シェアハウスでよかった
あれはまさにそう思える瞬間だった。
***
夕飯のあと、一人部屋に戻った。
部屋といっても、シェアアパートの一室。
みんなで夕飯を食べた101号室とは別の部屋だ。
戻った理由は腹痛。
夕飯の唐揚げがうますぎて食いすぎてしまったようだ。
トイレに入る。
トイレットペーパーを確認する。
まだ幾分か残っているようだ。
安心した俺は用を足し始めた。
この敵が手強い。長期戦だった。
一旦勝ち目が見えたと思ったところに追撃(腹痛)が襲いくる。
2、3回攻防を繰り返したところで、終戦宣言。
腸と肛門と講和条約を結んで、あとは戦場をキレイにするだけだったのだが、事件が起こった。
トイレットペーパーを数回巻き取ると、茶色の芯がカラカラ音を立ててすぐ止まったのだ。
絶体絶命。
トイレ内にストックがないか確認したが、あるのはホルダーに入ってる空の芯と棚に置かれた空の芯のみ。
「1本なくなったら、変えとけよ!」
そう心のなかで願った。
だがここはシェアハウス。
他人の行動で怒るようなやつはここではやっていけない。
協働で共同な生活。
お互い様。
だれも責められない。
しかたなくシェアハウスの全体LINEで助けを求める。
渋っていたシェアメイトも、俺がコワーキングスペースを人質にとると、紙を持って駆けつけてくれた。
ありがとう。
これが一人暮らしだったらと思うとゾッとする。
シェアハウスだから、紙の残量が把握できなかったけど、シェアハウスだから、紙が手に入った。
シェアハウスでよかった。
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