カミングアウト(子どもの場合)

私には発達障害がある。
そしてうちの子にも発達障害がある。

私は当事者として診断を受けること、そして可能な範囲でカミングアウトをすることをすすめたい。

うちの子は発達障害について保育園にはすでにカミングアウトをしている。
定型発達者である夫や私の両親は「あんまりおおっぴらにしてほしくない」という雰囲気だけど。

例えば、健康診断。
うちの子の場合は不安感が大きくなってしまいやすいので、どんな検査をするのか、なんのためにするのか、心配なことはないか、ということを先生と私と子どもの3人で確認しあう時間をほんの数分、持ってもらうことにした。
お迎えの時間のほんの数分。

先生から大まかな流れと、「体の中に虫さんいないか調べるよ」という健康診断の目的を説明してもらう。

本人からは、「〇〇怖い」「服が汚れるのが心配」という気持ちを聞くことができた。

保育園の先生が
「お医者さんがね、お腹を『もしもし』するよ」
「服は汚れないよ、もし汚れたら着替えたらいいよ」
と説明してもらう。

子ども本人はものすごく納得して、
「『もしもし』楽しみ!」
「虫さん、いるかなぁ」
と前の日の夜から健康診断を楽しみにしていた。
当日は無事に受けてくれることができてほっとした。

あとは歯医者さん。
子どもの歯磨きも、仕上げ磨きを時間をかけて丁寧にがんばっていたんだけど、歯の隙間から進行するタイプだったらしく、気がついたときには歯に大きな穴が空いてしまった。

治療するとなると本人は不安感満載になることが目に見えている。

先生と歯科衛生士さんに子どもに聞こえないよう小声で
「うちの子、発達ゆっくりさんなんです。」
「怖がらないようにお願いできますか?」
と伝える。

すると、先生も歯科衛生士さんも最大限の配慮をしてくれて、道具や詰める薬を本人に見せながら、
「大丈夫だよ!」「うがいをしたらおしまいだよ」
と、説明しながら治療してくれた。

こういう点を見ると発達障害についてかなり理解が進んできているなぁと関心する。

もちろん、こういうやり方は小さい子どもなら定型発達とか発達障害関係なく安心して治療できる方法なのでどんどん広がってほしいなぁとも思う。

その一方で、診断や療育を受けられないまま放置されているケースもまだまだ多い。

「定型発達」とみなされている子どもたちは、特別な配慮もなくかんしゃくを起こしていても「ただのわがまま」と捉えられて、本人がどれほど苦しんでいても保育園という小さな社会の中で先生に放置されている。

そういう子たちを見ていると昔の自分と重なってしまい、どうしようもなく切なくなる。

診断を受けて、得意不得意をはっきり自覚することができれば周囲に助けを求めやすい。

「うちの子はこれならできる」
「でも、これは能力的にまだ無理だと思うので、困っていたら少し助け船を出してほしい」

そういうことをはっきり言えるほうが、普通の子扱いされるより、本人には気が楽…

というか私が当事者として気が楽だ。

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