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デザイン思考におけるインサイトって何?

デザイン思考で必ず出てくる言葉である「インサイト」。でもこれって結構定義が曖昧です。インサイトとは何か、自分が思うことを解説します。

インサイトとは?

欲しいの本質と言う本には、インサイトを「人を動かす隠れた心理」と定義しています。
人間は95%の無意識が意思決定に関わっていると言われているそうで、表には出ていない隠れた心理こそが「インサイト」としています。
この定義は、私も同意なのですが、「隠れた心理」というのは、これはこれで曖昧で、要は「言語化されない感情」なのかなぁと思っています。

スティーブジョブスは、「人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」という名言を残していますが、まさにこれはインサイトを突くってことだと思います。

言語化できない感情

人は、本質的な欲求を言語化するのが難しいのです。

例えば、単純な例で言えば、ドリルに対してインタビューすると、
・もう少し持ちやすい方が良い
・力まずにやれる方が良い
など、ドリルに対しての改善や不満が出てくるでしょう。
しかし、結局は「○mmの穴を正確にあけたい」が本来の目的であって、さらに具体化すれば、「手を使わずに」や「早く」などの期待は人によって様々です。そんな本来の目的の解決を考えるのであれば、ドリル以外のソリューションも出てきます。

また、上記「欲しいの本質」にも出てくるマクドナルドの事例。
欲しいメニューに対してインタビューすると、ヘルシーや低カロリーみたいな回答が来ました。そこで、サラダマックを発売するも全く売れませんでした。
その後、反対に体に悪そうで高カロリーなメガマックを発売すると、大ヒットしました。

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マクドナルドにヘルシーなんて求めていなくて、むしろ「ちょっと悪いことをしたい」みたいな体験をマクドナルドに求めていたわけです。

なぜ言語化できないのか

このように、人間は自分の欲求を言語化できません。なぜか、例えば以下のような理由です。

・認識していない
自分でもわからない、自分でも認識していないというのは、広く言ってしまえば全てがこれに当てはまるのですが、あります。うーん、わからないけど好き!みたいな。

・(自分にとって)当たり前すぎる前提
穴はドリルで開けるものだ、みたいな、当たり前な前提が邪魔して、ドリル以外の選択肢が消えてしまっていることもよくあります。

・無理して探している
また、インタビューで不満を聞くと、人は勝手に「不満の探索モード」に入って、強いて言うならみたいな、本質的でないことを言います。

・社会性
多くの人は社会性が邪魔して、自分がよく思われるような発言をします。その結果出てきているのが、マクドナルドのヘルシーや低カロリーなわけです。

・自分の中にいる悪魔
自分の中にいる悪魔的な感情が人には必ずあるというのも認識しなくてはいけません。この場合、もちろん上記の社会性が邪魔して表に出ないこともありますし、自分の中で事前に閉ざしてしまっていることも多くあります。。


このように、人は自分自身が思っていることを、上記のようなバイアスなどで正確に言語化することができないのです。

以上、インサイトについて解説しました。人はなかなか自分の感情の言語化ができません。その認識で、あまり御用聞きになりすぎず、インサイトを探ってみると良いと思います!
実は私もすごく苦手ですが、、圧倒的な結果を残される方は本当に人間の感情を見抜く洞察力が、すごいなぁといつも思わされます。
次回、良いインサイトの見つけ方についても解説させていただきます。

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