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デザイン思考の5th step:テスト(Test)

デザイン思考プロセスの最後(5段階目)であるテストについてです。

プロトタイプの話に通ずる部分があるので、まだの方はまずはそちらを確認ください。

デザイン思考の4th step: プロトタイプ
https://note.com/xicunyou/n/n5857fb46ae37

プロトタイプの話でも書いた通り、テストは「学習」のフェーズです。人間中心の対象(ユーザー)をもっともっと深く知るための機会です。この5段階のデザイン思考プロセスはもちろん1回で終わるものではなく、何度も繰り返されるので、その次のプロセスを回す際の指針になるのが、テストフェーズです。

デザイン思考を教えるStanfordのd.schoolでは、プロトタイプとテストについて、以下の面白い言葉で表現されています。

Prototype as if you know you’re right, but test as if you know you’re wrong.
プロトタイプは自分が正しいと思って行い、テストは自分が間違ってると思って行え!

テスト=共感

上述の通り、テストは「学習」のフェーズですので、インタビューや観察などで実施した最初の共感フェーズの別の機会と捉えるべきです。特に初期は、テストフェーズによって新たな洞察、インサイトを得られることがとても多くあります。

テストする

テストフェーズでは、プロトタイプをユーザーに体験してもらいます。プロトタイプは、スケッチでも、寸劇でも、付箋を散りばめたモノでも良いのですが、それを対象としているユーザーに見せ、フィードバックをもらいます。それにより、ユーザーへの共感を深めます。

テストでの気づきから進む次のフェーズ

テストによりユーザーへの共感を深めると、多くの気づきがあると思います。そこで得た気づきによって、以下のように、次に進むべきフェーズが異なります。

・インサイト
 そもそも問題定義の発端となったユーザーのインサイト、着眼点が異なっていると気づくことがあります。その場合は、テストをすることできっと新しいインサイトに出会えていますので、それをベースに問題を再構築します。

・問題定義
 インサイトは正しそうだし、そこを掘り下げていけば良さそうと言うのはわかっても、定義した問題がハマってないなぁと思うこともあります。その場合は、別の問題定義に変えて、再度ソリューションを考えていきます。

・別のソリューション
 定義した問題は良さそうで、この問題を解決できれば良さそうだが、提案したソリューションがユーザーに響いていないなぁと思うこともあります。ユーザーの反応を新たな選択基準として、アイデア発想の中で出た別のソリューションを試してみると良い方向に進んでいきます。

・ソリューションの改良とプロタイプ
 ソリューションは良さそう!となれば、あとは改善改良の作業です。プロトタイプの中での改善点を洗い出しながら、修正し、時には形態を変えながら、プロトタイプの解像度を上げていきます。この辺はよくリーンスタートアップの文脈で言われているようなプロセスです。

上記のように、アイデアの段階やテストの結果によって、次に進むべきフェーズが異なります。ただ、実際は明確にフェーズがわかると言うことは少なく、次にどっちに行けば良いんだっけと迷うことがほとんどだと思います。組織のしがらみや時間的制約もあると思います。
そこは、ユーザーへの理解度、ユーザーをどこまで考えるかにかかっていると思います。

以上、テストについて解説しました。デザイン思考におけるテストは、あくまでユーザーの学びの機会であり、やはり人間中心に重きを置いていることを理解いただければ幸いです。

■前回の投稿
外出禁止/自粛をデザイン思考で解決しよう
デザイン思考のマインドセット
デザイン思考のプロセス
デザイン思考の1st Step:共感
デザイン思考の2nd Step:問題定義
デザイン思考の3rd step:アイデア発想
デザイン思考の4th step;プロトタイプ

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