Webライティングにおける構成とは? 構成づくり4つのポイント
Webライターとして活動し始めたばかりの初心者のみなさん。
「構成」という言葉を耳にしたことはありますか?
「それぐらい知ってるよ!」という声も聞こえてきそうですが、中には、
「どんな手順で作ればいいのかわからない」
「そもそも絶対に作らなきゃいけないの?」
といった悩みや疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。
私もライターを始めたばかりの頃は、同じように思っていました。
しかし、ライターの仕事を続けていくうちに、“構成の大切さ” をひしひしと感じるようになっていったのです。
なぜWebライティングにおいて、構成が必要なのか?
今回は初心者ライターさんに向けて、Web記事における構成の必要性や作成のポイントまで、詳しく解説します。
Webライティングにおける構成とは?
Webライティングにおける構成とは、“記事の骨組み” のこと。クライアントワークでは「h2」「h3」や「大見出し」「中見出し」などと表現されるのが一般的です。
この段階でざっくりと、見出しごとに書く内容を決定しておきます。
これがWebライティングにおける「構成づくり」です。
これができているのといないのでは、記事の仕上がりに大きく差が出てきます。
構成が絶対に必要といわれるたった2つの理由
Webライティングにおいて、構成づくりは不可欠な工程です。
以下に挙げる2つの理由から、構成づくりが非常に大事な過程であることがいえます。
1.執筆前にクライアントと認識のすり合わせをするため
作成した構成案をクライアントに確認してもらうことで、執筆前に記事の方向性について認識のすり合わせができます。
記事の方向性はメディアの目的によっても異なるため、憶測で決めつけてしまうのはあまりおすすめしません。
ここで「生命保険についての記事」を例に挙げ、各社の「方向性の違い」を考えてみましょう。
A社の目的:自社の保険商品を売りたい
B社の目的:自社のファイナンシャルプランナー(FP)に相談してほしい
自社の保険商品を売りたいA社の場合、記事の方向性は「他の保険商品に比べてこんなメリットがある」といった観点を押し出すような内容が求められるでしょう。
一方で、ライフプラン相談の申し込みを記事のゴールとするB社には、「保険商品を選ぶ前にライフプランを立てることが大切」といった方向性の記事が望ましいのではないでしょうか。
このように、メディアの目的によって記事の方向性が変わるのです。
中には「とりあえず記事を書いてほしい」というように、目的が不明瞭なクライアントもいるかもしれません。
そんなときのために提案時「なぜこの構成にしたのか」、理由をひとこと添えるのがおすすめです。クライアントからの印象アップにつながるうえ、信頼度が増します。
2.執筆中、書くべきことを見失わないようにするため
執筆に取りかかる前に構成を作成するもうひとつの理由は、「記事のゴールを見失わないようにするため」です。
リサーチしながら記事を書いていくうちに「で、結局何が言いたいんだっけ?」とならないように、あらかじめ記事の “地図” を作成しておくといったイメージです。
構成作成前の下準備
構成を作成していく前に、3つのポイントに分けて下準備をしていきましょう。
まずは「キーワード選定」「ペルソナ設定」「検索ニーズの把握」を行うことが大切です。
1.キーワード選定
まずはキーワード選定から始めましょう。クライアントワークの場合、あらかじめ指定されるケースが多いため、今回は詳細を省きます。
2.ペルソナ設定
次に、そのキーワードで検索するのはどんな人なのか、具体的な人物像(=ペルソナ)を考えてみます。
【例】
■キーワード:「昼ごはん レシピ 簡単」
■ペルソナ:
20代独身女性
料理が苦手
なるべく手抜きしたいが食費は削りたいと考えている
こんな風に、これから書き上げる記事の方向性を決める意味合いで、ペルソナ設定をしていきます。このキーワードで検索するのは、必ずしも20代の独身女性だけとは限らないからです。
30代の主婦だって検索するだろうし、男性だって検索するかもしれませんよね。
ここでペルソナ設定が生きてきます。
「記事の方向性」と「メディアの方向性」が一致しているかどうかを確認するうえでも、ペルソナ設定は重要な工程です。
なお、ペルソナもあらかじめクライアントが設定しているケースが多くあります。
もし伝えられていない場合は、クライアントに質問してみましょう。
3.検索ニーズの把握
検索者が知りたいことはどんなことなのか? 検索ニーズをリサーチしましょう。
「読者は何を知りたくてこのキーワードで検索するのか?」
「検索によって、どんな悩みを解決したいのか?」
といった読者の心理のことを「検索ニーズ」または「検索意図」といいます。
キーワードからもある程度は想定できますが、「関連キーワード(=サジェスト)」を探るとより深い検索ニーズを把握することが可能です。
これらの工程を丁寧に行うかどうかが、記事の品質にかかわってきます。
「どんな記事にしたら読者の役に立つか」
「クライアントの成果につながる記事にするには何を書くべきか」
“記事の目的” を第一に考えながら構成づくりを行いましょう。
構成づくり4つのポイント
下準備が終わったら、いよいよ構成を作成していきましょう。
ここでは、構成づくりのポイントを4つ解説します。
1.記事の目的を意識する
リサーチした内容を読者のニーズに合わせて “読まれる記事” に仕上げるために、どのような流れで伝えていくかを考えます。
ポイントは「読者のBefore・Afterを明確にする」ことです。
読者はどの購買ステージ(※)にいるのか?
読者が解決したい悩みは何なのか?
読者の知識はどの程度なのか?
といった項目を埋めるように構成を作成していきます。
■「保険商品の紹介記事」を例に挙げ、2人のケースを比べてみましょう。
Aさん:保険に入ろうか迷っているが知識はない
→保険のしくみを解説する記事が必要
Bさん:保険に入ることは決めていて勉強もしたが、どの保険が良いかわからない
→契約してほしい保険商品のベネフィットを伝える記事が必要
こんな風に、
記事にたどり着いた読者に、どんな行動を起こさせたいのか?
その行動を起こさせるためにはどんな情報を提供する必要があるのか?
といった観点を考慮しながら、記事の目的を意識してみましょう。
※購買ステージとは:読者(=顧客)の自社商品に対する購買意識。「非認知」「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」の5つのステージに分けられる。
2.全体の流れを意識する
文章全体を見て、読者に伝わりやすい構成になっているか?を確認するのも重要なポイントです。
伝える情報は同じであっても、伝える相手によって「伝え方」や「伝える順番」が異なるケースがあります。場合によっては不必要な情報すら生じる可能性もあるでしょう。
「読者がいまどの段階にいるのか?」を意識すると、スムーズな流れの構成をつくることができます。
3.見出しの粒度を揃える
「見出しの粒度」を意識しながら構成を作成していくと、読者ファーストのわかりやすい記事を執筆することができます。
ここでいう粒度とは「抽象度(情報の大きさ)」です。
【例】
◎ りんご、梨、もも→「果物の種類」で統一されている
× あじ、さば、金華さば→「魚の種類」と「ブランド」が混ざっており粒度が揃っていない
また、私が意識して使うテクニックとして、h3見出しの最後は「動詞」または「名詞」で統一させるというのがあります。
この記事の構成も見ていただくとわかる通り、「構成作成前の下準備」の配下にあるh3見出しの末尾はすべて名詞です。
それに対し、本項「構成づくりのポイント」の配下にあるh3見出しはすべて動詞で終えるよう文脈を調整しています。
このように粒度を揃えることで見出しに統一性が生まれ、読者が「いま何を読んでいるのか?」と、迷わずに読み進めてもらいやすくなるでしょう。
4.独自性を盛り込む
最後に、構成には独自性を盛り込むことをしっかり意識しましょう。
情報の抽出はできる限り一次情報(※)から行うのが望ましいです。
たとえ上位にあったとしても、ライバル記事をまるっと参考にしてしまうのは好ましくありません。
独自性がなくなるうえ、一歩間違えると単なるコピペ記事にもなりかねないからです。
競合と比較して不足する点はないか
競合は言及していないが実は重要な点はないか
自社にしか書けないネタはないか
上記の観点を意識してリサーチ・執筆を行うと、独自性を生み出しやすくなります。
また可能な限り、取材やアンケートなど「自分の足で稼いだ情報」を取り入れると、独自性がグッと高まります。
(※)ここでいう一次情報には「自身の体験やインタビューに基づき得た情報」以外にも、官公庁のサイトや商品・サービスの公式サイトといった「一般的に信頼できる情報源」を含みます。
一次情報については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
構成づくりに役立つ “文章の型”
「構成作成前の下準備や構成づくりのポイントはなんとなくわかったけど、そもそもどんな風に組み立てていったら良いかわからない!」
そんなお悩みを抱えた人もたくさんいることでしょう。
安心してください。“文章の型” を使えば、構成づくりに慣れていない初心者でもスムーズに構成を作成できます。
代表的な文章の型は、以下のとおりです。
PREP法
論文構成
PASONA(新PASONA)の法則
SDS法
AIDCAの法則
上記に挙げたものはほんの一例に過ぎません。
初心者のうちは特に、こうした文章の型に当てはめながら組み立てていくと、わかりやすい構成づくりができるでしょう。
ただし文章の型は、記事のテーマによって使い分けが必要です。
「この型に当てはめるとなんかしっくりこない」というときは、他の型で試す。柔軟な対応が求められます。
まとめ
Webライティングにおいて構成づくりが必須とされている理由は、
「執筆前にクライアントと認識のすり合わせをするため」
「執筆中、書くべきことを見失わないようにするため」
上記2つがあることを解説しました。
しっかりと構成を作ってから執筆に取り掛かれば、スムーズに書き進められるといったメリットも挙げられます。
いいこと尽くしの “構成づくり”。しっかりマスターしてくださいね!
執筆者プロフィール:堀田えりな
フリーランスのWebライターで4人のママ。
◆主な保有資格
・Webライター検定1級、2級、3級
・AFP認定者
◆得意ジャンル
・金融(とくに保険)
・子育て
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