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「福翁百話」第36話~第40話

36.男尊女卑の弊はもっぱら外形にあるもの多し…見た目を同等の形に

「たとえば、夫婦の間でも言葉づかいを丁寧にし、礼儀に気を付け、妻を呼ぶにも名前を呼び捨てにせずに何さんと言い、手紙を送るにも横柄な文体でしたためず、宛名にも「どの」と書かずに「様」を使うといったようなことである。こうしたからといって、男性にとって何の妨げにもならないばかりではなく、主人としての威厳を損なうこともなければ、むしろ家風の優雅高尚を助長し、子どもも自ずからこうした態度を見習って、家庭の中に礼儀を欠くと言ったようなことが一切なくなるであろう。大体人の心の非をただすというのは難しいのだが、目に見える形を改めるのは容易である。我が国の女権の不振は、その形にあるのだから、改良するのは決して難しいことではない。」

願書に使用するとすれば、このような感じでしょうか。

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