中国との商売が牧歌的だった時代。『中国てなもんや商社』谷崎光
首の入らないTシャツ。プリント部分がくっついて、蛇腹のようになってしまったシャツの山。ジャムの瓶に丸ごと入っているヤモリ。蜂蜜瓶の中のスプーン。傘は開かない。トレーナーは色落ち。
中国との貿易は、納期遅延、契約違反、トラブル続出。そのいいわけたるや、「竜巻で工場がとばされてしまった」だの、「洪水被害でどうしようもない」だの、「大雪」だの、とにかく20世紀の中国はスケールがでかすぎる。この本が出版されたのは、1996年。21世紀も20年が過ぎ、世界の工場から世界の市場へと変化