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『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観ました。(ネタバレあり)

とりあえず今日観てきた感想は今日のうちに残しておこう。

観ました。観終わった。終わってしまった。
というのが一番の感想でした。

この映画を端的に一言で言うと「エヴァの卒業式」だったと思います。

『Q』から8年待って、人によっては14年、また人によっては25年。
エヴァンゲリオンという時代に乗り続けて降りられなくなってしまったオタクたちに与えられた卒業式。そんな印象を受けました。

「オタクは現実に帰れ」と冷たく突き放してしまった旧劇。
あれはあれで大好きなんですけど、やっぱり旧劇の庵野監督のやり方は引き篭もりの子供の部屋のドアをぶっ壊して外に連れ出すという暴力的なやり方だったと思います。
当時はそのやり方しかなかったのかも知れないけれど、庵野監督のどこかにあれは可哀そうだったなという贖罪の気持ちがあったのかもしれません。

だからこそ、シン・エヴァは優しかった。
もうこれ以上「エヴァ」に捉われなくてもいいように、一つずつ丁寧に終わらせてくれて全てのキャラクターに花道が用意されていて、なんてお客に対して温かくて優しい映画なんだと、それに一番感動して涙を流しました。

「碇くんがもうエヴァに乗らないようにいいようにする」
『破』での綾波の台詞がまさにこのシン・エヴァの庵野監督の狙いだと思いました。そうやってシンジ=庵野監督=視聴者がエヴァに捉われなくていいように代わりにエヴァに乗ってくれる役割を引き受けてくれたように感じました。また、あの綾波は母親の綾波ユイと同一視出来るので、母親が子供を守るというエヴァの本質的テーマとも重なる訳です。

きっと庵野監督もそうやって周りの人間に優しくされたから、こんな優しい映画を撮れたんだと思います。
作中でシンジくんが「なんでみんなこんなに優してくれるんだ…!」と言うとアヤナミレイが「みんな貴方が好きだから」と教えてくれます。
これがこの映画がこんなに優しいのかという問いの答えかなと思います。

キャラクターは14年経って大人になった。
みんなも大人になった。庵野監督も大人になった。
だからそろそろみんなでエヴァを卒業しよう。
最後だからド派手にオタクの好きなこと全部やって終わろう。
オタクは辞められないけど、オタクでも汗水垂らして働いたり、人を好きになったり、子供を産んだり、普通に現実を生きることは出来るんだから頑張って生きよう。

庵野監督からこう言われたように感じます。

ありがとう庵野秀明。
そして、全ての子供達に おめでとう。

さようなら 全てのエヴァンゲリオン。


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