[日記]2020年6月9日(火)

　新しいiPhoneが届く。新しいiPhoneを目に見えない位置に故意に追いやり、仕事を済ませる努力をする。どうしても届いた日にデータ移行を全て終わらせたい。今週の土日は忙しくなるので、なんとか平日、さらに今日のうちには方をつけておきたい。

　一層努力をし、なんとか二〇時半ごろに仕事を終える。仕事の片付けから間髪入れずに、データ移行の作業をする。極端に言えば、旧iPhoneと新iPhoneを近づけて、一定時間経つとデータ移行が完了してしまう。データ移行完了を待つ間に、食事、シャワー、noteの更新を済ませる。

　新しいものを手に入れる時の喜び。新品のまっさらなものに手をつける初めの人間は私であるという所有欲、すなわち、ものと自分との間に初めて眼差しが結ばれること。そして、これから起きてゆく出来事に対しても運命をともにしてゆく覚悟が、ここでいう「喜び」ではないだろうではなかろうか。そして、人間がその感覚に気づいた時に、人間とものとの二者間で共犯関係が結ばれる。

　ここまで書いてきたが、自分でもよく分からなくなってしまう。ぐるぐると文字が歩き回るだけである。気が付けば、データ移行は無事に完了しているようだ。やるべきことは終わらせた。明日は出勤。早めにベッドに入り、意識的に眠ろうとする。いくつかの小規模の夢を見て、幕が下りる一歩手前で起きる。結末との境界線を踏み越えないように、恐る恐る再び眠る。