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ユーザー様への提供価値を最大化させる、プロダクトマネジメントとは

広報の目黒です。
今回は、PdM(プロダクトマネージャー)として活躍するお三方にインタビューを実施しました。

クロスビットのPdMにはベースとして高い課題発見力・課題解決力が求められていて、メンバーそれぞれが自身の専門性を活かし、クロスビットの構想の実現に向かって進んでいます。

こちらの記事では、事業会社でのPdMの経験やSIerでのシステムエンジニアとしての経験、さらにはデザイナーとしての経験が現在の業務にどのように活きているのか、またその経験をもとにどのようなチャレンジをしているのかを聞きました。

<出演者紹介>
倉富 昴(くらとみ すばる)
学生インターンとして株式会社オンリーストーリーにて、マーケティング部門の立ち上げ担当としてランディングページの運用や広告運用を2年経験。新卒として入社後は経営者同士のマッチングサービスのPdM(プロダクトマネージャー)として課題特定、要求分析、市場リサーチ、要件定義、外部設計、テスト要件の設計などの全工程を3年間担当。2023年10月に、PdMとしてクロスビットにジョイン。

美里 涼(みさと りょう)
一人目の新卒社員としてクロスビットにジョイン。WebサイトやLPの受託制作において、Webエンジニアとしてフロントエンド開発を1年担当したのち、デザイナーとして『らくしふ』『らくしふワーク』などのUI/UXデザインや、コーポレートサイト・ LPのWebデザイン、キャラクターデザインのようなグラフィックデザインを経験。現在はデザイナーとPdMを務める。

岩井 翔太(いわい しょうた)
新卒で日本アイ・ビー・エム株式会社に入社し、システムエンジニアとして大手保険会社の基幹システム刷新プロジェクトにおける、アプリケーション開発の要件定義〜テストまでの全工程を4年半担当。その後、株式会社 BIZVALにてシニアコンサルタントとして M&Aのプロジェクトに参画し、フィールドセールスやDD、M&A支援などを1年経験。株式会社楽天モバイルでは「Rakuten Symphony」という海外事業の立ち上げに伴うPMO(プロジェクトマネジメントの支援)や文書管理システムのDX推進に2年携わる。2023年8月にPdMとしてクロスビットにジョイン。



事業会社でのPdM経験やSIerでのエンジニア経験、デザイナーとしての経験などをもとに、クロスビットのPdMとして活躍

目黒:みなさま、本日はよろしくお願いします。まずはこれまでのご経歴と、現在担当している業務を教えてください。

倉富:私は『らくしふ』の機能開発やUI/UX改善におけるPdM(プロダクトマネージャー)を担当しています。前職では、経営者同士のマッチングサービスを運営する企業で、広告運用をはじめとするマーケティングや、課題特定から要件定義、テスト要件の設計までのプロダクトマネジメント業務を担当してきました。

美里:私も『らくしふ』の機能開発を行うPdMを担当しています。これまでは、Webサイト・LPの受託制作において、Webエンジニアとしてフロントエンド開発を1年担当。その後はデザイナーとして『らくしふ』『らくしふワーク』などのUI/UXデザインや、コーポレートサイト・ LPのWebデザイン、グラフィックデザインを担当してきました。

岩井:『らくしふ』と他社サービスのデータ連携のための開発のPdMを担当しています。これまでは、SIerにてシステムエンジニアとしてアプリケーション開発の要件定義〜テストまでの工程や、M&Aアドバイザリー企業にてセールスやコンサルティングの業務などを経験してきました。

デスクレスワーカー向けのSaaSという広大な事業領域で社会課題と向き合えることや、市場が大きい分チャレンジの機会も多いと感じたことがジョインの理由

目黒:お三方はさまざまなバックグランドを持たれていますね。クロスビットにジョインを決意した理由は何だったのでしょうか?

岩井:これまでのシステム開発の経験と、セールスやコンサルティングの経験を最大限に活かして、クロスビットのPdMならほかではできないチャレンジがきっとできるに違いないと感じたことが大きな理由です。
実はクロスビットを初めて知った当時は、クロスビットは「ニッチで狭い領域の、シフト管理サービスのみを提供する企業」だと思っていたのです。しかし、CEOである小久保との面接を通して、「シフト」にとどまらず、『らくしふ』を利用される全国の企業様から取得できるさまざまなデータをもとにマルチプロダクト化し、「働く」にまつわるあらゆる課題を解決していくという構想があることを知りました。なんて奥行きのあるビジネスなのだろうと感じたと同時に、まだユニコーン企業の少ない領域で事業を展開している分チャレンジの機会も多いだろうと感じ、入社を決意しました。

倉富:私は「誰のどのような課題を解決するプロダクトなのか」とより手触り感を持ち、かつ実際の生活に根付いた社会課題の解決にアプローチする事業に携わりたいという思いで、転職活動をスタートさせました。
これまでに私の父が入院した際に、看護師の方がつきっきりで対応してくださった場面を目の当たりにして、看護師の方が生み出す価値の大きさに圧倒されたことがあります。
そういった「医療」をはじめとする、私たちの豊かな生活を支える業態で勤務なさるデスクレスワーカーの「働く」を、ITを活用し、また私自身の知見や技能も活用しながら支えられる環境が、クロスビットにはあると感じました。

くわえて、クロスビットにはCTOとCPOが在籍していて、「どのような機能が備わっていると、企業様にプロダクトを導入していただけるか」の思考にとどまらず、ユーザー様の業務オペレーションやユーザー様の根本の課題を捉えて向き合うという、戦略的にプロダクト設計をしている点も非常に魅力的でした。

美里:私は一人目の新卒社員としてクロスビットに入社しました。もともとクロスビットの創業メンバーと交流があり、それをきっかけにCEOの小久保さんと出会いました。人柄と情熱に惹かれて、小久保さんとなら面白いことができそうだと直感的に感じたことが、入社を決意した理由です。

目黒:みなさんは「シフト」という領域だけではなくそこからの広がりが大きいことや、チャレンジの機会の多さに面白みを感じられたこと、デスクレスワーカー向けのSaaSという広大な事業領域で社会課題と向き合えることに惹かれた、というわけですね。

これまでに培った課題発見力・課題解決力をもとに、ユーザー様の課題特定や不可逆性の高い開発案件の適切な優先順位付けを行っている

目黒:続いてこれまでの経験をどのように活かして、現在の業務に向き合っているかを聞いていきます。
まずは岩井さんに質問です。岩井さんはもともとシステムエンジニアやセールスを担当されていましたね。PdMである現在は、これまでのどのような経験が活きていると感じられていますか?

岩井:これまでにプロダクトマネジメントの経験はありませんでしたが、PdMの業務の一つである「課題特定」や「開発案件の適切な優先順位付け」をするに当たって、M&Aアドバイザリー企業でコンサルティング業務をしていた際に培った、課題発見力と課題解決力が活きていると感じています。
たとえば、クロスビットのPdMにおける「課題特定」の具体的な業務プロセスは、ユーザー様の1日の業務の流れや、どのような業務に困っていてその業務にどのくらい時間をかけているのか、などについての仮説を立て、ユーザー様への定性的・定量的な質問や実際の行動観察などを通して、仮説を検証する流れで行います。

M&Aアドバイザリー企業におけるコンサルティング業務も、企業様からの「ある企業を買収したい」という依頼に対して、何をもって「買収」とみなすのかという広い論点を扱うため、自分自身で仮説を立て、その仮説について詳しい方へのインタビューを通して、仮説を検証するプロセスで行っていました。このように、コンサルティング業務とプロダクトマネジメント業務は、スケシュールやゴールに違いはありますが、基本的な考え方のステップは変わらないのです。

またクロスビットのPdMにおいて「開発案件の適切な優先順位付け」の業務を進めるためには、ある単体の機能だけでなく、どういったまとまりの(複数の)機能をユーザー様に提供できるとその価値を最大化できるかを考える必要があります。
たとえば、あるサービス施設の店長様から、「働き手の方々の人件費を管理する機能を作ってほしい」という依頼をいただく場面を想像してみてください。人件費を管理する機能をプロダクトに備えるには、まず計算のロジックを組む必要がありますが、その計算ロジックの機能提供だけでは、その店長様に価値を届けることは難しいのです。なぜなら、その計算ロジックを開発した後に、店長様が閲覧する管理画面に計算結果を表示させる機能や、勤務なさる働き手の方々の人件費が、どの期間でどのくらいかかっているかを管理する機能などが必要になり、一定のまとまりがあって初めて、機能の価値を発揮できるため。
そのため解決したい課題を設定して、その課題を解決するために開発すべき機能は何かを分解して抜け漏れなく洗い出す必要があり、その過程でも課題発見力・課題解決力が必要なのです。

美里:私もエンジニアやデザイナーとして勤務していた際に培った課題発見力・課題解決力や開発に関する知見が、現在のPdMとしての業務に活きていると感じています。
私はデザイナーとして勤務していたころから、デザインは「課題を解決するための手段」だと捉えていました。具体的には、「ユーザー様の解決すべき根本の課題は何か」を設定し、その課題を解決するためにどのようなデザインの要素が必要かを分解して、最終的なデザインを制作してきました。
そのため、たとえばPdMの業務の一つであるプロダクト要求仕様書を作成する際にも、ユーザー様のご要望をそのまま反映するのではなく、「解決すべき根本の課題は何か」をまず検討することが当たり前のように染み付いていて、これまでに培った課題発見力・課題解決力を活かせていると感じています。

また『らくしふ』をSaaSとして長期的に成長させるためには、ユーザー様の課題を解決する機能の開発だけでなく、エンジニアの開発効率をより良くするための環境整備を行うことも重要です。この点で、これまでのエンジニアとしての知見をもとにどのような技術的負債があるかを把握した上で、適切な機能開発の優先順位付けをすることで、リファクタリングも必要なタイミングに組み込めています。

倉富:岩井さんや美里さんの言うように、私も課題発見力・課題解決力を活かせていると感じる場面は多く、また不可逆性を考慮して実際の開発に落とし込むスキルも同様に活かせていると実感しています。
特にPdMの業務の一つである「開発案件の適切な優先順位付け」については、一度機能をリリースすると、その機能を使うユーザー様が一名でもいらっしゃる限りその機能を取り下げることは難しい。また一つの機能がほかの機能に及ぼす影響範囲も決して小さくないため、その機能を開発することでどのような影響が出るかを抜け漏れなく洗い出し、プロダクトを利用なさるユーザー様の体験価値を最大化できる積み上げ方を考えながら、一つひとつの機能開発にこだわって開発を進めています。

目黒:PdMの業務には高い「課題発見力・課題解決力」が求められ、みなさまはこれまでの業務経験で培ったスキルをもとに、ユーザー様の根本の課題特定や、不可逆性の高い開発案件の適切な優先順位付けを行っている、ということですね。


どのようなユーザー様の課題に着目するか、その課題をどのように解決するか、という大きなテーマに対して責任と裁量を持ち、意思決定のチャレンジをしている

目黒:みなさまは、これまでの経験を活かしつつ、新しいチャレンジに取り組んでいることと思います。ぜひ、クロスビットで新たにチャレンジしていることを教えてください。

岩井:ユーザー様へのヒアリングの設計から、それを通して具体的にどのような課題に着目するかの特定、どのような機能群を提供してその課題を解決するかまでの意思決定をし、大きな責任と裁量を持って取り組んでいます。
たとえば人件費と労務の管理機能の開発にあたっては、企業様からの「人件費管理や労務管理の機能がほしい」というニーズのにおいを察知した段階で、ユーザー様へのヒアリングを実施することにしました。その対象となる、人件費管理や労務管理に課題を感じている企業様を自ら選定したのち、ユーザー様ごとに感じている課題が異なるという理由から、企業経営の意思決定をされる経営陣の方と店舗管理の意思決定をされる店長の方の、それぞれにヒアリングを実施。それぞれのユーザー様がどのような思考で『らくしふ』を利用されているかを自分自身の中で再現可能な状態にするために、実際のヒアリングの中では、『らくしふ』の利用導線を細かく追跡しました。その結果、店長の方の人件費管理や労務管理の機能に対するニーズは決して多くはない一方で、経営陣の方は働き手の方々の細かい残業代を管理したいというニーズがあることを特定。その上で、どのような機能群を提供できるとその価値が最大化されるかを、アウトカムから逆算して検討し、提供すべき機能群の定義と開発を行いました。

美里:私も責任と裁量を持ち、日々重要な意思決定に取り組んでいます。
企業様の「シフトの不足枠を埋める」ための開発プロジェクトにおいては、企業様の売上や客数などによって時間帯ごとに適切な働き手の方々の人数を設定できる機能や、シフトの不足枠を公開して、その時間に勤務を希望する方を募って不足を埋める機能の開発を行いました。
具体的には、ユーザー様の『らくしふ』の運用方法と課題点を把握するヒアリングを実施したことで、「事業所を横断したシフトの不足情報の管理」と「シフトの不足枠を埋める」の二点に大きな課題を抱えていることが明らかになりました。「事業所を横断した、シフトの不足情報の管理」については、一店舗を管理されている店長様よりも、複数店舗を管理されているSV(スーパーバイザー)様の方がより大きな課題を抱えているという仮説を立てられたため、SV様を中心に再度ヒアリングを実施した上で根本の課題を特定し、要件定義から開発、リリースをしてその後の検証までを実施。
「シフトの不足枠を埋める」については、埋めたいシフトの枠の業務内容や勤務場所などによって適切な「シフトの不足枠の埋め方」があるという仮説を立て、再度のヒアリングを通じてそのユースケースを洗い出しました。ヒアリングを実施した結果、ユースケースが多種多様だったため、全ての機能を一度に開発するのではなく、企業様への事業インパクトが高いものを優先して開発を実施しました。

倉富:「どのような機能を開発するか」だけでなく、プロジェクトの進め方や方向性についての意思決定にも挑戦し、日々成長を実感しています。
ユーザー様の「行動観察プロジェクト」も、その進め方や方向性について、大きな裁量を持って意思決定をしたプロジェクトでした。
もともと、『らくしふ』のUI/UXに改善の余地があることは認知していましたが、本プロジェクトの始動前は、ユーザー様が実際にどのように操作しているかを、自信を持って把握しているといえるメンバーは決して多くはない状態でした。
そこで『らくしふ』のUI/UXをユーザー様が望む形で正しくアップデートするために、ユーザー様の『らくしふ』利用時の行動観察プロジェクトを始動。ユーザー様が実際にどのような状況や思考で『らくしふ』を操作をしているかから逆算して、『らくしふ』のUI/UX改善のロードマップを引くことが狙いでした。そのため、まずは行動観察の対象となるユーザー様を、『らくしふ』を導入されている業態や店舗あたりの働き手の方々の人数、利用状況などを複合的に考慮して選定。その後、観察観点の選定とヒアリング項目を洗い出し、 一般的にはカスタマーサクセスやカスタマーサポートといわれる役割を担う、クロスビットのCustomer Experience Groupと連携してアポイントの打診から設定までを実施しました。実際のユーザー様の行動観察時は、ユーザー様が普段シフトを作成をされている現場に足を運び、シフト作成の一連の流れを拝見。くわえて、ユーザー様がなぜその行動をとったのかを探り出すために思考発話法による調査も並行して実施し、意識としても表れにくい課題を捉え、ユーザー様の課題の根幹を探りました。

行動観察の実施後はマインドマップのツールを用いて、それぞれのユーザー様が『らくしふ』を操作する上で詰まっていた点や気にしていた点、独特な行動、全く行われていなかった動作などを洗い出しました。改善項目についてはPdMチーム内でワークショップを実施。機能が使われない理由としてどのような心理的ハードルがあるのかや、ユーザー様の業務役割上の障壁や興味関心などの仮説立てを行いました。その上で、働き手の方々がスマートフォンで希望シフトを入力する際の形式変更や休憩時間の登録方法の改善、既存機能のデザイン変更などを起案し、行動観察で得たユーザー様のインサイトをチーム内で共有しフィードバックをし合いながら次回のUI/UX改善における開発ロードマップ作りを行いました。


クロスビットの構想に面白みを感じ、かつ専門性を持ちながらユーザー様の課題解決に真摯に向き合える方が、クロスビットのPdMにマッチする

目黒:最後に、どのような方がクロスビットのPdMにフィットするか、みなさまはどのような方と働きたいと思っているかを教えてください。

美里:私は一人目の新卒社員としてクロスビットに入社し、その決断は決して間違っていなかったと、今でも強く感じています。
なぜなら、私自身がクロスビットの「働く価値の最大化」を謳う「はたらく」先の“最高”というビジョンに非常に共感していて、またそれを実現するためのプロダクトの開発力があり、そして何よりクロスビットのメンバー一人ひとりがそのビジョン・ミッションを本気で実現させたいと思い行動をしていて、誇りを持てる企業だと思っているためです。「労働生産性の向上」や「働き方の多様化への対応」に向き合うためには、一人ひとりの理想の働き方を実現させる必要があり、それを実現させる可能性の一つを、「シフト」が秘めていると思っています。
そのためクロスビットの構想に共感し、かつものごとや情報を的確に捉えられる課題発見力・課題解決力の高い方は、きっとクロスビットのPdMにフィットすると思います。

岩井:クロスビットのPdMには、ユーザー様の課題特定やクライアントワークであるコンサルティングの業務も求められます。このようにPdMの業務幅は広く深いため、何か一つでも専門性がありつつ、ほかの分野も積極的に伸ばしていきたい成長意欲の高い方はフィットするでしょう。

倉富:私たちクロスビットが相対する企業様は大手企業様が多く、その分ステークホルダーや抱えていらっしゃる課題も多いです。ユーザー様からのご要望に対して「何が根本の課題で、解決のために何が必要か」を把握する交渉力や業務オペレーションを正確に捉えていく力に長けている方は、クロスビットのPdMとしてとてもフィットするはずです。プロダクトを通して
ユーザー様の課題解決に真摯に向き合いたい方と、一緒に働きたいと思っています。

目黒:今後のプロダクトの進化が非常に楽しみです。倉富さん、岩井さん、美里さん、本日はありがとうございました。

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