大切にしたいのは、自分と関係性の遠い人?近い人?

お金を儲けるにはどうしたらいいか?
それは、なるべく自分と関係性の遠い人に向けて何かを売ることだ。

ものの値段は、買う人にとって「希少」であればあるほど高くなる。ただ同然で手に入る水も、砂漠で売れば高値で売れる。

買い手にとって普段から身近でないものほど値段が高い。ブランドや高付加価値化は、売り手にとってはなるべく自分と関係の遠い人を探すことから始まるとも言える。

逆に言えば、関係の近い人にはなかなか高く売れない。例えば、自分の家族にマッサージをするとして、それを高値で売れるか?親族なら?友達なら?近所の人なら…?

マッサージでなくともいい。子どもを預ける、親の介護を頼む、自分が育てた野菜を売る。自分から関係の近い人にはおすそ分けしたくなり、遠い人ほど高値をつけられる。

現代の私たちは、生活時間の多くを「仕事」に費やしている。私もそうだが、自分の子どもをお金を払って赤の他人に預けてまで、仕事時間を確保している。基本的にその仕事は「自分と関係性の遠い誰かのためのもの」のはずだ。なぜならばお金を稼ぐには、遠い誰かに向けることが最も効率が良いから。

いつの間にか多くの人たちが、自分とはなるべく関係のない誰かのために多くの時間を使うようになった。そして、近しい人との関係を深める時間は減ってしまったように思う。

身近な誰かと過ごす時間はお金にはならない。けれど、お金を稼ぐのは、身近な誰かと過ごす時間を幸せにするためではなかっただろうか?

お金のために仕事をするのではない。自分の身の回りに信頼できる人たちとの関係をつくるために、お金が必要なのだと思う。

自分から関係の遠い人のためにいくら時間を使っても、きっと深い関係性はつくれない。仕事でキラキラしている人は、メディアでもSNSでも目立ち、輝き、羨ましく、眩しくも見えるが、その人達が豊かな人間関係の中に生きているとは限らない。

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