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第1回 六角ドライバー(その1)

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 この記事は、R/Cカーを楽しむ上で必要な「工具」に焦点を当てています。
 世に数ある工具。R/Cカーキットに付属のもの、100円ショップやホームセンターなどで売られているDIY向け工具、R/Cショップで売られている工具、実車用などの高価なブランド工具……
 これらの工具はどう違うのか? R/C用としての使い勝手は? おすすめの工具は?
 こうした疑問に、実際にR/C用として使った人間の立場からお答えします。

 RCカーの整備にはよく使うのに、実車ではほとんど登場の機会がない工具の代表格ともいえるのが、六角ドライバーです。
 実際、RCカー関連メーカーからたくさんリリースされている六角ドライバーですが、実車用工具となると非常に限られた「ドライバー専業」メーカーがリリースしているだけで、総合工具メーカー製は見当たらなかったりします。実車ではL字型とかT字型の六角レンチが一般的なのです。下画像はWera社製L型六角レンチ。長軸がボールポイントで短軸が通常の六角(後述するヘックスプラス)になっています。私は自転車用/自動車用として愛用しています。

 ドライバーといえばネジを回すための工具ですが、この「ネジ」もRCカーはかなり特殊な状況にあります。RCカーのようにアルミだの純チタンだのという柔らかい材質を使ったネジは他ではまず使いませんから。
「チタンは硬い」というイメージがあるでしょうが、あれは64チタンなど「チタン合金」のことで、RCカー用に普通に使われている純チタンはかなり削れやすい柔らかい材質です。実際にヤスリで削ってみればすぐわかります。
 この「柔らかい材質に使う工具」というのが難しいのです。しかも、RCカーで普通にかけているトルクは、じつはネジの径ごとに決められたJIS等の定格トルクからするとかなりオーバートルクをかけて締めこんでいます。ネジ止め剤使わないのが普通なのでしかたないんですが。

 RCカー専業メーカーが作っている六角ドライバーの先端の売り文句といえば「高精度」「高硬度」といったものですが、実のところこれがけっこうやばい。
 高精度に六角のエッジが立った工具を、柔らかい材質のネジに使って、その上オーバートルクをかけている。何が起こるかというと、ネジの頭を削り取ってしまってダメにするんです。
 これは工具の世界では「線接触」と呼ばれる工具が起こす現象(下図右端)です。工具のエッジが刃物のようになってしまうんですね。
 では、それを防ぐにはどうすればいいか。
「面接触」と呼ばれる工具を使うのがいいのです。ただ、六角レンチで面接触の工具というのはあんまりありません。ドイツのWera社の「ヘックスプラス」という製品がそれにあたります。(国産にもベッセル社に「ウルトラヘックス」という製品がありますが、L型レンチのみでドライバーは発売されていません)

 上図中央のように、六角穴の平面部分にエッジが立っていない部分が接触するので、穴を削り取って拡げてしまうことがありません。
 そんなわけで、私は特によく使う2mmと2.5mmに関してはWera社製の六角ドライバーを愛用しています。

 ただし、1.5mmの六角だけは、RCメーカー製がいいです。
 上画像にもあるWeraの六角ドライバーの1.5mmは精密ドライバー扱いでグリップが細く、強い締めつけトルクをかけられません。
 また、PB社製などではオーバートルクを防ぐために軸がたわむようになっていたりして、高トルクがかけられない製品もあります。

 ところがRCカーで1.5mm六角を使う場所というと、モーターのピニオンギヤの固定など、高トルクが要求されることが多く、こうした工具は使いにくいのです。
 そんなわけで、1.5mmの六角ドライバーだけは、RCメーカー製をおすすめします。

 次回は六角ドライバーの中でも少し特殊なタイプについて書きます。ボールポイントや少し変わった形状の六角ドライバーです。
 なお、ネジの定格締めつけトルクについてはたぶん第3回で扱います。

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