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「浦和レッズ三年計画を定点観測」~#9-1.2020 J1 第4節 vs鹿島 採点アンケートのお願い~

3連戦の最後は、星取の状況としては対照的なカードになります。
日曜夜の試合ですので、リアルタイムで観る人が多いでしょうし、なんといっても浦和レッズを応援する人が負けたくない相手の最上位に来る鹿島との試合ですので、内容も結果もともなった気持ち良い勝利で試合後の採点アンケートが出来たらいいですね。

今回のアンケートフォームはこちらです。
試合後にもTwitterで告知しますが、これを読んでくださっている皆さんからも拡散、呼びかけをしていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

既に鹿島戦に向けてのプレビュー記事はいろいろな方から出てますが、私も鹿島の川崎戦と札幌戦をざっと見ましたので、その試合から見えた今年の鹿島のボール保持の特徴を画像にまとめてみました。

画像1

明確な可変フォーメーションを採用している印象です。
そして、可変の基準は相手ではなく、自分たちで必ずこの形を作るという感じですね。

札幌の守備は基本的に人を捕まえる意識が高いので、ビルドアップ時の3-1にする形をとったときに、3に対して1トップ2シャドーがかみ合ってしまい、さらにボランチの荒野が列を超えて1の部分を明確に捕まえに来ました。
さらにSBが大きく外に張り出して中盤ラインまで上がることで、特に左の永戸のポジションが高かったので最初からWBに捕まえられた状態になってしまっていました。
後方3人は常に前に人が立たれている状態で縦パスのコースがない、斜めに逃げようとしてもSBはWBに捕まえられている状態、ということでボールを持ってもなかなかボール前進はスムーズにできませんでした。

試合の中で何度か後方の3-1のルールをやめて、ボランチが下がらずに2-2の状態にもしましたが、この時には札幌がシャドーの片方が前に出ずに下りなかったボランチをケアすることで、結局後方4人は捕まえられている状態になってしまいました。
自分たちのルールに正直であったために札幌からすると捕まえやすくなってしまっていた印象です。

そして、このポジショニングをした状態でボールが奪われると鹿島はどうなるのかというのが次の画像です。

画像2

可変フォーメーションの最大の弱点はボール保持と非保持でのポジショニングバランスが違うため、トランジション発生してから次の局面までの移行に時間がかかることです。
鹿島の非保持の基本フォーメーションは4-4-2(4-2-2-2)ですが、ボール保持の配置からその形へ移行するためには
・左右に広がったCBが中央へ戻る
・最終ラインに下がったボランチが列を上げる
・中盤ラインまで上がり、大きく外へ張ったSBが列を下げ、内側に絞る
と、ゴールに近いポジションの選手ほど保持と非保持のポジショニングが違うため、ネガトラ時に前線の選手がどれだけ遅らせることが出来るかが鹿島の生命線になります。

浦和は杉本が非保持の時には中盤ライン近くまで下がって、守備のサポートをすることに加えて、身長と懐の深さを活かしてポジトラ時の預けどころになっています。
つまり、ポジトラになった時に鹿島の後方の選手の配置である3-1の1の脇のスペースへは入れれば、ボールが収まりやすく、杉本に対してCB、SB、ボランチの誰かが対応しに出てきますので、その出てきた人が元々いた場所へCFやSHの選手が走りこめると、鹿島が非保持の陣形に戻す前にフィニッシュまでやりきれる可能性が十分にあります。

また、鹿島のSB裏のスペースもポジトラの時にCFが外へ流れてボールを受けられると、これに対応するのはCBになる可能性が高いので、
ポジトラ→SB裏へ展開→クロス の流れになると鹿島はCBが片方いない状態でクロス対応することになります。

これは今年の鹿島が目指しているチームとしての決まり事で生じてしまうリスクの部分なので、浦和戦でいきなりこの構造がなくなるということはないと思います。
なので、浦和がボールを奪ってからのカウンターをどれだけ仕掛けられるのか、ここは大いに注目したいです。

札幌戦では鹿島の非保持は基本的に人を捕まえることをベースにして、最終ラインは少々高めに設定していました。
しかし、2トップは積極的にプレッシングに行くわけではなく、最終ラインでは比較的オープンな状態でボールを持てるシーンが多かったです。
ボール保持者がオープンな状態(前向き、フリーでボールを出せる状態)で最終ラインが高いとどうなるのか。それが表れたのが6分の鈴木武蔵のゴールでした。

最終ラインを上げるときの原則はボールが自分たちの裏のスペースに出てこない状態の時です。つまり、ボール保持者が前を向いていなかったり、ボール保持者にしっかりプレッシャーがかけられて大きなボールが蹴られないようにできている時。
また、ラインが高い状態でもボール保持者がオープンな状態なら、裏のスペースを埋めるために少しずつラインを下げるか、蹴った瞬間に戻れるための準備をするかどちらかになります。

この対応についてはサッカーの大原則なのでDFラインの上げ方、裏のスペースのケアの仕方、こういった意識の部分は改善してくるだろうとは思います。改善されていなければ、ありがたく裏のスペースを使ってしまいたいですね。
浦和は西川、トーマス、岩波と後方から正確にロングボールを出せる選手がいますので、札幌の鈴木武蔵のゴールの再現は出来るかもしれません。

明確な弱点はあります。
それをしっかり突いてもらって、気持ちよく振り返りが出来ることを期待しつつ、K/Oの時間を待ちましょう。
では、また。

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