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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#中国史

中国の建物と街並み詳説絵巻『建築知識』2024年7月号

発売前から評判だった専門雑誌を予約購入。中国ドラマや映画をみるときや小説読むときの参考に…

夕遊
1か月前
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ファンタジーと歴史とSFと。ケン・リュウ『母の記憶に』古沢嘉通他訳

有名すぎるくらい有名なケン・リュウの小説。これまで、なかなか時間とタイミングがなかったで…

夕遊
4か月前
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歩いてみたくなる古都の風景『台湾の歴史と文化』大東和重

最近、台湾について読みやすくて専門的な本が入手しやすくなりました。読者としては単純にうれ…

夕遊
4か月前
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耽美をめぐる社会情勢と魅力『BLと中国』周密

以前から興味を持っていた分野なので、すごく読みたかった本ですが、発売前から重版がかかるほ…

夕遊
5か月前
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「中国」との相克の戦後史。『台湾のアイデンティティ』家永真幸

タイトルを見たときは、現代台湾事情を中心にビギナー向けにまとめた本なのかなと思いました。…

夕遊
8か月前
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中世の豊穣な海を旅する。『戦国時代を見た中国人 』上田信

15世紀から16世紀は、日本でいえば室町時代から戦国時代。中国は明の時代。高校日本史の教…

夕遊
8か月前
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好みすぎる中国古代史ミステリー。『蘭亭序之謎』唐隠著、立原透耶監訳

中国の長い歴史の中でも、一番華やかな時代のイメージがある「唐」。7世紀から10世紀まで、日本でいえばざっくり奈良・平安時代です。このミステリーの舞台は、めちゃくちゃ栄えていた唐が、楊貴妃を愛したことで有名な玄宗皇帝の時代に起きた安史の乱の後、だんだん力が弱まって、帝国としてのまとまりが崩れていく時代です。 そして、この本の謎の中心になる「蘭亭序」は、有名な書聖・王羲之の作品。王羲之は4世紀前半の人なので、日本でいうと大和朝廷の頃。前方後円墳が作られていた時代です。王羲之の死

中国ドラマや小説を楽しむために。『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで…

出版直後からすごく話題でしたが、ようやく手に取ることができました。きっかけは、中国ドラマ…

夕遊
1年前
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南からみた衝突と融合の三〇〇年『越境の中国史』菊池秀明

日本に来る中国人観光客が増えても、日本人には中国と台湾、香港の区別が難しいです。ましてや…

夕遊
1年前
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わくわくする中国古代史。『唐ー東ユーラシアの大帝国』森部豊

中国がものすごく栄えた時代のイメージがある「唐」。7世紀頃から、ざっくり300年近く続い…

夕遊
1年前
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所有者をたどる手がかり。『印を読む―詞句・成語印のたのしさ』北川博邦

以前参加した、とある自治体の寄贈史料整理。私は、蔵書印といえば、古書店で買った本に押して…

夕遊
1年前
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ラストエンペラーの物語。『溥儀』入江 曜子

人生で3度皇帝になった溥儀(ふぎ)。そして、人生の後半は「一般人民」として生きることを強…

夕遊
2年前
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三国志、キングダム、宮廷美女の時代劇。『戦乱中国の英雄たち』佐藤信弥

最近、中華ドラマを見ています。毎日があまりにも暑すぎて、体力が落ちたので、ちょっと休憩(…

夕遊
2年前
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時代で変わる物語と孔明。『三国志演義』井波律子

2世紀末、後漢王朝が宦官の専横で衰退し、道教系の大平道信者を中心とする大反乱が引き金となって、中国は群雄割拠のの乱世に突入します。たくさんの英雄たちが、知恵と力をぶつけ合う時代を描いた歴史書が、3世紀の陳寿『三国志』。そして、これを土台に物語世界をつくったのが、14世紀中頃、元末明初の羅貫中の『三国志演義』。日本で普通に「三国志」と言われているのは、こちらの『三国志演義』の方。 歴史書の『三国志』と、物語の『三国志演義』の間には千年以上の時差があって、そ