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新規就農をしてみて、「意外だったこと」とは?

おはようございます。ひらっちです。今日は仕事で沖縄です。やっぱり空港はガラガラですかね? 早く元通りに・・・と願いたいですが、この変化に適応するしかないですかねぇ。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

■「実家農家タイプ」と「非農家タイプ」で、農業へのハードルは全く異なる

あらためまして、ひらっちです。今日は「農業」をテーマに書いてみたいと思います。

いつもアップしている自己紹介でも書いておりますが、僕は、今から10年前の2010年に新規就農しました。

新規就農といっても、親御さんが農業をやっている「実家農家タイプ」と、農業とは無縁の家庭で育った「非農家タイプ」の大きく2つに分かれます。僕は、後者の「非農家タイプ」からの新規就農でした。

このnoteでも以前にご紹介しましたが、新規就農というのは、前者の「実家農家タイプ」に比べて、後者の「非農家タイプ」の方が圧倒的にハードルが高いです。

これは何となく分かりますよね? 前者はいわゆる「後継者」で「2代目社長」とか「3代目社長」みたいなもの。「新規就農者」で一括りにされることが多いですが、いわゆる「起業」とは全く違うことがお分かりいただけるかと思います。もちろん、それはそれでご苦労はあると思いますが。

一方、「非農家タイプ」は、まさしく起業です。自分ですべてを始めないといけない。これが大変です。なぜかというと、基本的に農業の世界は、既存の農家さんを守るために、ガッチガチに規制があるからです。

最たるものが「農地法」です。今でこそだいぶ緩和されてきましたが、僕が農業を始めた10年前でも、基本的に農家以外の人が農地を借りることは、ほぼ認められていませんでした。おかしな話ではありますが、今でもすんなり借りるというわけには、なかなかいかないのが現実だと思います。

■農業をやり始める前のイメージとは、正直かなりのギャップがあった

とまあ、若干横道に逸れましたが、そんなこんなで、僕はなんとか新規就農を果たしました。ただ、実際に就農をしてみると、事前に思い描いていた「農業のイメージ」とは、ギャップを感じる点がいくつかありました。

あくまで個人的な感想の部分が強いですが、「農業にチャレンジしてみたい」と考えていらっしゃる方の参考になればと思います。

<思っていた以上にうまくいかない>

農業の成功本などを読みあさっていましたし、家庭菜園を続けていたので「まあ、なんとかなるでしょ」と甘く考えていた部分もあったかもしれませんが、初年度は惨敗でした・・・。ある程度失敗は折り込み済みでしたが、それでも相当凹むぐらい収穫できませんでした。

<モノをいうのはコミュニケーション力>

人間関係に縛られることなくのんびり仕事できる、というイメージを多少持っていましたが、そんなことは全然ありませんでした。冷静に考えてみれば当たり前ですが、農家のコミュニティに入っていくわけで、人付き合いが何よりモノを言います。農家、地元の行政・JAなど、関係各所との打ち合わせも頻繁にあり、「コミュ力」がないと厳しい世界です。「実家農家タイプ」はそうでもないですが、新参者の「非農家タイプ」は特にそうです。

<栽培技術よりも売るスキルの方が必要>

栽培技術については、就農から3年ぐらい経つとかなり身に付いてきます。また、JAや行政には、それぞれ農家を指導する立場の担当者がいて、農業の基本などを定期的に指導したり、相談に応じてくれます。なのでそんなに難しいことはありません。

大事なのは「いかに販売するのか」です。僕は、既存の農家さんのグループに入らせてもらったので、売り先に困ることはなかったですが、本当に全くの新規でビジネスを立ち上げようとすると、野菜の販路をいかに構築するかが一番の課題になると思います。

<無農薬では太刀打ちできなかった>

就農を考えている段階では、「有機栽培っていいよね」と思っていましたが、初年度に撃沈しました。これは僕がやっている作物の特性もあると思いますが、農薬なしでは全然育ちません。何でもかんでも無農薬でいけるじゃないかと考えていましたが、『奇跡のリンゴ』みたいな話は、やっぱり奇跡なんだと悟りました。無農薬を考えるなら、無農薬に適した作目を選ぶところから考えていかないと難しいです。

<自然の威力を思い知った>

どちらかと言えば、台風が襲ってくるとワクワクするタイプでした。おそらく小学校が休校になって「やったー!」みたいな原体験が起点になっていると思いますが、農業を始めてみて、台風が心底嫌いになりました。都市で過ごしていると自然を制圧したかのように勘違いしがちですが、やっぱり自然は偉大だと痛感しました。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 農業に興味がない方にとっては、あんまり関係がない話かもしれませんが、少しでも興味をお持ちの方にとっては、イメージ通りの部分と、そうでない部分があったかと思います。

新規就農をする方に念を押しておきたいのが、「コミュニケーション力の大切さ」と「売り先の確保の難しさ」です。

僕の周囲でも、この2つの壁に打ちのめされている人を結構見かけます。特に、栽培技術を習得しながら一から販路を開拓していこうとなると、かなりハードな戦いがまっているはず。一般の会社で考えたら、生産部長と営業部長を同時にやるようなものですから、そりゃそうですよね?

農業に限らず、物事を楽観的に見て始めてしまう人は結構いると思います。確かに楽観的に行動することも大切ですが、あくまで準備・計画の段階では、悲観的に厳しく見る。そういう視点を大事にしたいですね。

<おすすめ参考図書>

■奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

本文でも取り上げていた『奇跡のリンゴ』をご紹介。もう10年以上前だと思いますが、テレビ番組をきっかけに話題を集めたベストセラーです。僕ももちろん読みましたし、物語としてはなかなか面白いと思いますが、これを再現できるか?というと厳しいかな。ちなみにリンゴで有名になりましたが、ブームが巻き起こる前には、自然栽培に関する本を出されています。

■自然栽培ひとすじに

こちらは、基本的な栽培の考え方や具体的な技術の部分に踏み込んでいて、家庭菜園にも役立つことが多いと思います。木村さん関連の本でいえば、個人的にはこれが一番好きですかね。

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