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秋田を止めろ!負けられない戦いとシステム変更

FC岐阜にとっては“天下分け目の関ヶ原”と言える大事な一戦が、ホーム長良川競技場で行われる。もちろんブラウブリッツ秋田からすれば34分の1試合かもしれないが、岐阜にとっては負ければ優勝は夢のまた夢に、J2昇格も黄色信号が灯る戦いだ。

11試合負けなしの秋田は勝点29で首位。岐阜は1試合少ないが勝ち点15で暫定10位となっている。2位ガイナーレ鳥取との勝点差は9。雷雨のために中止となった前節・福島ユナイテッド戦は2-0で勝っていたため、そこから始まることになれば(現在、再開方法は未決)勝点3を上積みできる可能性は高いが、それは捕らぬ狸の皮算用。何しろ過去には3点差を残り10分で逆転されたチームもある。

秋田戦に向け、出来るだけポジティブな面を見たいが、前節・福島戦ではシステムを変更。これまでの[4-4-2]から、DF竹田忠嗣をアンカーに置いた[4-1-4-1]にしたことで、前半の45分は効率的なサッカーが出来た。その狙いをゼムノビッチ監督は、

「アンカーを置くことでもっと攻撃的に後ろから2人がいくことが出来る。あとは守備で重なることがなくなりCBの前でもう少し強くすることが出来る」と説明。

そして、実際にプレーする側、今季初出場となったCBのイヨハ理ヘンリーは、

「忠嗣さんがカバーに入ってくれることが大きかった。そのおかげでイスマイルとのマッチアップもうまくいって、自分の良さが少しは出せたと思う」と語る。

8月に入り3試合で7失点とほころびが出始めていた守備陣にとって、システム変更という対処療法は功を奏した形だと言えるだろう。

一方、残念ながら攻撃の選手に話を聞くことが出来ていないため、その感想は分からないが、28分には高い位置で三島頌平が相手のパスをカットし、川西翔太を経由して大西遼太郎がゴールを陥れていることからも、監督の狙い通りにいったと考えるのが相応か。

ただ、今回の対戦相手の秋田は失点3という堅い守備を誇るチーム。守備に力点を置いた[4-1-4-1]では攻略できる可能性が低い。インサイドハーフがなるべく高い位置をとってワントップをフォーローしたいが、守備も攻撃もとなると普段よりも運動量が必要。残暑が厳しい長良川競技場で、インサイドハーフがどこまで走れるかがカギになる。

あるいは、インサイドは守備をより意識し、左右のWGが中に絞ってプレーすることがポイントになるかもしれない。どちらかというと[4-3-3]のイメージに近いだろうか。ワントップの川西の特性を考えると、近くでサポートしてくれる人材が必要であり、サイドからのクロスも高さ勝負よりもコントロール勝負になる可能性が高い。大外はSBの上りをうまく利用することにして、WGは中で勝負してフィニッシャーの役目も担いたい。

「6ポイントゲームになるというのは意識しているところ。秋田に黒星を付ければ勝ち点以上に勢いが増す。勝って勢いに乗りたい」(ヘンリー)

「負けていないチームを倒すには戦う気持ちが大事。今まで以上に気持ちを入れないと」(ゼムノビッチ監督)

J1では先週、隣の名古屋グランパスが無敗の川崎フロンターレに土をつけた。舞台は違えど岐阜も負けていられない。無敗の秋田に勝って再び首位を目指したい。

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