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第2回職務満足度調査の結果

ウィル訪問看護ステーションでは、定期的にスタッフの満足度調査(Employee satisfaction)を測定しており、安心・安全を基に働きやすさというソフト面を含めた職場環境の向上のためのデータ活用を目指し、全ての職員に対し定点的・横断的に把握することを目的にしています。昨年に行った測定から約半年後の2019年4月に第2回調査を実施しその結果をご報告いたします。

<調査の概要>

・職務満足度:UWES short formを参考にした0~6点の7段階の17項目。総得点での評価の他、Vigor(職務への精力度)、Dedication(職務への貢献度)、Absorption(職務への熱中度)の3つの因子をもつ。

・安全・安心の承認:野口(2007)作成の承認の尺度を参考にした1~4点の4段階の28項目。総得点での評価の他、「先輩・上司からの信頼と権限委譲」「他事業者からの尊重」「同僚からの保証」「患者や家族との親しい関係」「脅かされない」の5因子をもつ。

・臨床実践能力の自己評価:佐藤ら(2007)作成の「キャリア中堅看護師の臨床実践能力測定尺度ver3」を参考にした1~4点の4段階の20項目。総得点での評価の他、「チームの発展に貢献する力」「質の高いケアを提供する力」「患者の医療への参加を促進する力」「現状に主体的に関与する力」の4因子をもつ。事務職員からの回答は不要とし。

なお、倫理的配慮として、各回答については個人が特定されないよう調査票のデザインを行い、管理者および人事権を持つ職務に該当するスタッフへ回答内容が閲覧・特定がされない体制を構築の元、調査を行いました。

<結果>

1.事業所の内訳
江戸川・江東事業所:22名 (第1回目:23名)
豊見城事業所:7名 (第1回目:9名)

2.性別の内訳
20代:11名 30代:11名 40代:4名 50代:1名 未記載:2名
(第1回目 20代:9名 30代:12名 40代:4名 50代:0名 未記載:7名)

3.性別の内訳
男性:10名 女性:19名 その他:0名
(第1回目 男性:12名 女性:17名 その他:1名 未記載:2名)

4.職種の内訳
看護師:23名 リハビリセラピスト:4名 事務系職員:2名
(第1回目 看護師:25名 リハビリセラピスト:4名 事務系職員:2名 未記載:1名)

5.勤務形態の内訳
常勤:21名 非常勤:8名
(第1回目 常勤:22名 非常勤:10名)

6.基礎統計の結果

※UWES(職務満足度総得点) は第1回目は質問紙の作成の過誤により、第1回目が0~5点の6段階になってしまっていた。(第2回目は原版通り、0~6点の7段階に訂正済み。) そのため、理論上最大17点の差が生じ、第1回目と第2回目の比較は単純にはできませんでした。

<考察>

調査項目とした尺度について、元々大きく変動する尺度ではなく、それを踏まえ1回目と2回目の前後で大きく変わりはないことが分かりました(UWESは除き)。これは1回目と2回目で回答者は概ね同じであったこと、1回目より忙しいであろう2回目のタイミングであったものの下変動は認めなかったことから、満足度の悪化はなかったと考えます。
一方で、変動しにくい指標を使うことなどへの課題感もあり、調査項目については検討の必要性があると考えます。

今後については調査項目や頻度の見直しも検討しつつ、
① UWESをその前後評価でトレンドを確認していく
② 承認の調査結果→UWES、実践自己評価→UWES、の相関関係を確認し、事業所内のスタッフの認識の全体的なコンセプトマップを描く
③ 「承認」の因子ごとに弱いところを特定、「自己評価」の弱いところを特定
④ ③に着目しつつ、それぞれの因子の前後比較をみて、更にオマハ導入がどんなふうに影響したのか推察、肌感覚から、問題点を議論していくことが可能ではないかと考えています。

ウィル訪問看護ステーションでは「全ての人に家に帰る選択肢を」実現するため、ケアに取り組むチームとスタッフが健全に働くことを引き続き目指して取り組んで参ります。


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