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朱夏

深緑の頃、空が瞬きを繰り返して、柔らかかった光がやがて鋭くなる。

雨上がり、木々にさす光も、重たい雲も、深くなる緑も、もうすでに自分が夏の中にいることを教えてくれる。何かに焦って頭の中がいっぱいいっぱいになる。それなのに眠たい日が続いて、気がつけばまたベッドの上。燻っている私は、青春が終わって六月を生きている。

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