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【読書感想】十二人の死にたい子どもたち読み終わりました!

ずっとタイトルで気になっていたこの小説。約500ページもある大作でしたが、ただ長いだけではなく飽きさせない展開が、最後の最後まで次々とページを捲らせました!

このお話のあらすじはこうです。

廃病院に集まった12人の子供たち、彼らの目的は安楽死をすること。しかし、彼らが集まった地下の一室では、いるはずのない13人目の少年が先に眠りについていた。 自分たちの中に13人目を殺した犯人がいる可能性があり、このまま安楽死を実行すれば自分たち全員が犯人扱いされる恐れがある。このまま計画を実行すべきか、13人目の正体を解明すべきか。彼らはこの集いのルールである「全員一致」にのっとり議論を進めていく。

物語は12人の子どもたちか、議論をしていくことで進んでいきます。

主が話し合いによって進んでいくのですが、最初はただ安楽死を求めて訪れた、他人に自分を見せたくない者たちが、議論を重ねていく上で自分を見せていきます。

『この人たちになら、本当の自分を見てもらってもいい気がしてきた』

同じ目的を持った者たちだからこそ、信頼が生まれていくのでしょう。

12人の子どもたちは、目的は一つでも、死ぬ理由も性格も考え方もバラバラ。そんな人たちが集まるからこそ、もちろん各々考え方がぶつかり、色んな見方が生まれて、新たな疑念が浮かんでいく。

この物語は、人の考えや信念がぶつかる様をうまく描いています。死ぬために集まっているからこそ、普段の日常のどんな場所よりも自分の意思を貫こうとする。だからこそ、議論は中々終わらない。

全員一致のために議論を進めていくのですが、子どもたちは議論を重ねていくことによって、途中で最初の考えから考えが変わっていきます。

普段でも誰かの意見を聞いたり、自分の意見を話すしたりしてるうちに考え方が変化することってよくありますよね。その様子がとてもリアルに描かれています!

こんな人におすすめ!

人の考えや心理が好きな方、何かどんでん返しな展開ではなく、人と人の考えが絡まることで物語が進んでいくことが好きな方におすすめです!

最後に


この物語のテーマが安楽死を求める子どもたちなので、命について考えさせられます。

子どもたちは、自分の命を自分で絶つ選択は自由だと主張しています。

子どもの痛ましい自殺や事件が多い世の中だからこそ、亡くなった人を責めるのではなく、そういう選択になってしまった経緯を知るのが大事。

そして、その子の意思を責めるのではなく、そういう選択を最善だと思わせてしまった環境を責めることも大事かもしれません。

この作品は、言葉では言い表せない様々なことを考えさせられる作品でした!

ぜひ、気になった方は読んでみてください。

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