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楽しいし、かわいい世界のことわざ。『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った』金井真紀

なんかもう、タイトルだけで絶対買いたい本。それにイラストもかわいくて、大好きしかないです。金井さんは、いろんな国のことわざに、かわいいイラストをつけて紹介してくれるので、見ているだけで楽しいです。わかりみのあることわざも、意外なことわざもほどよくブレンドされています。

例えば「表面にふりかけたパクチー」というのは、表面だけ取り繕うこと。鮮やかな色彩のタイらしい、タイ語のことわざ。イラストのかわいさも半端ないです。

「表面にふりかけたパクチー」

見たことのない文字はアムハラ語のもの。2000年以上前に古代南アラビア文字を改良してつくられたのだとか。ヨーロッパの植民地にならなかったエチオピアでは、文字も暦も時間もオリジナル。コーヒー発症の地エチオピアは、コーヒーの飲み方も独特。そんなエピソードも、金井さんはさり気なく紹介してくれます。

アムハラ語のことわざ「ヒョウのしっぽをつかむな、つかんだら手放すな」は、私にもわかりやすいです。「危ないことには近づくな、でもつかんじゃったなら離すな」ってことですね。

「ヒョウのしっぽをつかむな、つかんだら手放すな」

メキシコ(スペイン語)のことわざ「最高の料理人でも豆を焦がす」もわかりやすいです。日本でいうところの「弘法も筆の誤り」とか「猿も木から落ちる」ですよね。世界で21の国と地域でスペイン語が公用語になっていて、一番多いのがメキシコとのこと。先住民の言葉はどんどん減っているとか。

「最高の料理人でも豆を焦がす」

そして、タイトルにもなっているフィンランド語のことわざ。これは説明がないとわからないやつです。「意外なところに道がある、解決策はひとつじゃない」という意味だそうです。

大変なときでもあきらめないフィンランド精神は、歴史的にいろいろ実例があるそうで、1939年にソ連が攻めてきたとき白い服で山にスキー部隊が潜んで火炎瓶を投げて打撃を与えたとか、トナカイを軍馬代わりにつかってソ連の侵略を食い止めたとか。さすが、フィンランド!

「やり方はいくらでもある」とおばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。

ほかにも、かわいいイラストとステキなことわざが満載のこの本。マレーシアの「風を食べる」とか、サウジアラビアの「あなたが風でも嵐にあうだろう」とかも結構好きです。

ミャンマ―、南アフリカ、ロシア、朝鮮半島、ウズベキスタン、ニュージーランド、スリランカ、ジョージア、ドイツ、マレーシア、エストニア、ネパール、アイスランド、日本、ギリシア、モンゴル、アルメニア、セネガルなどなど。紹介しきれないことばが満載。お友だちのプレゼントにもいい感じの本ですよね。


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