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被害者意識

「世の中には被害者と責任者しかいない」

「被害者意識でいる限り、人は成長しない」

「全ての選択責任は自分にある」

「人から言われたからそれをやるのですか?」

まるで格言のようなこの言葉は、私の元上司から言われた言葉である。

あの時の私は、自分が仕事ができないことを上司のせいにしたり、未経験だから教えて貰わないと出来るはずがない!と言い訳ばかりしていた。

今まで会社という組織に属して、言われたことをやってくれば良かった会社員から、ガラリと異なる世界への転職。0から自分で考え行動し、実績を出すことを求められていた。

全くやったことがない営業の仕事をする中で、新規開拓や企業担当者へのテレアポ、企画書や提案書作成、事業ドメインの考案など…。全てが難しく感じ、「やり方」を教えて頂けない環境の中で、何を聞いても「自分で考えて下さい」と言われ続け、怒られ続ける毎日にとても疲れていた。こんなにも、自分が出来ない人間だったとは…と。

「成果」と「スピード」に拘り、人材会社で長年実績を出し続けてきた私にとって、それはとても屈辱的な出来事だった。

そして、自分が出来ないのをずっと「やり方を教えてくれない上司のせい」にしてきた。今振り返ってみれば、そんなことでは成長するはずもない、と思う。

在職中、契約が成立したのは大手企業1社。滅多にお目に掛かれない方との面談だった。怒られ続けてきた中で、そこで初めて一言だけ褒めて頂いた。
だが、自分の能力不足を痛感し、これ以上迷惑は掛けられないと思い、退職。会社の利益を、私のような人材に投資して頂いていることが申し訳なく、いたたまれなくなった。初めて雇った社員が私だっただけに、全く役に立たない人材だったことを、今でも申し訳なかったという気持ちがずっと残っている。

とてもとても一言では言い表せないほど厳しい上司だったが、今では心から感謝している。あの時の経験がなければ、今の私は存在していない。0から1を創り上げることがどれほど大変か、それが出来るようになることで、どれほどの充実感や達成感を味わうことができるかを、今ようやく感じている。

悔しいくらい、言われた言葉全てが「ごもっとも」なのである。


自分にとって何か不都合なことがあった時、多くの人が人のせいにしたり、なかったことにしたくてスルーしてしまう。それは自然な心の機能だ。

だけど、被害者意識のままでは人は成長しない。意識を自分より外ではなく、内(自分)に向けること。

常にキャリアカウンセラーであること。

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