見出し画像

訪問看護のためのクラウド型記録システム「ウィルクラウド」を作りました!

無題

「全ての人に家に帰る選択肢を」を理念に掲げる、ウィル訪問看護ステーションには、社会に対する3つのアクションがあります。

①24H365Dの在宅看護サービス
~いつでも、だれでも、どんなときも~
②包括的な視点と、アウトカム指標
~地域包括ケアシステムの一部として~
③看護システムの、“のれん分け”
~知恵と知見はシェア・拡散する仕組み~

この3つの行動を更に促進するために、訪問看護事業所のためのクラウド型記録システム「ウィルクラウド」を開発しました。
コンセプトは「チームで看護に熱中し成果を追うことで、患者/利用者利益を高めていく」です。
そのコンセプトを意識し開発した「ウィルクラウド」の特徴を紹介します。

①チーム全員で利用者全体を看ていくための看護記録システム

これまでの訪問看護記録システムは、看護職が一人で訪問に行き一人で訪問看護記録を積み上げていくようなイメージのものでした。
しかし、実際の訪問看護師はステーション内でディスカッションやお互いの看護をフォローをしながら日々業務を行っています。

ウィルクラウドは看護師一人のためではなく、メンバー同士で利用者に関するディスカッションや助言などのコミュニケーションを生み、チームで利用者全員を看ていくためのシステムです。

新人がどんな看護技術を経験しているのか、スタッフがどんな特徴のある患者を受け持っているのか、ステーションの看護は利用者にとってどのくらい有効であるかなどが分かるようになっています。

ただ現状が分かるだけでなく、コメントやタスクも投稿できるため、スタッフ同士で助言し合ったり、システム内で業務を依頼し合うこともでき、チーム全体で利用者全体や、その看護をサポートし合うことが可能です。コメントや知見などシェアが活性化しやすいように、後述しますが、各種スケールやガイドラインへのアクセスなどもしやすくなっています。

②オマハシステムを用い、看護のアウトカムを測り、成果を追うための看護システム

日本で初めて(且つ唯一)共通言語としてオマハシステムを搭載しました。オマハシステムはアメリカネバダ州在宅看護協会で開発された看護診断分類です。在宅ケア、そして多職種で使うことを前提に開発され、アメリカやオランダを中心に多くの在宅ケア組織、公衆衛生組織で利用されています。ウィルクラウドでは、看護展開をオマハシステムで行いそのまま訪問看護計画書へ反映ができます。また立案した看護問題について定期的に定量化した評価を行うことで、利用者ごとの看護の成果を個別的に定点評価できます。

※こちらの記事で詳しく説明をしています。

さらに事業所全体や法人全体でのチームの成果が常に集計・フィードバックされます。最も多い看護問題や、頻出する介入パターンの組み合わせ、疾患群や看護問題別の前後評価の平均値が全てのスタッフへフィードバックされ続け、ケアのクオリティコントロールに重要な指標となります。そして、訪問件数や利用者数、過去1か月間のスタッフ別訪問数順位なども常にチームへフィードバックされ、自分たちの生産性についても確認をしていくことができます。

また、看護師個人においても、自身の訪問件数や月間総ケア時間、立案している看護問題のバランスなどがフィードバックされていきます。それらを、先輩看護師と後輩看護師でともに確認していくことで、より教育的に有用な機会となるでしょう。

これらは特別な操作は必要とせず、日常の看護計画立案、訪問看護記録作成にて自動的に全てフィードバックが行われる仕組みです。

③看護師にとって、より実践的で機能的なシステム

多くの看護記録システムはありますが、本当の意味で看護師自身が使いたい帳票を兼ね備えているシステムには出会いませんでした。それは”業務のための帳票”ではなく、”看護実践のための帳票や記録”という意味です。

ウィルクラウドでは、私たちが在宅看護/訪問看護実践でよく使うアセスメントツールやスケール等を標準搭載し、記録書Ⅱの中や書類作成の帳票としてフォーマットを準備しています。参考までにいくつかご紹介いたします。

【皮膚】
DESIGN-R、ブレーデンスケール、褥瘡対策に関する看護計画書など
【疼痛、EOL】
痛みの評価シート(緩和ケア学会)、PPI/PPSスコア、NRS、VAS
【口腔・嚥下】
O-HAT,反復唾液嚥下テス、改定水飲みテスト、フードテストなど
【身体活動】
MMT、ショートBBS、ベッドサイドモビリティスケールなど
【精神】
GAF、MSE、クライシスプラン、ストレングス整理シート、セルフケアモデルの枠組みなど

看護職が日常的に利用するツールのこれらは、各著作権者より許諾を頂いており、機能として実装されています。またウィル訪問看護ステーション独自に作成した「ACPのための私の心づもりシート」や「小児ケアマップ」などもお使い頂けます。

もちろん、業務効率という意味でのその他日常的に必要な、ファックスのひな形、看護サマリー、情報提供書、退院カンファレンス記録、多職種会議録(サービス担当者会議など用)などもきちんと用意されています。

④看護管理業務を効率化することで、管理者がより利用者とスタッフのケアに集中できるシステム

利用者のケアに関する申し送りなどの手間、また看護管理者として事業所管理作業を効率化することで、もっと利用者やスタッフへのケアに時間を使うことができます。

ウィルクラウドでは、個別的なケア手順や物品場所などの写真だけでなく動画もその場で記録書Ⅰにアップロードが可能です。

また、タスク機能により「保険証の写真撮ってきて」「この手紙を家族に次回渡してください」「指示書の内容確認をお願いします」など、大切だけど事務的で細かい仕事の”やり忘れ”や、事務と看護職スタッフのミスコミュニケーションが減少します。

同行訪問などをカウントしていくことや、基本技術のチェックリストなどがあることで、教育的なデータ蓄積と見える化が可能になり、わざわざ手で数えなくてよくなります。そして、インシデントやアクシデントのレポート機能もあり、定期的な事故の振り返りや再発防止に活用頂けます。

レセプトシステムとの連携にて記録書Ⅱの実績から診療報酬、介護報酬の請求も他社サービスと同様に可能です。

費用について

初期費用はありません。シンプルな月額のアカウント料金体系となっており、1アカウントあたりの月額制です。お見積りはお問合せください。

興味を持って頂いた方は気軽に見てみてください。お問合せ先はこちらです。

ウィルクラウドはウィル訪問看護ステーション(江戸川、江東、昭和病院、豊見城、福岡)にて既に運用されています。
また新たに数件の訪問看護事業所に導入されることが概ね決定しており、現場の看護師から改善点などフィードバックが毎日あがるため、アップデートが繰り返されて、より現場に即したシステムになる予定です。

ウィルクラウドは、今後事業所内だけでなく、訪問看護ステーション全体、地域包括ケアシステム全体で地域の利用者を看ていくための進化を計画しています。
ウィルクラウドを導入いただくことで、少人数の事業所でも、地域の多様な課題に対してより訪問看護師が効果的に介入できるかと思います。

現在はまだ販売サイトなどは出来上がっていませんが、興味関心のある事業所さんからゆっくりと広げていこうと思います。
是非お気軽にお問合せください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?