見出し画像

離脱症状と常用量離脱

■離脱症状

減薬した直後に出現する不快な症状。 動悸、頻脈、筋肉痛・硬直、不眠、耳鳴り、微熱、火照り・寒気、高血圧などの症状が出ます。

何れも、自律神経の「過興奮」という状態が 根本にあります。 自律神経のアクセルである交感神経が暴走している状態です。 自律神経は、興奮と鎮静の制御を行っていますが、興奮側に偏っている状態です。

原因は、ベンゾジアゼピン長期連用によるGABA受容体の減少とそれに伴う自律神経の鎮静機能の低下。 自律神経のブレーキである抑制機能の低下分を ベンゾジアゼピンが支えてバランスが取れているので、 減薬により その支えを取り去ると、神経の興奮を鎮めることが出来ず、過興奮になり、離脱症状となります。


キャプチャ4
キャプチャ5
キャプチャ3

ちなみに離脱症状であるかどうかは、 減薬前の量に戻すことでわかります。 症状が収まれば、それは離脱症状ということになります。

ベンゾジアゼピンが自律神経の抑制機能低下を補助しているので、 減らすと離脱症状、元に戻すとベンゾジアゼピンという支えを取り戻して症状が収まります。

■常用量離脱

通常、離脱症状は減薬・断薬した場合に発症します。 しかし、常用量服用しても、離脱症状が発症する状態を常用量離脱と言います。

常用量離脱は、ベンゾ依存が更に進んだ(悪化した)状態と思われます。

ベンゾジアゼピンを長期連用するとGABA受容体が減少して、自律神経の鎮静機能が低下しますが、 あくまで、ベンゾが支えているうちは、バランスが取れており 何もおきません。

しかし、依存が進行すると、このバランスが崩れるものと思われます。 ホメオスタシスのバランスが崩壊して、更にGABA受容体が減少し、 常用量のベンゾが支えても、離脱症状が出るようになります。 これが常用量離脱です。

これは、減薬していないのにも関わらず、減薬したと同じ ことになります。

「常用量でステイ中」 に 「GABA受容体が減少し、鎮静機能が低下した」ことになります。

そういうわけで、常用量離脱ではステイしていても 「離脱症状は収まるどころか、亢進する」のです。

常用量離脱への移行は、恐らく遺伝的に進みやすい人、多種類・高容量を長期間服用した人などが考えられますが、はっきりしたことはわかっていません。

スナップショット 2 (2021-04-03 11-26)youtube


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?