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ARグラス体験をデザインする上で踏まえたい4つの制約

AR/VRといった空間をあつかう体験において、いかに情報を空間上に配置するか

ARグラスを用いたサービス/デザイン設計するプロジェクトで上のメッセージを考えていくことは重要です。
今回はMESONでのARプロジェクトを通し、必要だと感じた視点を紹介します。
答えがない領域なのですが、発信しながら、皆さんの意見をもらいながらSpatial Experience Design(次世代の空間体験デザイン)を体系化できることができれば嬉しいです!


ではさっそく
今回はAR体験をデザインする際に必要な4つの制約条件(安全性・視野角・距離・インタラクションを考慮したデザイン)について


1. 安全性を考慮したデザイン

デザインを手掛ける上で、
安全性→可読性→直感性
この順番でARも考えていこうということだ。

安全性:
歩きスマホで怪我をする方がいることと同様、AR/MRグラスを掛けているときに危険がないように務めないといけません。

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UX Collective 『AR design tools & a few UX principles』


可読性:
空間上に情報が重畳されることがARの特性であり、その情報が見えづらい状態は避けなければいけません。(下の写真だと左のほうが可読性は高い)

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UX Collective 『AR design tools & a few UX principles』


直感性:
従来のインタラクションに閉ざされない方法でいかにユーザーが直感的にできるか。心地よく操作できるかを考えていく。

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UX Collective 『AR design tools & a few UX principles』

参考文献:


2. 視野角を考慮したデザイン

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Wider field of view

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Three layers of spatial interaction. (Illustration by Jacob Payne 2017).

上図参照のように、私達の視界は「中心視野(〜60°)」「周辺視野(〜120°)」に分けられる。
視覚の機能から考えると、中心視野にはユーザーに対しじっくり見てほしいもの、周辺視野にはユーザーに気づいてほしいものを配置することが求められるだろう。
しかし、現在のAR・MRタイプのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の視野角は周辺野まで及ぶことがなく、周辺野とされている場所においてもユーザーに気づかれない可能性が高い。
ゆえに中心視野に必要なオブジェクトを配置することが重要だ。
反対に気づかれなくても大丈夫なオブジェクトは周辺野に配置できる。

参考文献


3. オブジェクトとの距離を考慮したデザイン

私たち人間は両眼をつかうことで物体との距離感を認識している。

そこでAR/MR空間では、視界を3つのゾーンに分けることができる。
A. ローカル:自分の手が届くくらいの範囲(〜70cm)
B. 近接:物体との距離感を感じられる範囲(〜10m)
C. 遠隔:物体との距離を感じられない範囲(10m〜)
※(10mではなく20mという見解も見かける)

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Torch『Exploring Interactive Space in AR』

では各々のスペースになにを配置するか。ということをARプロトタイプツールTorchで公開されているブログをもとに述べていきたい。

A. ローカル:自分の手が届くくらいの範囲(〜70cm)
→自分の手が届く範囲内なのでコントローラーパネルなど、コントローラーやハンドジェスチャーで動かせるものを置くとよい。

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B. 近接:物体との距離感を感じられる範囲(〜10m)
→鑑賞できるものを配置できる。モノを注視することでインタラクションが生じたり、遠くにあるものをローカルへと引き寄せる動作が考えられる。

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C. 遠隔:物体との距離を感じられない範囲(10m〜)
→この部分は距離も操作も難しいため他の物体と合わせた利用法が考えられる。(遠くの山の上、ビルの上や空の上の文字似なにかが出現するetc,,)

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参考文献:


4. インタラクションを考慮したデザイン

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BACKCHANNEL『IMMERSIVE DESIGN』より

上記のようにAR/MR HMDが普及する時代には、
頭の動き、コントローラーによる操作、視線追従、姿勢・動きのトラキング、ハンドトラッキング、より繊細な動きへの対応、(脳波の読み取り)+音声入力に至るまで幅広く存在していると考える。

その中で、どのインタラクションをどのようなときに使用するかを考えることが重要である。

MESON代表のカジさんが書いた以下図に即すと、非常にわかりやすい

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『SX Designの時代 | ポスト・スマホ時代のUX Design』より

Push-based Interface: 見ているだけor近づくだけでオブジェクトが現れるといった、コンテクストを読み取ったインタラクション。

Gesture-Interface:手触り感が必要で自分から能動的に触れたりしたい情報に関しては、コントローラーやハンドジェスチャーを利用したインタラクション。

VUI:手触り感はないが能動的に行いたいアクションは、注視したり声を出すことで発動するインタラクション。

と能動⇔受動、手触り感が必要かそうではないか、というマトリクスごとでインタラクションを考えてみるのが良さそうだ。

参考記事


体験のつながりを描く

このように体験の草案ができた場合はReality Sequenceというワイヤーフレームを利用し、体験を一連のものとする。

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具体的にはシーンごとに、ユーザーのインプット、視界に写っているもの、音声ガイド、遷移するシーンを書き込むことで一連の体験へとイメージを移していく。
先程ご紹介した4つの制約ポイントを踏まえることで、気持ちよくつかってもらえるARサービスとなるはず。

画像13

KAJI @ MESON CEO『ARサービスにおけるワイヤーフレームのつくり方』

参考文献


終わりに

『ノンデザイナーズ・デザインブック』という名著では、
「近接」「整列」「反復」「コントラスト」という4要素でデザインを説明をすることで、デザイナーではない方にもデザインを身近なものにしています。

空間をあつかうAR体験も、よりおおくのプロジェクトと向き合い、ある種の法則性を身につけていけると幸いです。
ARサービスのデザインはグローバルで誰も正解や理論を見つけられていない難易度も高く、同時に自分たちで新しい領域を開拓する面白みや刺激に満ちた領域です。

この領域に一緒に挑戦したいメンバーやパートナー企業は常に募集しているので、興味がある人はぜひTwitterのDMか、下記の会社サイトからご連絡ください。



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