。重要と思われる言葉は浮かぶ。イベント当日までにどう解釈するのかを考える。

 明日も仕事。寝落ちしないように、最新の注意を払って寝る支度をする。

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