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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#おすすめ本

『踊る大捜査線』エッセンスも楽しめる密室殺人ミステリー『厳冬之棺』孫沁文(阿井幸…

最初のページからひきこまれる、一気読み必至の良質なエンタメです。文章のテンポがよくて、構…

夕遊
8か月前
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中国ドラマや小説を楽しむために。『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで…

出版直後からすごく話題でしたが、ようやく手に取ることができました。きっかけは、中国ドラマ…

夕遊
1年前
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密やかで美しい短編集。『約束された移動』小川洋子

誰かの読んだ本を追いかけることを「古風な愛」と言ったのは、氷室冴子さんの『さようならアル…

夕遊
1年前
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なぜロシアは戦争を始めたのか?『ウクライナ戦争』小泉悠

ロシアがウクライナに軍事侵攻して、もうじき1年たちます。21世紀になって、軍事の専門家た…

夕遊
1年前
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コツコツ努力だけ、が大変。『ロシア語だけの青春 ミールに通った日々』黒田龍之助

大好きな黒田先生の本。帰省途中のバス&フェリーで読了しました。さくさく読めて、しかも語学…

夕遊
1年前
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難民、遺民、抵抗者。 国と国の境界線に立つ人々『境界の民』安田峰俊

一気に読める、読ませる本です。著者の安田さんは、大昔のblogの時代から文章がうまかったです…

夕遊
1年前
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かなりとがった戦略本。『天才による凡人のための短歌教室』木下龍也

私が現代的な短歌を知ったのは、学生時代、俵万智さんの『サラダ記念日』とかがベストセラーになってからでしょうか。短歌自体にそれほど興味はなかったものの、俵万智さんの『短歌をよむ』は、短歌の歴史や短歌をどう読むか、詠むか、短歌界がどうなっているのか、短歌の表現についてわかりやすく書かれていたのでおもしろかったです。 とはいえ、短歌に疎い私。この本を手に取ったのは本当に偶然なのですが、予想に反して、尖っていたので驚きました。まず、タイトルからして叙述トリック。「天才による凡人のた

こんなグッズに囲まれたい。『ミュージアムグッズのチカラ』大澤夏美

博物館や美術館に行くと、必ずあるグッズショップ。展示を楽しんだ記念に、友だちへのお土産に…

夕遊
1年前
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おもしろすぎてとまらない。『辮髪のシャーロック・ホームズ』トレヴァー・モリス(船…

発売前から評判が良くて、すごく気になっていた推理小説をようやく読むことができました。少し…

夕遊
2年前
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三国志、キングダム、宮廷美女の時代劇。『戦乱中国の英雄たち』佐藤信弥

最近、中華ドラマを見ています。毎日があまりにも暑すぎて、体力が落ちたので、ちょっと休憩(…

夕遊
2年前
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雄大な草原とそこに住んでいた人々と狼たちの最後。『神なるオオカミ』姜戎

10年くらい前、毎年夏の中国内モンゴルに出張してました。その時に仲良くなったモンゴル族の…

夕遊
2年前
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印刷会社のお仕事マンガ。『刷ったもんだ』染谷みのる

『刷ったもんだ』は、とある印刷会社に就職した元ヤンお姉さんの熱いお仕事コメディです。本好…

夕遊
2年前
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リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴー…

夕遊
2年前
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時代で変わる物語と孔明。『三国志演義』井波律子

2世紀末、後漢王朝が宦官の専横で衰退し、道教系の大平道信者を中心とする大反乱が引き金となって、中国は群雄割拠のの乱世に突入します。たくさんの英雄たちが、知恵と力をぶつけ合う時代を描いた歴史書が、3世紀の陳寿『三国志』。そして、これを土台に物語世界をつくったのが、14世紀中頃、元末明初の羅貫中の『三国志演義』。日本で普通に「三国志」と言われているのは、こちらの『三国志演義』の方。 歴史書の『三国志』と、物語の『三国志演義』の間には千年以上の時差があって、そ