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~障害ある方々の頼れる居場所~NPO法人「with us」

当メディア「Hitonari Magazine」では「八幡浜を元気にしよう!」と活動している活性化団体をインタビューしています。

今回ご紹介する団体は、障害を持っている方々の支援をする特定非営利活動法人「with us」です。

活動状況をお聞きするため、「with us」の活動拠点「あすなろベース」を訪れました。

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迎えてくださった方は、理事の永井 孝志(ながい たかし)さん。

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永井さんから「with us」が、どのような活動をされているか、お聞きししました。

永井さん「主な活動内容は、障害を持っている方に向けた支援業務です。

八幡浜市では、まだまだ障害を持つ方々へのサポートの仕組みが少なく『市内で支援できる環境をつくりたい』と思い、団体は立ち上がりました。」


活動のご紹介とともに、永井さんに案内していただいた「あすなろベース」館内。

2022年の4月にオープンしたばかりの、新たな活動拠点です。

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室内では、障害を持っている利用者が、地元みかんの調理・加工をしていました。

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「with us」は、次の事業を実施しています。

①障害を持っている方に向けた相談支援業務
②「あすなろベース」の運営


with usは、「あすなろベース」に併設されている相談支援事業所「あすなろ」で、①の事業を実施。

同団体の相談支援業務の対象者は、大人・子ども年齢を問いません。


永井さん「むかしと比べて、精神障害を持っていることなどもオープンに話せる時代にはなったけれども……

まだまだ、他人に気兼ねなく打ち明けられる社会ではありません。

with usは、障害の悩みを、誰に相談すればいいのか分からない人へ向けた窓口となっています。」

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今回のインタビュー中にも、まちの利用者さんが来訪し、スペース内で音楽を楽しんでいました。

【※相談対象がお子さんの場合は、厳密な障害の認定がなくても、医師の意見書があれば障害支援の公共サービスを受けられます】


取材当時、まだオープンしたばかりの新しい施設「あすなろベース」の運営も、「with us」の重要な活動。

「あすなろベース」は、地域で孤立しがちな障害のある方々が、つながりをつくる交流の場です。

同施設では、以下のことを提供しています。

◆憩いの場
◆農業を主体にした軽作業
◆各種プログラム(例:レクリエーション、料理教室など)

憩いの場は、障害を持っている方が地域の中で気軽に立ち寄れる、ほっと一息つける居場所。

「話し相手や仲間が欲しい」
「趣味や特技を活かしたい」

など、それぞれの思いに合った使い方ができます。

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↑鮮やかなペンキで塗られたベンチは、訪れる人の憩いの場

まちでは、障害がありながらも一人暮らしをして、つながりのない方がいます。

そんな人たちに向けても、気兼ねなく来れるスペースを用意しているのです。

※「あすなろベース」は、気軽に施設を訪れた利用者に向けて、当日の相談支援も受け付けています

また、「あすなろベース」の利用者は、農作業を中心とした軽作業に参加できます。

作業内容は、草刈りなどの畑仕事や、農産物の加工など。

農福連携(農家と福祉施設の協力)によって、作業に参加した方には、工賃が支払われます。

現在、取り扱っている作物はオリーブ、柑橘類、さつまいもなど。

障害のある方々の協力によって、それぞれがオリーブオイル、マーマレード、焼きいもとして加工されます。

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↑利用者が参加する農作業

将来的には、参加できる作業を少しずつ変化させたいと、お話してくれました。

永井さん「これからは、より多くの希望者が参加できるよう、提携農家さんを増やしたいですね。

将来的には、包丁を使う調理の一工程に協力してもらい、できた加工食品の販売収益から工賃を支払えるように、と考えています。

また、箱詰めなど内職の仕事もできるようにしたいですね。

障害がある方々も、それぞれの得意・不得意や、やりたい作業が異なります。

できる仕事の種類が多くなると、参加してくれる方の人数も多くなりますので。」


農産物以外でも、障害がある方々ができる仕事の幅が、少しずつ広がっているとのこと。

2022年4月からは、八幡浜市の委託を受けて、公園の清掃活動も開始。

希望者は、地域の清掃にも加われるようになりました。

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↑利用者が参加する清掃活動


他にも「あすなろベース」では、利用者が楽しく過ごせるよう、様々なプログラムを用意。

レクリエーション、料理教室、お花見……など。

障害のある方が、ひとりではできないことにチャレンジしたり、同じ悩みを持つ仲間と交流できる機会をつくっています。

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↑レクリエーションを楽しむ利用者

最後に、「with us」という団体を、今後どのように運営されていくのか?
その答えをお聞きしました。

永井さん「やりたいことは、たくさんありますね。
まず、農福連携で、作物を加工するまでの作業の機会を提供していきたいです。

市内で開かれるマーマレード大会の出店も視野に入れています。

障害を持つお子さんに対しての放課後等デイサービスができるように、考えていたり。

そして将来的には、障害を持っている方だけでなく、さらに多くの人の居場所になれればと。

登校できていない子どもたちが来れる、学校・家以外の第3・第4の場所に。

また、障害のある・なし関係なく、生活に困窮している方なら、どなたにも就労の機会を提供したいです。

……と、色々やりたい活動があるのですが、まずは『あすなろベース』という空間の知名度を上げたいですね。」

まちに暮らしながら、障害の困難を抱えているけれど、誰に相談すればいいか分からない――

そんな方のための、頼れる居場所づくりを進める「with us」の、これからの活動が楽しみです。

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