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誰に何の価値を届けるか。

アイデアは、実現させないと意味がありません
実現に向けた第一歩として役に立つ、バリュープロポジションキャンバスについて、デザイン思考との関連性など私なりの観点で説明します。

バリュープロポジションキャンバスは、デザイン思考関係なくとも、新規事業開発でよく使用されるフレームワークですので、目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バリュープロポジションキャンバスはどこで使えるか?

バリュープロポジションキャンバスは、実際のソリューションアイデアが決まり、そのアイデアを実現していくフェーズで活用できます。

デザイン思考の文脈で進めていくと、以下が決まっていくと思います。
・ユーザー
・ユーザーが抱えるインサイト
・インサイトから定義した問題
・問題の解決策(ソリューションアイデア)
ここまで決まって、ソリューションアイデアの価値を整理するために使うフレームワークが、バリュープロポジションキャンバスです。

バリュープロポジションキャンバスとは

バリュープロポジションとは「顧客に提供する価値」のことです。このバリュープロポジションを明確にするのが、バリュープロポジションキャンバスです。

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右側には、顧客が誰で、どんな課題を抱えているのかを書きます。左側には、ソリューションが何で、顧客にどんな価値を提供するのかを書きます。

新規事業の検討をすると、きっと誰もが初めに直面する課題だと思います。
フレームワークだけみると、まぁそうだよねって感じですが、これ、意外にうまく書けないことが多いです。
「こんなの面白い!」ととんでもないアイデアを思いついた気になっても、冷静に誰にどんな価値があるんだっけ、を考えると、整理されてなくてフワッとしている場合があります。

デザイン思考との関係

デザイン思考では、上述の通り、うまく進めていくと、
・ユーザー
・ユーザーが抱えるインサイト
・インサイトから定義した問題
・問題の解決策(ソリューションアイデア)
が決まっているので、これをバリュープロポジションキャンバスのフレームに当てはめれば良いです。

右側の顧客側では、
顧客が解決したい課題は、ユーザーのインサイトから想定される「本質的なニーズ」が該当します。ゲインには、ニーズを満たすことによって得られる恩恵で、ペインは制約となっているような問題や悩みが該当します。
左側の提供価値側では、
商品・サービスは、正にソリューションアイデアであり、そのソリューションアイデアがもたらす、ゲインを生み出すこと、ペインを解決すること書いていけば良いのです。

デザイン思考で問題定義をする時に、おそらく顧客のゲインやペインに対して問題が定義されているはずですので、その解決策を考えていれば、自ずと埋められると思います。

それでも実際は難しい

上述のように、デザイン思考プロセスで生み出すアイデアは、バリュープロポジションキャンバスに当てはめやすいように書きましたが、実際は迷うことも多いと思います。

アイデアを考えていく中でアイデアが刺さりそうな顧客が変わったり、
インサイトの方向性によっては提供価値が実は顧客の課題からずれていたり、
政治的/組織的な思惑の中でアイデアが先行したせいで、結局どれも中途半端なまま来てしまったり、
デザイン思考の簡単なワークショップなどで生み出したアイデアをいきなりバリュープロポジションキャンバスに当てようとすると、まだ詳細が練られていないのでうまく書けなかったり、、、

結局は、「行ったり来たり」だと思います。インサイトも、アイデアも、提供価値も、あぁでもないこうでもないと繰り返していく中で、洗練されて、魅力的になっていくのです。デザイン思考のプロセスは一方通行ではありません。もちろんプロトタイプやテストのプロセスも含めながら、どの顧客に何が提供できるのか、を作り出していくのです。

少なくとも、明確で明らかなインサイトとソリューションアイデアができれば、バリュープロポジションキャンバスは簡単に埋められるはずです。

是非、デザイン思考のマインドセットを持って世界を見て、新しいアイデアが思いついたら、こうした提供価値の視点も持ちながら、実現に向けて一歩先へ進めてみてください!!!

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