理解が追いつかない中国のIT技術
中国から日本へ帰国する時、いつもハッとするのは財布を取り出す時である。中国では財布を持つ事がなく、スマホ1つでなんでも出来るので、日本にいると財布を触ること自体に新鮮味がある。
今日本でもスマホ決済が普及している様だが、以前テレビで見た「〜pay 不正利用事件」が頭から離れず、日本ではまだスマホ決済をした事がない。
そこで今回、私が体験した中国のIT技術のごく一部を紹介する。(というかごく一部しか知らない)
1.中国の検索エンジン”百度”
百度には”百度健康”というサービスがあり、そこで緊急医に質問をする事ができる。緊急医はすぐに応対できるし、恐らく人手にも困ってない。
以前、私を支持して下さる方が新型肺炎についての対策を求めてきたことがあった。”今後もし日本で広まったらどうすればいいか”という内容だった。私の対処方法だけでは不十分だと考え、百度の緊急医に尋ねた。
質問にも答えて下さり、具体的な対策例として画像も送付してくれた。このサービスは基本的には無料であるが、チップのようにお金を支払うことも可能である。
もちろん百度には他にもたくさんの使い方があり、私はまだその可能性に手を出していない。(出せない)
2.中国最大のスマホアプリ”美团”
美团とはなんでもできてしまうスマホアプリである。具体的な表現が見つからず、アホっぽい言い方になってしまったが、私の知る範囲を記載する。
・デリバリー
自宅から〜kmの範囲内の商品を届けてくれる配達サービス。お弁当、焼肉、野菜、タピオカ、ケーキ、スーパーの品物、薬品といった商品の配達が可能。また、日毎にクーポンが発行される。(配達費は都市や距離によって異なる)
・商業施設の予約
映画館、スイミングスクール、ジム、ビリヤード、ホテル等の予約が可能。また、日毎にクーポンが発行される。
・各交通機関の予約
新幹線、飛行機、火車の予約も可能。
以上が美团でできるサービスである。(私はこれしか知らない)
3.健康コード
今世界を賑わせている嫌われ者、新型コロナウイルスが湖北省で猛威を奮っていた時に始まったサービスである。使用方法はWechat又は支付宝(=Alipay)で登録ができる。(※Wechatは日本でいうLINEのようなもの。支付宝は決済サービス。)この健康コードというのは少し複雑なので、箇条書きで説明する。
・地域毎に別れた判別法
そもそも健康コードとは、新型コロナウイルスに感染した者と感染していない者を判別するサービスである。
例を挙げると、私の住宅からスーパーまで、2回健康コードを提示しなければならないポイントが存在する。
1つはマンション下の守衛で2つ目はスーパーの入口である。
この健康コードを提示し、店員がスキャンをすると健康コードが緑色、黄色、橙色、赤色、紫色のいずれかの色になる。
これで、緑色表示されると問題なしという事になり、晴れてスーパーの門を跨げる。
※分類された色によって対応が変わる。
黄色…経過観察
橙色…自宅隔離
赤色…集中隔離
紫色…病院での隔離
そこで疑問に思うのは「え?スマホをスキャンしただけで健康状態が分かるの?」という事ではないだろうか?
それは間違いではない。
健康コードというのは前提として「感染するとその地区の住民全ての健康コードの色を変える」というもの。
例を挙げる。
・1人の住民(以下:A)が外出先で感染して自宅に戻る。この時、まだその地区の住民全ての健康コードは緑色。
・後日、Aが違和感を覚え、病院を訪れる。感染が発覚すると、病院側がAの健康コードからAの住む地区に連絡をする。
・同地区の住民も健康コードの色が変わるという仕組み。
要するに、連帯責任である。
そんなんでいいの?とも思うが、今の武漢に最も合理的であり、”新型コロナウイルス感染者でも無症状”という人達の抑え込みにシフトチェンジしたからである。
咄嗟の対応にしてはできすぎていると私は思うが、さすがIT大国だなと痛感する。
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