小龍

70年代生まれ。19歳で初めてインドに行って以来、バックパッカーに目覚める。旅好きが高…

小龍

70年代生まれ。19歳で初めてインドに行って以来、バックパッカーに目覚める。旅好きが高じて、30代半ばで10年以上勤めた仕事を辞めて、3年ほど放浪した経験あり。その後2年間タイで暮らす。現在は仕事を探しつつ旅に出たり出なかったり。今まで旅した国と地域は80くらい(だったかな?)

最近の記事

楽園と楽園を行き来する女性(メキシコ)②

 (続く)をうっすら気にしつつ早4年。去年なぜかぽつぽつ「いいね」がついたので、今更ながら後編を書いてみようと思う。  モーガンが初めてメキシコに来たのは16歳の夏休み。そこで50歳のメキシコ人男性に出会う。それから大学を卒業するまで毎年メキシコに通い、その男性と過ごした。「あー、だからスペイン語ペラペラなんだ。その人が教えてくれたってこと?」と私が聞くと、モーガンは「He taught me everything.」とニヤリ。あ、そーゆーことね。16歳のアメリカ人少女と50

    • 楽園と楽園を行き来する女性(メキシコ)①

      メキシコにいた時、ターニャと同じ場所に下宿していたのだが、一緒にボランティアをしていた。近隣のカーペット作りで有名な村で英語を教えるというものだった。そこで出会った何人かと仲良くなって、よく集まって一緒に飲みに行ったりご飯を食べに行ったりしていた。オアハカは欧米の厳しい冬の間を温暖なメキシコで過ごす、ウィンターバードを呼ばれている人たちに人気で、長期滞在の外国人が多かった。当然そういう人たちは時間を持てあましていて、そんな人に向けたボランティアプログラムがいくつかあった。私

      • 我々に飛び方を教えてくれたシャーマンの弟子が導くきのこの夢(メキシコ)②

         一度目のきのこ体験がよくなかったため、私はリベンジを誓って気合を入れてその手のブログを読み漁っていた。「前世が見える」とか「本当の自分に会える」とか「生まれてきた理由が分かる」とか、できればそんな意味ありげな体験を自分もしてみたい。周りの友人知人にもしゃべりまくり、アドバイスを求めた。一番役に立ったのは、「きのこがもたらす作用を怖がるからマイナスのものを呼び寄せてしまう。怖いと思っても、心を開いて「もっとちょうだい!」という気持ちで自分から向かって行け!」というものだった。

        • 我々に飛び方を教えてくれたシャーマンの弟子が導くきのこの夢(メキシコ)①

           東日本大震災があった時、私はメキシコにいた。長い旅の終わりには住みたい場所を見つけて住んでみたいと思っていたが、オアハカが私が住みたい町だった。メキシコは観光ビザで半年いられるので、その後もアメリカやグアテマラなどに出れば、また半年いられる。最低でも1年は住んでみたいと思っていた。なんとか仕事を見つけられないか動いていた頃、震災があった。私の県も壊滅的な被害を受けた。ボランティア等何かできることがあるはずで、自分だけのんびりしているわけにはいかないと思った。生きてさえいれば

        楽園と楽園を行き来する女性(メキシコ)②

        • 楽園と楽園を行き来する女性(メキシコ)①

        • 我々に飛び方を教えてくれたシャーマンの弟子が導くきのこの夢(メキシコ)②

        • 我々に飛び方を教えてくれたシャーマンの弟子が導くきのこの夢(メキシコ)①

          性的指向は流動したりしなかったりする

           ケイティ・ペリーの「I kissed a girl」が流行っていた辺りには、性的指向について「流動的」という言葉も既に使われていたと思う。その「性的指向を決めつけない」感じがより自由でいいなと感じた。懐かしくなって改めてMVを見てみたら、コメント欄は彼女のセクシャリティについて盛り上がっていたが、「彼女はレズビアンじゃない、アメリカ人だ」というコメントが大喜利していた。それで思い出したのがアメリカ人のキャリーだ。  キャリーとは、ペルーで2週間だけ通ったスペイン語クラスで

          性的指向は流動したりしなかったりする

          ピンクゾーンでケイティ・ペリーを聞きまくった夜

           後に、エルネストとマリアは「セックスもするお友達」だったことがエルネストから暴露される。どうでもいいけど男が酒を飲んで話したがるやり〇ん話につきあってしまうのは私の悪い癖である。エルネストが「初めてマリアとセックスした時、彼女の褐色の肌に金のネックレスが映えてこの世のものとは思えない美しさだった」とかなんとか語るのもついつい聞いてしまった。女友達とのセックスについて聞かされるなんて、どうかしてる!と家に帰ってからものすごく頭にきて、その日は悶々として眠れなかった。彼の言い分

          ピンクゾーンでケイティ・ペリーを聞きまくった夜

          階級を魚のように飛び越える男が乗り越えられなかったもの(メキシコ)

           エルネストは当時離婚したばかりで、落ち込んでいた。彼によると、元妻は才能あるダンサーだった。結婚してからもダンサーとして活躍していたが、ある日師事していたダンスの先生がニューヨークで公演をすることになり、優れたダンサーだった彼女は「一緒に来てくれないか」と誘われた。ダンサーなら誰しもが夢に見る願ってもないチャンスが訪れたのだ!しかし、そのことについて相談を受けたエルネストは、「これから子どももほしいし、家庭を優先してほしい」と彼女に告げる。元妻はその一言でニューヨーク行きを

          階級を魚のように飛び越える男が乗り越えられなかったもの(メキシコ)

          階級を魚のように飛びこえる男に聞いた元僧侶の話(メキシコ)

           メキシコには3回ほど行っていて、半年くらい滞在したこともある。最初のきっかけはメキシコ人画家フリーダ・カーロだった。写真はそんな彼女の写真や絵に彩られたブレスレットだ。表面を傷つけたくないので、袋に入れて大事にしまってある。  メキシコで一番気に入ったのはオアハカという町だった。ソカロと呼ばれる教会前の広場が好きで、よくベンチに座ってのんびり過ごしていた。そうしていると、「日本人?」と話しかけられて、写真を撮られたりすることもあった。そこで会ったマリアとは、意気投合して一

          階級を魚のように飛びこえる男に聞いた元僧侶の話(メキシコ)

          手のひらの上の世界旅行 (タイ)

           これまでは最近行った台湾旅行の写真を載せていたが、それも飽きてきたので、今回からは旅先で買ってきたものを写真で紹介して行きたいと思う。  私は民族衣装が大好きだ。旅行した時にはついつい何か買ってきてしまう。と言いつつ、結局デザインとか日本で買ったものの方がかわいいので、現地以上に日本でもよく買う。そういうものをあれこれ組み合わせて身に着けて、無国籍な感じになるのが好きなのだ。昔国内の旅先で見つけたアジアンなお店にふらっと入ったら、接客してくれた店員さんから「チャイ〇ネさん

          手のひらの上の世界旅行 (タイ)

          王道を行かない人生はいつだっておもしろい(タイ)

          遺跡が好きで、それが旅行の目的になることもある。タイのブリーラムにパノムルン遺跡があると知り、行ってみたことがある。その遺跡も小粒ながら美しかったが、そこで泊まったゲストハウスのオーナーの方がより印象に残っている。シーズンオフだったのか、客は私ともう一組しかいなかった。そのゲストハウスから遺跡までは距離があったので、オーナーは遺跡まで車を運転して連れて行ってくれた。  その道すがら二人で話をすることになったのだが、オーナーは穏やかで笑顔を絶やさず気さくに接してくれたため

          王道を行かない人生はいつだっておもしろい(タイ)

          あし好き男が教えてくれた世界の広さ (タイ)

           最初の一人旅で一番印象に残っているのがイギリス人のおっさんジョン。ゲストハウスが一緒で、チェンマイ帰りのジョンは派手なプリントシャツを着ていた。その時にはチェンマイには行けなかったので、15年後に行くまで私の中のチェンマイのイメージと言えばそのアフリカの民族衣装みたいなそのシャツだった(実際にはそんなシャツどこにも売っていなかった)。    ジョンとは「他にどこ行った?」という旅人にありがちな話題で会話していたが、おもむろに「俺、アジア人の女のコのあしが好きなんだよな」と

          あし好き男が教えてくれた世界の広さ (タイ)

          初めて一人で旅に出る理由なんてそんなもの

           これまでの人生で一人旅をしたことがないという人は意外といるらしい。私の場合、海外旅行の9割くらいは一人旅である。もちろん誰かと一緒の旅も楽しいが、やっぱり一人旅は気楽でいい。酒飲みが手酌が一番いいというのと似ている(私も手酌派だ)。そんな私も元々は「海外に一人で行くなんて!!」と思っていた口だった。初めての一人旅では1ヶ月半でタイ、インド、インドネシアに行ったのだが、最初から一人で行く予定ではなかった。一緒にインドを旅行するはずだった女友達が、直前になって「彼氏にインド旅行

          初めて一人で旅に出る理由なんてそんなもの

          旅の記憶をつれづれと

           初めまして。小龍です。旅への情熱が消えないまま中高年と呼ばれる年になりました。最近記憶力も怪しいので、旅でのいろんな出会いやエピソードを残しておきたいなーついでに面白い文章が書けるようになったらいいなー、なんて思いつつ、noteの扉をコンコンしてみました。写真もまとまっていないので、記事と関係ある写真を見つけられないかもしれないけど、朧げな記憶をたどってつらつら書いて行こうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ちなみに、旅や語学に関する本や買ったものなどをフリマア

          旅の記憶をつれづれと