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山田桜がNFTをする理由

私は19歳の時に開業して以来、7年間絵の稼ぎで生活をしています。
元は漫画家をしていて、現在は漫画アシスタント、イラストレーターとして活動しています。

ここから、少し昔話です。


漫画を描いていた頃は、担当編集さんに連絡がつかなくなったり、自分の意図しない表現やストーリー展開を編集さんに強要されたり、原稿料の支払いを忘れられたり、よく聞くようなことは一通りありました。

『 好きなように描かせてもらえない』

これは漫画家をする以上、どうしてもぶつかる壁だと思います。
雑誌との相性もありますし、ある程度は仕方ないと私も思っていました。
けれど自分のポリシーに反することをずっとやらされることが辛くなり、連載を1本終わらせた段階で漫画家を辞めました。

自分の連載作を描きつつ、漫画アシスタントもしていました。
アシスタント料の計算は漫画家の先生によって様々なのですが、その現場はコマの面積計算で、どれだけ難しい背景でもコマが小さければ単価がとても安いのです。
私に来る仕事は小さいコマに難しい背景の作画が多く、1ヶ月びっちり働いてお給料が8千円だった事もありました。
働いても働いても次の仕事を回され、他の人の数倍働いて、けれど単価の安い小さいコマばかり回されるので他の人よりお金をもらえず、本当に苦しくて、先生からの連絡の通知音の幻聴が聴こえ、上手く眠れなくなりました。

イラストレーターとして活動をはじめたのは漫画家を辞めた後です。
持ち込みに行ったイラスト系の会社の方に
「君のようなフォロワー数の少ない絵描きを使っても費用対効果が見込めないので使わない」と言われ、とても悔しい思いをした事を覚えています。

ご依頼の見積もりを出したら「お金がいるとは思いませんでした」と言われたり、「無料で描いてください」と言われたり、巷でよく耳にするようなことは大抵言われました。
また、少しセクシーな絵を描いているからいいだろうという理由でセクハラを受けることもありました。
抗議をしたら「有名なんだから我慢しろ」と言われたこともあります。

値踏みされて買い叩かれて、ひとの言いなりに絵を描いて、理不尽な要求に応えて
生活のために自分を殺して描きたくもないものばかり描いて
疲れてしまったなと思っていた時、NFTと出会いました。

私がNFTというものの存在を知ったのは、さいとうなおき先生のYouTube動画です。

『NFTは全ての表現者が自分らしく伸び伸びと表現できる世界を実現するための大きな手助けになると思っている』

というなおき先生の言葉に感銘を受け、この世界に飛び込みました。

普通にイラストレーターをしていて、好きなものを好きなように描いてお金をもらえることはほぼありません。「好きなことしてるのに金取るの?」という嫌儲の風潮すらあります。そんなことで傷付きたくて絵を描いているんじゃない。そんな世界であっていいはずがない。

今のNFT界が完全に理想の世界かと言われたらそうではないです。
けれど少なくとも
「好きで絵を描いてるくせに金取るんだ」とは言われません。
フォロワー数が少ないからといって差別されることもないし、自分を殺す必要もありません。


他の活動の場でも少しずつこういう世界があることを発信して、『全ての表現者が自分らしく伸び伸びと表現できる世界』の実現の一助になれたらと思っています。

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