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『#地元がヤバい本』プチ読書会を開催しました

 今年の夏は帰省せず、ずっと都内にいました。ちなみに9月の連休もずっと都内でした。まくはりうづきです。
 私は転勤族の家庭で育ったこともあり、現在の「実家」があるのは「地元」でもない上、今は家族全員と都内で会える環境のため、なかなか帰省する理由がないんですよね……。(でも、佐賀県は好きなので、11月に一度帰省する予定です)

 そんな私はこの夏、友人たちと小規模な読書会を行いました。
 課題図書は、この本!

 まちづくりを専門とする社会起業家・木下斉さんによる、小説仕立ての本です。
 木下さんのことは昔からTwitterでフォローしていて、東洋経済などWebメディアで記事を読んだこともありますが、著書を読んだのは初めて。

 友人たちと読書会をすることが決まり、課題図書の選定の際、この本を強く推薦していたメンバーがいたのでこの本に決まりました。
「小説になってるから、とっても読みやすいよ」という評判通り、読み始めたら一気に惹き込まれました。

 平凡な33歳のサラリーマンが、地元で同級生と再会したことをきっかけに地域活性化事業に取り組むことになる物語。
 舞台は「東京から新幹線で1時間、さらに在来線で20分という、人口5万人ほどのどこにでもある地方都市」だそうです。規模は異なりますが、私は地元の佐賀県佐賀市を想像しながら読みました。
 小説としてはやや駆け足な印象はありますが、実践向けの本としてはまとまっていて面白かったです。

 地域再生が主題の本ではあるものの、「コミュニティデザイン」の側面からも示唆に富む一冊でした。
 私自身、小さなものも含めれば20年以上前から(!)コミュニティの立ち上げや運営や解散を繰り返していますが、「あぁ、こういうトラブルってあるよなぁ」と思えた部分も多々。

 また、地域活性化の文脈でよく言われている「よそ者、若者、バカ者」が地域を変える……なんていうのも実際は全然そんなことはない、というくだりも印象的でした。

 あと、私がこの本でいいなと思ったのは、合宿をするシーン。

 日頃は「緊急だが重要ではない話」を優先しがちだが、それだけでは、本当に自分たちがやらねばならぬことに取り組めているのかが見えなくなることがある。忙しいことを理由に、課題の解決を先送りすると、事業の成長はいつか壁にぶち当たる。だから合宿のときは日常業務は一切遮断して、中長期の目線で、やるべきことを見定め取り組む、また今やっている不必要なことをやめる決断をする

 合宿のときには「緊急性はないが極めて重要な話」を集中的に議論する、というのは良さそうです。これって、組織の運営だけでなく、自分自身を見つめ直す際にも使えるかも、と思いました。

 あと、本筋とは関係ない感想を言うならば、「これ、主人公や主要キャラが女性だったら、全然違うストーリーになりそうだな」と思いました。
 この作品の主要キャラはほとんど男性。主人公が地元で同級生に再会することから地域再生事業が始まっていきますが、この同級生が既婚で子どもがいるということはかなり後になってから明かされたため「えっ、これまでそんな描写一切なかったのに、子どもいたんだ……」と少し驚きました。
 まぁ、物語とは関係がないから省かれていただけだとは思いますが、この主人公も同級生も女性だったらこうはいかなかっただろうな……なんてことを考えたり。

 ちなみに、読書会に来ていたほかの人たちの感想は、こんな感じ。
 市役所に勤めていた経験がある人は「役所が悪者として描かれていたのが気になった」と苦笑していたり。
 木下さんのほかの本を読んでいた人は「木下さんのこれまでの集大成だ、という感じがした」と言っていたり。
「『成功する起業家は「居場所」を選ぶ』という本を思い出した」と言ってた人もいたり。
 そして「この本を読んで、私たちもそろそろ実践するフェーズに入りたくなってきた」ということを言っていた人もいました。

 ……そう、この読書会を行っていたのは、「お勤めの仕事をしながら、なにか社会を変える活動をしていきたい」という有志で集まったメンバー。
「楽しく社会をカエルさんs」という名前で、月1〜2回程度ミーティングをしたり、小さなイベントを開いてはその収益を募金しています。
 私たちの活動はまだ、今年から始まったばかり。
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※ちなみにこの、通称『地元がヤバい本』は、木下さんのnoteで一部無料公開されています。興味のある方はぜひ。

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