忍殺TRPGリプレイ【エヴリワン・イズ・キャプティヴェイテッド】03
前回のあらすじ:謎の男アシッドウルフの部下として活動するデッドリーパーは、監視対象のソウカイニンジャ・クレイニアムの罠にかかって誘き出され、ヌケニンの過去を告げられて尋問を受けることになった。そこへ現れたのは、アシッドウルフの協力者を名乗る謎のニンジャ・ビクターだ!
◆
「イヤーッ!」メイントリガーはビクターへ帯電ワイヤー攻撃!SLASHSH!『イヤーッ!』ビクターは見切って回避!『無駄だ!君たちは湾岸警備隊へ戻り、ソウカイヤを鎮圧すべきではないかね?』「黙れ!」タイジン・ジツを弾く!カラテだ!『そうか。ならば死ねい!』ビクターのカラテが迫る!
「イヤーッ!」メイントリガーはかろうじて回避!だがビクターは再びステルスし、消える!『君のカラテは、だいたいわかった……さあデッドリーパー=サン、まずはこいつからだ!』「了解!イヤーッ!」BLALALALAM!ピストルカラテ!SMASH!「グワーッ!」命中!メイントリガーはのけぞる!
「ザッケンナコラー!」BOBOBO!クレイニアムの怒りのカトン・パンチがビクターを襲う!SMAASH!『グワーッ!』ZZTZZT……ステルスが解けた!そして!「スッゾコラー!」BOOMBOOM!ソニックブームはソニックカラテでサンシタたちを薙ぎ払う!「「「「グワーッ!」」」」実際強い!
『六対三、とはいえ少々不利か』ビクターは舌打ちする。所詮あの四人はタイジン・ジツで寝返らせたステゴマ、死んでも惜しくはないが……『仕方あるまい。ここは撤退だ!』損切り!「了解!」「「逃がすかコラーッ!」」
戦闘継続
3ターン目
『イヤーッ!』ビクターは連続側転を繰り出し、そでん屋台の方向へ撤退!メイントリガーへスリケンを投擲しつつ姿を消す!「イヤーッ!」メイントリガーは難なく回避し、連続側転しながらビクターめがけ帯電ワイヤーを繰り出す!ZZTZZT!『ハハハハ!無駄だ!』ビクターは見切って回避!
「TAKE THIS!」BLAMBLAM!デッドリーパーはメイントリガーへ再びピストルカラテ!「イヤーッ!」間一髪ブリッジ回避!「ワドルナッケングラー!」BOBOBO!クレイニアムが追撃のカトン・パンチ!「イイイ……!」デッドリーパーは低く二挺拳銃を構え、片方の銃底を盾めいて突き出す!
SMASH!「なにッ!?」クレイニアムはカトン・パンチを跳ね上げられ、大きく体勢を崩す!デッドリーパーはもう片方の手で拳銃を構え、胴体めがけ貫通チョップ突き!これはピストルカラテの奥義「ロウレス・フロンティア」だ!「テメッ……コラー!」クレイニアムはかろうじてこれを躱す!
「やるじゃねェか!」クレイニアムは舌を巻く。デッドリーパーのカラテとワザマエは、少なくとも正面切ってのイクサなら、ビクターやメイントリガーより上だ。クレイニアムやソニックブームほどではないが、シックスゲイツの「六人」候補に名があがるほどの手練れ。かなりの修羅場を潜ったか。
「ワメッコラー!」BOOBOOM!「「「「グワーッ!」」」」ソニックブームはサンシタたちをソニックカラテで薙ぎ払う!だがサンシタとはいえニンジャだ!牽制し、食い止め、追撃を抑え込む程度は可能!『今のうちだ!』
4ターン目
『サラバ!イヤーッ!』ビクターはステルス状態を保ち路地裏の闇へ撤退!「イヤーッ!」メイントリガーは帯電ワイヤーでデッドリーパーを攻撃!狙うは腕!「イヤーッ!」見切って回避!そのまま連続バック転を繰り出し、ビクターとは別方向へ撤退!「クソッ!」クレイニアムはビクターを追う!
だが!『『『モーターヤブは賢く強い』』』ナムサン!ハッキングされたモーターヤブがソウカイニンジャたちを阻む!さらに!「「「アバババーッ!」」」「「「ニンジャ!ニンジャナンデ!?」」」「「「ウッハッハッハッハッニンジャ!」」」NRSを起こした群衆が立ちはだかる!
戦闘終了
???
『……フーッ、撒いたか』数区画離れた、ひと気のない路地裏。デッドリーパーと離れたビクターは闇に潜み、ステルスを解除して一息ついた。危ないところだったが逃げおおせたのだ。シックスゲイツ級のニンジャ三人を同時に敵に回せば、さすがにきつい。増援を呼ばれるおそれもある。
ともあれデッドリーパーはソウカイヤにいたという過去にケジメをつけ、自らの意志でアシッドウルフのもとにいることを選んだ。当然だ。あそこでソウカイヤに寝返るようなら、ハナからアシッドウルフは彼女を単独で……自分という監視者はいるにせよ……ソウカイヤの監視になど派遣するまい。
否、おそらくこうなることを見越して、わざと送り込んだか。良い策だ。可能なら彼女の自我を揺るがし、タイジン・ジツでこちらの手駒にしておきたかったが、贅沢は言うまい。こちらにはこちらなりの……「ドーモ、ビクター=サン」不意に、路地の闇から名を呼ぶ声。デッドリーパーか? 否!
男の声だ。現れたのは大きな人影。身長は二メートルを超え、目深にかぶったパーカーのフードの下には、凶暴に輝く金色の目。うごめく鉄条網じみたものを体中から伸ばしている。「アナイアレイターです」
◆アナイアレイター(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 27
ニューロン 10 精神力 18
ワザマエ 6 脚力 4/N
ジツ 8 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 7/ 6/10/10
回避/精密/側転/発動 10/ 6/ 6/18
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品:特になし
◇ジツやスキル
☆フマー・ニンジャソウル、ジツLV8
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
◉◉アーチ級ソウルの力:カラテ+ジツ=体力
★★フマー・スリケン・ジツ:手番攻撃時に精神力2消費し発動(N)
視線上の3×3マスの全員へスリケン3連射(ダメージ1、回避N、時間差)
出目66でコストとして使用した精神力2を回復、出目666で6連射
★★★鉄条網の壁:術者および隣接する味方全員に常時射撃ダメージ軽減1
★★★鏖殺鉄条網:手番攻撃時に精神力3消費し発動(UH)
術者を中心とした24×24マスに鉄条網を広げ、
範囲内の敵全員に体力1ダメージ+回避2ダメージ(回避UH)
効果は術者気絶か効果解除まで継続するが、持続中は術者は移動できず、
攻撃時はジツ発動判定(UH2)のみ行える 精神力の追加消費はなし
判定に失敗すると効果も手番も終了し、成功すると発動時の効果を再び与える
出目6666で成功すると体力ダメージが2になり、装甲貫通1を得る
●ジツ8の代償:ニンジャソウル暴走
発動判定で出目666666が出た場合は暴走し、常に鏖殺鉄条網を使用・維持
暴走中は精神力を消費しないが、他のキャラ全てを敵とみなす
暴走中の発動判定で出目666666が出ると解除可能 シナリオ終了までジツ使用不可に
通常時の術者は発動ダイスをあえて減らすこともできる
★★★◉半神的存在:ニューロン×2+カラテ=体力(27)
★★★◉不滅:即死耐性、気絶状態でもペナルティありで移動可能、ロストしない
●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:39
『……ドーモ、ビクターです』アイサツを返す。アナイアレイター。ソウカイヤから盗み取った情報によれば、アーチ級ニンジャソウル憑依者と思しき危険な野良ニンジャだ。そして、ソウカイヤとは敵対関係にあるらしい。ならば手駒に加えておいても悪くない。『お噂はかねがね。何の御用かな?』
「テメエを殺す……!GRRRRR!」アナイアレイターは獣めいた咆哮をあげ、ざわざわと鉄条網を伸ばした!ニンジャソウルの暴走か!『ちいッ!』後じさるビクターの背後から別のニンジャ!「ドーモ……スーサイドです」
『ドーモ……彼の仲間か。君たちは確か、ソウカイヤともザイバツとも仲が良くない野良ニンジャ。ちょうどいい、私と……』「手は組まねェ。耳も貸さねえ。俺はパンク・ニンジャだ。反抗する!」スーサイドは耳栓をしている。アナイアレイターもだ。ビクターのジツを知った上で狩りに来たのだ!
『な……バカな!付き合っていられん、逃げさせてもらうぞ!』ビクターは動揺し、カラテを構えた。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「AAARGHHHHH!」ZMZMZMZMZMZM!アナイアレイターは全身から大量の鉄条網を放射し、路地を埋め尽くす!「これで逃げ場はねえぞ……!」『い、イヤーッ!』ビクターはステルス機能を発動しつつ必死で回避!アドレナリンを分泌してニューロンを活性化させる!「遅ェぞ!イヤーッ!」
スーサイドは瞬時にニンジャソウル痕跡を見抜き、拳にチェーンを巻いて殴りかかる!SMAASH!『グワーッ!?』ナムサン!無慈悲!『ま、待て!なぜ私を狙う!?話し合おう!』「聴こえねえなァ、なんにもよォ!」
2ターン目
「ARGHHHH……!」アナイアレイターは膝をつき、鉄条網がしおれていく。彼に憑依したニンジャソウルはあまりに強大で、まだジツをうまく制御できていないのだ!『サラバ!イヤーッ!』ビクターは必死で逃走!「逃さねえッつったろうが!イヤーッ!」SMASH!『グワーッ!』実際ピンチ!
3ターン目
「GRRRRR……AAARGHHH!」アナイアレイターはキアイを振り絞り、再び鉄条網を展開!周囲をドームめいて封鎖する!「逃が……すか!」『い、イヤーッ!』ビクターは側転しながら襲い来る鉄条網の猛攻を躱す!躱す!そこへスーサイド!「ザッケンナコラーッ!」SMAASH!『グワーッ!』
4ターン目
「AAARGHHHH!」ZMZMZMZMZMZM……鏖殺鉄条網が荒れ狂う!『い、イヤーッ!』ビクターは危うく回避!「スッゾコラー!」BOOMBOOM!スーサイドのチェーンパンチ!『イヤーッ!』ブリッジ回避!『ま、マッタ!話し合おう!我々は協力できるはず……!』「聴こえねえぞコラーッ!」
ビクターはステルスメンポの下で青ざめた。このままではわけもわからず殺されてしまう!これは誰の差し金だ?ソウカイヤか?ザイバツか?オナタカミか?それともアシッドウルフか?デッドリーパーは今どこに?逃げようにも周囲には鉄条網が!このニンジャたちを打ち倒すしかないというのか!
5ターン目
「AAARGGGHHHHH!」アナイアレイターが叫び、鏖殺鉄条網が荒れ狂う!それはギリギリでスーサイドを避け、ビクターのみを追跡して来る!なんたる恐るべきジツか!ZMZMZMZMZMZM『グゥワーッ!』命中!ビクターは身体からバチバチと火花を散らし、体勢を崩す!全身が義体なのだ!
バカな。この自分が、こんなところで、わけもわからず負けるというのか!こんなチンピラどもに、このビクター(勝利者)が!またしても!『バカヤロー!』彼は口汚く罵声をあげ、アナイアレイターへ突進!膝をへし折らんとす!「AARGHHHH!」アナイアレイターは鉄条網を広げ防御!
『グワーッ!』ビクターは鉄条網に突っ込み負傷!もはや満身創痍だ!「イヤーッ!」スーサイドがトドメを刺すべく駆け寄る!『チクショウメー!』ビクターは罵声をあげてブリッジ回避!血管にアドレナリンがみなぎる!「テメエが何者だろうと、知ったこっちゃねえ」アナイアレイターは呟く。
6ターン目
彼は両手を掲げ、鉄条網を自分の頭上に、地引網めいて引き寄せた。その鉄条網は……ナムアミダブツ!無数の極小のスリケンだ!『フォハハハハ!我はフマー・ニンジャなり!恐れよ!カルマ・ニンジャクランのサンシタめが!』アナイアレイターは嘲笑い、スリケンを投擲!『イーヤヤヤヤ!』
BASHSHSHSHSHSHSH!『あ、アババババーッ!』ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!無数のスリケンがビクターのステルス装束を、その表面のサイバネアイを、内部のサイバネ義体を破壊!『グワーッ!』ビクターはついにバラバラになり崩れ落ちた。しかし、生きている。なんたる生命力か!
戦闘終了
「ようやく捕まえたぜ」スーサイドは周囲の鉄条網を白いエネルギーに分解し、吸収しながら歩み寄る。『あ、ああ』ビクターはうめいた。彼の長い人生もここで終わるというのか!『話せば……わかる……!なぜ、私を……!?』「聴こえねェよ」アナイアレイターとスーサイドは耳を貸そうとしない!
エピローグ
BBBBB……デッドリーパーのIRC端末に、通知が届いていた。妨害電波の領域を離れたのだ。送信者はアシッドウルフ。内容は、傍受を恐れて極めて断片的だった。『ブラックサイトを放棄』『使用するIRC通信チャンネルを放棄』『こちらから指示があるまで待機せよ』……ブラックサイトを?
何があったのか。ソード山脈の地底にあるあの秘密基地が、敵に襲撃されたというのか。なぜ。……仲間が誰かに捕まり、あるいは裏切って、バラしたのか? アースハンドやサイバーメイヘムとは、アシッドウルフを介してでなければ連絡が取れない。今、二人と直接コンタクトを取る方法は……!
「ホー、ホー、ホー」彼女が潜む路地の奥に、フクロウが舞い降りて来た。それは路端のゴミ箱の上に留まると、人間の姿に変身した。見覚えがある。「イヒヒヒ……随分と派手にやったね。お久しぶり、フィルギアです」
「……ドーモ」デッドリーパーはアイサツを返す。なぜ、彼がここに。身を翻して逃げようとすると、フィルギアは告げた。「アンタ、知りたいンだろ?着いてきな。教えてやるよ……ほら、あのおっかない"ボス"のことをさ」
【エヴリワン・イズ・キャプティヴェイテッド】終わり
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