見出し画像

生きづらさを感じている人に読んでほしい『内向型の生き方戦略』

noteのタグで「#読書の秋2020」を見かけたので、世の中生きづらい人々に是非読んでほしい本を紹介したいと思う。
中村あやえもん著の『内向型の生き方戦略』だ。


どんな人向けの本?

本書の冒頭ではこのように書かれている。

☑内向的な性格が原因で、周囲や社会にうまくついていけない人
☑内向的な性格を、強みにしたい人
☑ネガティブで完璧主義な性格を、「なんとかしたい」と悩んでいる人

この本は内向型や私のようにMBITテストでINFJやINTJと診断されたり、HSPや発達障害を持つ方など、とにかくこの社会で生きづらさを抱えている人々に「心地よい生き方」を提案してくれる本だ。


「社会維持型」と「境地開拓型」という考え方

本書では、内向型を「境地開拓型」、外向型を「社会維持型」と置き換えており、両者の違いは「種を保つための役割の違い」から生じているのではないかという進化論的な視点で著者の論を展開をしている。

境地開拓型(=内向型)
単独もしくは少数のチームを組織して、遠くまで赴き、新境地を開拓する役割
社会維持型(=外向型)
近場で社会集団を作り、種の個体数を保つ役割

この考え方は面白いなと思った。
普通に考えたら、逆じゃないのかと思ってしまうのだが、我々内向型は境地を開発するのに向いているらしい。確かに思う節はあるので、何だか嬉しくなった。
ここで挙げられている境地開拓型の特徴を読んでいるとうんうん、と頷かずにはいられない。自分のことをそのまま書いたのではないかというくらい共感することができるとともに、今まで抱えていた漠然とした生きづらさを言語化してくれていて、とても腑に落ちた。そうか、私は今まで自分の能力を発揮できない土俵で戦っていたのかと。
余談だが、この本は社会維持型にあたりが強いというか、disりが多い気がする笑(詳しくは是非本書を読んでほしい)。正直、そこまで言わなくても...と思わなくもないのだが、境地開拓型の人々は今までつらい思いをして生きたことが多いからまあ、このくらいは許してほしいと思う。いいぞ、もっとやれ。


「境地」とは?

では、私たちが目指すべき「境地」とは何か。
言葉だけでと聞くと、田舎暮らしでのんびりスローライフというイメージがあるかもしれない。もちろんそれも一種の境地だが、この本でいう境地とは「社会から離れた、同種がいない場所」らしい。それは、「メインストリートから何本か離れた路地にある、安い貸しビルの一室」であったり、「ショッピングセンターの片隅にあるニッチな専門店」であったり、するらしい。そもそも社会というのも、国や職業、思想など様々な分類があり、どのような場所にも社会と境地は存在するらしいのだ。


「境地に向かう」という選択肢を知ることができた

前に書いた記事で、自由とは自分で選べる選択肢の範囲が広いことで、選択肢を増やすにはさまざまな知識が必要ではないか、ということを書いた。
この本はまさしくそれで、今の社会に消耗しながら必死にしがみつくのではなく、自分にとって心地のよい境地に逃げて生きていく選択肢もあるということを知ることができたのはとても大きかった。あと、「無理をして結婚、子どもを作らなくていい」だとか、「必ずしも親孝行をする必要はない」だとか、「ぼんやり境地に向かいたいとは思っているけど、社会的に私たちを縛っていること(慣習?)」を要らないとバッサリ切ってくれていて、凄くありがたいと思った。好きなように、思うように生きていいんだと背中を押してくれた。


でも絶対に境地に向かわなくてもいいんだと思う

本書は一貫して、「内向型は境地へ向かえ」ということを主張しているが、でも私は、別に無理して境地に向かわなくてもいいのだと思う。さっきも書いたけど、「境地へ向かう」という選択肢を知るというだけでも、とても心が軽くなる。もしあなたが、今の社会でやりたいことを見つけられているなら、満足しているならそれはとても素晴らしいことだし、多少無理はしてでも続けるべきだと思う(心身の健康だけには気を付けていただきたいが)。
でも私みたいにどうしようもなく社会に向いていないな、と思う人々は境地に旅立つことを前向きに検討してもいいと思う。

そんな風に私の背中を押してくれた本書を、是非読んでほしいと思う。


梨女(@xxnashimexx)


この記事が参加している募集

読書感想文

ありがとうございます。 ちょっといいご飯を食べたいと思います。