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世界でいちばん幸せな光景

最近、夢や幸せと向き合うことが多く、ふと思い出した光景を書きます。

オーストリアのインスブルックに一人旅。ハイキングを楽しみに、意気揚々と山に出かけました。

超強運のスタートダッシュ 英雄と遭遇

トラムに乗ってスキーのジャンプ台のある場所まで行きました。ジャンプ台の真横は展望台になっているので、インスブルックを一望。

下に戻り、ジャンプ台を真下から見て「たかーい」と思っていたら、ビュンッと飛んでくる人間の姿。

「人が空飛んでる~」

真下からはそう感じます。

「本物のジャンパーだ!」

なんかよく分からないけど、ジャンパーと写真を撮ってもらっている人がいる。記念に私も撮ってもらおっと。うん、なんかいい一日になりそう。

後から聞いたら、金メダリストで国の英雄と言われていた人だそうです。なんて強運なんでしょう。写真をみたオーストリア人が興奮していました。

気分高揚のままハイキングスタートと思いき

そこからかわいい赤い電車に乗り、緑にたくさん囲まれ、これから始まるハイキングにワクワク。

予想通り、それはとても楽しい楽しいハイキング。山々が美しく見え、町も一望できる。ジャンプ台よりも高い高い場所。今日は本当にいい一日だあ。

調子がよかったのもそこまで。

そんなことを思ったのも束の間、途中で道を間違えてしまったのです。

だんだんひと気がなくなって、ちょっとまずい。でも、山を下りればなんとかなると下っていました。途中で幅広い林道に遭遇し、車輪の痕を発見。「やったー、これで人里に下りられる」と思ったのです。

そして、辿り着いた場所は小さな村でした。

迷子の末に辿り着いたのは

白い家々のベランダには綺麗に花が飾ってあり、ゴミは一つも落ちてなく、とても美しい村。家と自然とが共存している風景。歩いている人たちは、皆、ゆったりと歩いていて、どこへ向かうのか、家族とのおしゃべりを楽しんでいる。

適当に歩いていたら、インスブルック市街へ行くバス停を見つけました。

しばらくすると、バス停には3人兄弟が。とっても仲良しの3歳から13歳ぐらいの兄弟。静かにちょっとおしゃべりをしながら、お行儀よくバスを待っていました。

お兄ちゃんがヒバリのようにお話しする一番下の弟くんの相手をして、2番目のお兄ちゃんも相槌をうって、お兄ちゃんを見上げて。お兄ちゃんは優しい目で弟たちを見守っている。こんなに幸せな兄弟がいるのかと。

その時に、ふと思ったのです。

「あれ、この村の人たちは、とっても幸せそう」。

「私はこんなに幸せそうな人たちに出会ったことがない」。

印象的だったのは、村の皆の顔が穏やかで、幸せそうで、家族との時間を楽しんでいて。

バスが来るまでの30分、この村、この風景を存分に楽しみたい。

こんなに幸せな光景をこれまで見たことがありませんでした。

ホテルに戻った私は、道に迷ったせいもあって完全に爆睡。でも、とてもとても幸せな眠りについたのでした。

「夢」、「幸せ」と聞かれると、この時の光景が頭をよぎります。今、私は彼らのように穏やかな顔をしているのかと。

あなたは今、幸せですか。

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