<後編>地域活動プロジェクトの運営で心がけておくべきこと〜プロジェクト実行と継続的な運営〜
地域活動プロジェクトについて述べた前編記事では、プロジェクトの発足段階における地域課題の発見・分析や、明確な目標設定の重要性について解説しました。
しかし、プロジェクトを成功に導くためには、その後の運営や実行後の展開も同様に重要です。活動の継続、効果の測定、新たな課題への対応など、様々な局面で適切な判断が必要となります。
後編となる今回は、プロジェクトの運営段階と実行後の展開で心がけておくべきことを紹介します。柔軟な対応や参加者の尊重、効果の可視化など、実践的なポイントをお伝えします。
プロジェクトの運営段階
プロジェクトが動き出したら、計画通りに進めることも大切ですが、状況に応じて柔軟に対応することがより重要です。また、参加者一人ひとりの声に耳を傾け、将来の担い手を育てることも忘れてはいけません。
柔軟な対応と調整を心がける
地域活動プロジェクトでは、予期せぬ出来事がしばしば起こります。例えば、予定していた会場が使えなくなったり、天候の影響でイベントの内容を変更しなければならなかったりすることがあります。
このような状況で大切なのは、柔軟に対応する姿勢です。計画にこだわりすぎず、状況に応じて臨機応変に対応することが求められます。定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を調整しましょう。
例えば、対面イベントをオンラインに切り替えたり、参加者の要望に応じて活動内容を変更したりすることで、活動を継続させることができます。重要なのは、プロジェクトの本質的な目的を見失わずに、柔軟な方法でそれを達成する努力をすることです。
人材育成にも務める
プロジェクトの持続可能性を高めるためには、将来の担い手を育てることが欠かせません。この点について、プロジェクトマネジメント協会(PMI)が提唱するタレントトライアングルの考え方が参考になります。
PMIのタレントトライアングルは、プロジェクト専門家が磨くべき3つのスキル領域を示しています。
働き方:プロジェクトを効果的に進める手法やテクニック
パワースキル:リーダーシップやコミュニケーションなどの対人スキル
ビジネス感覚:組織や業界の全体像を理解し、適切な意思決定を行う能力
地域活動プロジェクトにおいても、これら3つの領域を意識した人材育成が重要です。例えば、若い世代や新しい参加者に、イベントの企画や運営の一部を任せることで「働き方」のスキルを養ってもらえるでしょう。
プロジェクトの実行後
プロジェクトが一段落したら、その成果を振り返り、次のステップに向けた準備を始めることが重要です。この段階での丁寧な取り組みが、今後の活動をより効果的なものにしていきます。
活動の効果を可視化し、フィードバックを得る
プロジェクトの成果を目に見える形にすることで、参加者のやりがいが高まり、また、地域全体の理解と支援を得やすくなります。
具体的には、以下のような方法で効果を可視化し、フィードバックを得ることができます。
数値化できる成果の集計:イベントの参加者数、SNSでの反応(いいね数やシェア数)、活動によって生まれた新しい取り組みの数など。
写真や動画による記録:活動の様子や参加者の表情など、数字では表せない成果を視覚的に伝える。
参加者の声の収集:アンケートやインタビューを通じて、活動に参加した人々の感想や意見を集める。
地域への影響の調査:プロジェクト実施前後での地域の変化(例:地域の交流が増えた、街の雰囲気が明るくなったなど)を把握する。
これらの情報をレポートにまとめたり、成果発表会を開いたりして、広く共有することが大切です。
また、こうした情報共有の場で、参加者や地域の方々から直接フィードバックを得ることも重要です。良かった点、改善点を把握し、次の活動に活かしていきましょう。
まとめ
地域活動プロジェクトの運営と実行後の展開には、常に状況を把握し、柔軟に対応する姿勢が重要です。参加者の個性を尊重し、人材育成に努めながら、活動の効果を可視化し、次のステップに向けた計画を立てることで、プロジェクトの持続可能性を高めることができます。
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